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英NICEが頭頸部がんの診断、評価、管理の品質基準を公表

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英NICEが頭頸部がんの診断、評価、管理の品質基準を公表

ESMO(欧州臨床腫瘍学会)

優先改善項目における質の高いケアについての記述を公表

20173月、英国国立医療技術評価機構(NICE)は頭頸部がんにおける品質基準[QS146]を公表した。この品質基準では若年者(16歳および17歳)と成人(18歳以上)の上気道消化管がんを含む頭頸部がんの評価、診断および管理を取り上げ、優先改善項目における質の高いケアについて記載している。

 

上気道消化管がんには、頭頸部の気道のさまざまな部位に発生するがんが含まれる。たとえば、口腔がん、中咽頭がん、鼻咽頭がん、下咽頭がん、喉頭がんおよび副鼻腔がんなどである。

 

この品質基準は、医療およびソーシャルケア法(Social Care Act 2012年)に則り、英国医療サービス(NHS)イングランドによって承認されている。

 

NICEの品質基準は、規定されたケアまたはサービス項目における品質改善の優先度の高い項目について記載している。各基準は、特定の簡潔かつ測定可能な声明を優先順位付けしてまとめたものから構成される。この品質基準は基盤となる包括的な推奨項目を提供するNICEまたはNICEが認可する既存のガイドラインを引用し、改善の測定をサポートするようにデザインされている。

 

品質に関する声明 

声明1:上気道消化管がん患者は、診断時に予防的経管栄養の必要性を含めた栄養状態が評価される。 

理論的根拠:上気道消化管がん患者は、疾患およびその治療が原因で体重が著しく減少し、摂食困難となることが多い。診断時に予防的経管栄養の必要性を含めた栄養状態の評価を行うことは、治療前、治療中および治療後の適切な栄養摂取に役立つ。また、これによって上気道消化管がん患者が根治治療を完遂する可能性が最も高くなる。

 

声明2:特定の進行上気道消化管がん患者に対し、フルオロデオキシグルコース陽電子放出断層撮影法(FDG PET-CTによる全身の病期分類を行う。 

理論的根拠:PET-CTCT単独よりも全身の正確な病期分類が可能で、がんが原発部位を越えて広がっているかどうかを明らかにすることができる。より正確な病期分類を行うことで、特定の進行がんに対するより適切な治療が可能となる。これはつまり、がん転移のために緩和的治療を必要とする患者に治癒目的の治療を行う必要はなく、そのような治療は患者の利益とならないことを意味する。

 この品質に関する声明は、PET-CTを用いて全身の病期分類が行われた場合のN3上気道消化管がん患者の割合とT4下咽頭および鼻咽頭がん患者の割合に関わる。

  

声明3:外科的管理の一環として頸部郭清を必要としない早期口腔がん患者に対し、選択的頸部郭清術の代わりにセンチネルリンパ節生検を行う。

理論的根拠:早期口腔がんに対するセンチネルリンパ節生検により不要な選択的頸部郭清を回避できる可能性がある。これは、回復時間の短縮、入院期間の短縮、選択的頸部郭清術に関連する重篤な合併症(神経因性疼痛や肩関節運動障害)の回避につながる。  

早期口腔がんとはT1-T2N-0の口腔がんである。

 

声明4:上気道消化管がん患者は、放射線療法と手術の両方が適切な治療選択肢となる場合、どちらかを選択しなくてはならない。

理論的根拠:放射線療法と手術の転帰が同等である上気道消化管がん患者に対し、どちらの治療も選択可能であること、そしてこれらの治療がもたらす影響について伝える必要がある。説明には、生じる可能性のある副作用(遅発性副作用を含む)の詳細も含まれていなければならない。明確な説明と医療従事者によるサポートにより、上気道消化管がん患者は十分な説明を受けた上で自分の希望に合う治療を選択でき、患者満足度が高まる。

  

放射線療法または手術が治療選択肢として適切な上気道消化管がんは以下のとおりである。 

•新たに診断されたT1b-T2声門喉頭扁平上皮がん

•新たに診断されたT1-T2声門上喉頭扁平上皮がん

T1-2N0中咽頭腫瘍

T3喉頭扁平上皮がん

原文掲載日

翻訳工藤 章子

監修東 光久(総合診療、腫瘍内科、緩和ケア/福島県立医科大学白河総合診療アカデミー)

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