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術前化学療法を受ける一部の早期乳がん患者は腋窩リンパ節郭清を回避できる

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術前化学療法を受ける一部の早期乳がん患者は腋窩リンパ節郭清を回避できる

米国がん学会(AACR) サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS)2016

12月6~10日開催の2016年サンアントニオ乳がんシンポジウム(SABCS)で発表されたGANEA 2臨床試験データによると、手術可能な大きい乳房腫瘍を有し、術前化学療法実施前に腋窩(わきの下の)リンパ節にがんの臨床徴候がみられなかった患者では、手術中のセンチネルリンパ節生検(SLNB)でがんの徴候がみられないことと再発リスクが低いことが関連していた。

 

「わきの下の多数のリンパ節を除去するという侵襲的な外科手技、腋窩リンパ節郭清(ALND)は、術前化学療法実施後に乳房の外側にがんが転移していないかを確認するためしばしば実施されます」と、フランス、ナントのInstitut de Cancerologie de l’Ouest René Gauducheauで外科部長を務めるJean-Marc Classe医学博士は言った。「ALNDは重篤な合併症や長期後遺症の高いリスクを有しています。そこで、大きな乳がんに対する術前化学療法を受ける患者のため、われわれはより侵襲の低いSLNB手技の実施可能性および安全性について評価したかったのです」。

 

「術前化学療法前に腋窩リンパ節でがんが認められなかった患者群では、術前化学療法後の手術中のSLNBが安全で確実な検査であることがわかりました。なぜなら、SNLBで異常が認められず、ALNDを実施しなかった患者群では術後3年時の腋窩再燃リスクが非常に低かったためです」と、ナントの医科大学の腫瘍学教授でもあるClasse氏は続けた。「われわれは腋窩リンパ節の再燃は観察結果より多くみられるものと予想していたので、このことは非常に興味深く、希望的な見方をすると、より多くの患者を侵襲的なALNDの潜在的合併症から防げるようになるかもしれません」。

 

Classes氏らは、手術可能な大きい乳房腫瘍を有し、穿刺細胞診と腋窩超音波検査でリンパ節にがんが認められなかった590人の患者を臨床試験に組み入れた。すべての患者は術前化学療法を受け、その後、切除術とSLNBを受けた。

 

139人から採取したSLNBの検体でがん細胞が検出された。これらの患者群は全員その後ALNDを実施した。432人から採取したSLNBの検体からはがん細胞は検出されなかった。このうち416人は追跡可能で、追跡期間中央値は35.8カ月であった。

 

SLNB検体でがんが検出されず、このためALNDを受けなかった患者の3年時無病生存率は94.8%であった。1人で同側性の腋窩リンパ節での再燃が認められた。ほかの9人の再燃は、転移(3人)と乳房での再発(6人)であった。全生存率は98.7%であった。

 

「われわれが観察した術前化学療法後SLNBのみ受けた患者群の無病生存率と全生存率の結果は、SLNBでなくALNDを受けた患者群の従来の生存率に相当します」と、Classe氏は言った。「このため、術前化学療法前の超音波での腋窩評価でも、術前化学療法後の切除術中のSLNBでもがんが認められないような患者群では、ALNDは回避できるかもしれません」。

 

Classe氏はこれらの患者群におけるSLNBの確実性をさらに確認するためには、患者をより長期追跡することが必要であると指摘した。

 

本試験はInstitut National du Cancerより資金提供を受けた。Classe氏は利益相反のないことを表明した。

原文掲載日

翻訳大澤朋子

監修林 正樹(血液・腫瘍内科/社会医療法人敬愛会中頭病院)

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