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アルコールとがんについて知ってほしい10のこと

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アルコールとがんについて知ってほしい10のこと

英国医療サービス(NHS)

今週は「アルコール意識向上週間」なので、アルコールとがんについてよく聞かれる質問のいくつかに答えたいと思います。

 

アルコール1単位とはいったい何かという説明から、よく使われている二日酔い解消法の解説まで、アルコールとがんについて知っておくべきことを紹介していきます。

 

1. アルコールはがんとどのような関係があるのでしょうのか?

これはもっともな質問です。

 

というのも、アルコールとがんの関連を知っているのは10人中わずか1人です。

 

具体的には、アルコールは乳がんや大腸がんなど、よくみられるがん7種のリスクを上昇させます。

 

アルコールをたしなむ人全員が、がんを発現するわけではありません。

 

しかしながら全般的には、アルコールを飲む人々に、より多くみられるがんが数種類あることが研究から判明しています。

 

2. 比較的良いアルコールのタイプはありますか?

他と比べてより良い、またはより悪いタイプのアルコールといったものはありません。

 

ワイン、ビール、または蒸留酒のどれに含まれているかに関係なく、アルコールそのものがダメージをもたらします。

 

したがって、飲酒のアルコール総量を減らすほど、リスクが低下します。

 

3. 心臓には良いのではありませんか?

少量の飲酒は心臓に良い可能性があることを示した試験結果が複数あります。

 

しかしながら、2016年アルコールガイドラインの最高医務責任者レビューの一環として実施された分析では、飲酒の便益はあるとしても一般集団のごく少人数のグループでしかみられていないとの結果でした。

 

特に、アルコールをごく微量(1週間で約5単位。単位については後述)しか飲まない55歳以上の女性が該当します。

 

このため、最新の政府のガイドラインでは、健康のための飲酒を推奨しないことを明記しています。

 

残念な結果で申し訳ありません。

 

4. 1カ月禁酒する恩恵は何でしょうか?

1カ月の禁酒で多くの恩恵が得られます。

 

どれくらいの量を飲酒していたか見直すことができ、お金を節約することもでき、大酒を飲む分のカロリーを減らせるため体重も減らせます。

 

さらに朗報があります。1カ月の禁酒期間が終わっても、それと同時に恩恵がストップするわけではありません。

 

長期間にわたり努力を続け、飲酒量を減らせば、がんリスクの低下など、あなたの健康が本当に変わることも可能です。

 

5. しかし、実際、アルコールはどのようにしてがんを発現させるのでしょうか?

以前にも書いたように、完全には解明されていません。

 

しかしながら、主な説が三つあります。

 

アセトアルデヒド
アルコールを飲むと、体内でアセトアルデヒドという有害な化学物質に分解されます。
この物質が細胞内部のDNAに損傷を与え、損傷の修復を妨げることでがんを引き起こします。

 

ホルモン
アルコールはエストロゲンなど体内の一部のホルモン値を上昇させます。さらに、がん細胞の中には、がん細胞増殖を促す燃料としてこれらのホルモンを利用する種類のものもあります。これが、なぜアルコールが女性の乳がんリスクを上昇させるかの説明となります。

 

吸収
アルコールは、口腔内や咽喉内の細胞が他の発がん性化学物質を吸収しやすくする。
これが、なぜ飲酒や喫煙によりがんリスクが非常に上昇するのかという理由の一つです。

 

6. 短時間での大量飲酒はさらに悪いのでしょうか?

二日酔いの悪化に陥りやすく、事故や負傷のリスクが確実に上昇します。

 

しかしながら、がんリスクについて言えば、現在のところ明確になっていません。

 

多くの研究で、摂取アルコール総量と、それがどの程度がんリスクに影響するかを調査しています。

 

今までのところ、調査結果から、摂取アルコールが増加するほどがんリスクが上昇することがわかっています。一気飲み、または一度に少量ずつの飲酒のいずれにおいても。

 

7.  二日酔い解消法は本当に効果がありますか?

迎え酒?揚げ物の朝食?

 

誰でもズキズキする頭痛や口内の苦みを取り除く最善の方法についてアイデアをもっています。

 

以前に最も人気のある二日酔い解消法の一部について書きましたが、それらは効果がありません。

 

二日酔いに対してもアルコールの長期的な健康への悪影響にも効果はありません。

 

けれども、二日酔いを避ける絶対確実な方法が一つあります。飲み過ぎないことです。

 

これもまた、申し訳ありません。

 

8. アルコールについての政府のガイドラインとは何でしょうか?

英国では、男女ともに1週間あたりの飲酒は14単位以下が推奨されています。

 

今年更新されたガイドラインでは、低量の飲酒でさえも、一部のがんリスクを上昇させると強調しています。

 

制限内での飲酒は現状の健康リスクを低く保つだけであるため、14単位を目標値としてみなすべきではありません。

 

飲酒量が少ないほど、リスクは低くなります。

 

9. アルコール1単位とは?

残念ながら、アルコール1単位とは飲酒1回という意味ではありません。

 

数多くのさまざまな酒類が入手可能であるため、パイントからショット、コスモポリタンまで、飲んでいるアルコールの単位数を数えていると、早々に混乱してきます。

 

単位数を算出するには、酒類の量と度数の強さを調べる必要があります。

 

例えば、アルコール度数3.5%のビール1パイントは、約2単位ですが、5%のビールは同量で約3単位です。

 

好きな酒類にアルコールが何単位入っているかを知るためには、Drinkawareの単位計算表、または下図を見てください。きっと驚くでしょう。

 

10. 節酒のためにできることは何でしょうか?

 

特に、アルコール中心の社交の場が多い場合には節酒は難しいことがあります。

 

しかしながら、節酒をしやすくするためにできることはあります。

 

仲間を見つける
友人またはパートナーと節酒の約束をして、計画を守るために互いに助け合いましょう。

 

買いだめしない
1日の終わりに無意識に赤ワインに手を伸ばしてしまうことは、しばしばあまりに簡単です。食器棚になければ、どれほど本当に飲みたいのか考え直すことができるでしょう。

 

1回の量を減らすか、アルコール度数の低い酒を飲む
小さめのワイングラスやアルコール度数の低い酒を選んだり、ビールにレモネードを加えてシャンディにして飲んだりしてアルコール単位数を抑えましょう。

 

周囲に巻き込まれず、管理する
グループ内で最速の酒飲みについていかなければと思わずに、自分のペースで飲酒しましょう。

 

著者Katie Edmunds氏は、英国がん研究所の健康広報官です。

 

アルコールとがんについての詳細は、our health(健康情報)ページを参照のこと。

 

アルコールによりがん7種が発現する可能性があります。

  • 口腔がん、および上咽頭がん
  • 喉頭がん
  • 食道がん
  • 女性の乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん

円が大きいほど、飲酒と関連するがん症例が英国で多いがんです(原文参照)。

英国では、飲酒を減らすことで年間12,800人のがんの症例を予防できます。

 

あなたの飲酒量は何単位?

1単位=アルコール純度100%10 mL(5 mLの小さじ2杯)

 

ワイン(13%)
ボトル1本=10単位弱

250 mLグラス1杯=3.5単位弱

175 mLグラス1杯=2.5単位弱

 

アルコポップ(5%)(果汁や炭酸が入った低アルコール飲料)
275 mLボトル1本=1.5単位

 

ビール類
通常の度数(3~4%)のラガー、シードル、またはビター1パイント(約568mL)=2単位

 

プレミアムビールなど

プレミアム度数(5~5.5%)のラガー、シードル、またはビター1パイント(約568mL)=3単位

 

蒸留酒(40%)
ダブル(大)2 × 35 mL=3単位弱
シングル(小)25 mL=1単位

原文掲載日

翻訳太田奈津美

監修辻村 信一(獣医学/農学博士、メディカルライター)

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