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高精度TAPUR試験にBayer社・Merck社が参加、規模拡大へ

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高精度TAPUR試験にBayer社・Merck社が参加、規模拡大へ

米国臨床腫瘍学会(ASCO)

患者と医師に対し、適格基準の熟考および登録を奨励

米国臨床腫瘍学会(ASCO)プレスリリース

米国臨床腫瘍学会(ASCO)は本日、Targeted Agent and Profiling Utilization Registry (TAPUR)試験において、登録された患者に無償で試験薬を提供する企業として、Bayer社およびMerck社が最近署名したことを発表した。本試験はASCOの史上初の臨床試験で、その他に6社が参加している。2016年3月14日の開始以来、患者18人が登録し、試験治療を受けている。そしてさらに31人が同意し、スクリーニング中、またはスクリーニングが完了した。この人数は毎日増え続けている。

 

TAPURは、分子標的抗がん剤を評価し、米国食品医薬品局(FDA)にすでに承認されている適応症以外でのこれらの薬剤の追加的な使用について研究するために、臨床転帰に関するデータを収集することを目的としてデザインされている。TAPURは、現在37の臨床施設で実施中であり、今後数カ月でさらに施設が追加される。米国内各地の100近い臨床施設が、本試験への参加に関心を示している。

 

「TAPURは、高精度医療(precision medicine:プレシジョン・メディシン)の実現にむけて、重要で優先すべきことがらに取り組んでいます。つまりゲノムプロファイルを基本として、既存の有効ながん治療を同定するということです」と、ASCOの医務部長、Richard L. Schilsky医師(FASCO)は述べた。「がんの臨床試験には、成人患者のわずか5%程度しか参加しないため、試験デザインが実際の診療に基づいているTAPURのような建設的なアプローチが、未来の患者の利益になる情報の収集に必要です」。

 

TAPUR試験は、かなり柔軟に行われており、患者、臨床施設の両者が参加するために以下の有利な条件が設けられている。

  • 医師は、腫瘍標本/血液検体での検査およびゲノムプロファイリング検査を選ぶことができる
  • ほとんどの試験で適用されている厳格な基準ではなく、広く一般的な適格基準を用いる
  • ほとんどの試験とは対照的に、データ収集を合理化し、収集したデータの総数を減らす

 

Bayer社およびMerck社に加えて、その他の製薬会社6社(Astellas社、 AstraZeneca社、Bristol-Myers Squibb社、Eli Lilly and Company社、 Genentech社、Pfizer社)が現在参加しており、それらの各社が進行性固形腫瘍患者、多発性骨髄腫患者、またはB細胞非ホジキンリンパ腫患者に対し、15種類の分子標的療法オプション(互いに併用する薬剤もある)を生み出す17種類の薬剤を提供する。ASCOは、本試験を続ける中で、追加の薬剤や会社を加えやすくするように本試験をデザインしている。

 

ASCOは、患者登録、適格性評価、ゲノムデータに基づくTAPUR試験薬オプションの提供、薬剤の発注、データ収集、本試験の分子腫瘍委員会の審査過程の円滑化などの、本試験のワークフローを自動化するために、Syapse のPrecision Medicine プラットフォームを使用している。試験薬は、特殊医薬品会社のCardinal Health社を通じて供給され、SyapseのTAPURアプリケーションで直接集約され、そこから入手する。分子腫瘍委員会による支援や症例審査の情報提供のため、Illumina社の BaseSpace Cohort Analyzer(旧NextBio Clinical and KnowledgeBase)が用いられている。

 

ASCOは、がんの治療施設が、臨床腫瘍医が腫瘍ゲノム検査を用いる方法や提供者または患者の教育を支援する方法について理解する上での手掛かりとなる重要なTAPURの部分的試験を実施するため、リサーチアドボカシーネットワーク(RAN)と協力している。この部分的試験は、TAPURの医師を対象に、TAPUR参加前と参加後の時点で実施される2つの概略調査で構成される。

 

ASCOはまた、データの共有が可能なTAPURとプロトコルが非常に類似したDrug Rediscovery Protocol (DRUP)試験を実施している、Netherlands Center for Personalized Cancer Treatment(オランダがん個別化治療センター)と協力する予定である。

 

TAPUR試験は、ClinicalTrials.gov (NCT 02693535)にも登録しており、組み入れ/除外基準およびその他の情報に関する完全リストが掲載されている。患者は、一般的な適格基準、参加している臨床施設、研究チームの連絡先などの試験情報を、www.TAPUR.orgで入手可能である。参加に関心のある研究者および開業医は、TAPUR試験施設質問票に記入するか、試験主催者(http://www.tapur.org/contact-us)へ連絡することができる。
TAPUR試験の要旨がわかるビデオを見るには https://youtu.be/Y8cnmC8bLYIへ。

 

原文掲載日

翻訳生田亜以子

監修石井一夫 (ゲノム科学/東京農工大学)

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