Necitumumab+化学療法が、EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんに有効(ELCC2016プレスリリース) | 海外がん医療情報リファレンス

Necitumumab+化学療法が、EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんに有効(ELCC2016プレスリリース)

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Necitumumab+化学療法が、EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺がんに有効(ELCC2016プレスリリース)

欧州臨床腫瘍学会(ESMO) プレスリリース

 ・トピック:肺その他胸部腫瘍/抗がん剤および生物学的療法

ゲムシタビン +シスプラチン化学療法へのnecitumumab併用は, 上皮成長因子受容体(EGFR)を発現する進行扁平上皮非小細胞肺がん患者に最も効果がある。このSQUIRE試験サブグループ解析結果がスイスのジュネーブで行われた欧州肺がん学会議(ELCC)にて本日発表された[1]。

 

第3相ランダム化SQUIRE試験によると、ステージ4の扁平上皮非小細胞肺がん患者に対するゲムシタビン+シスプラチン化学療法にnecitumumabを併用したところ、全生存期間が化学療法のみ投与群と比較して1.6カ月延長した。今回の研究では、EGFR発現患者とEGFR非発現患者の転帰をサブグループ解析で比較した。

 

SQUIRE試験に参加した患者982人中EGFR発現がん患者が95%、EFGRタンパク質を発現しないがん患者が5%だった。EGFRタンパク質発現がん患者において、ゲムシタビン+シスプラチン化学療法へのnecitumumab併用群をゲムシタビン+シスプラチン化学療法群と比較したところ、全生存期間21%、無増悪生存期間が16%改善した。がんにEGFR発現がない患者では改善がみられなかった。

 

主著者のスペイン、マドリッドのUniversity Hospital 12 De Octubre (10月12日大学病院)腫瘍内科学部長Luis Paz-Ares氏は次のように話す。「necitumumabはEGFRを標的としているため、受容体を有する患者には当然有効です。私たちの解析から、この薬剤は受容体がない場合は効果がないことが分かりましたが、それは結合する標的がないためだと思われます。今回はEGFR陰性患者のサブグループ集団が小さかったので決定的な結論を出せませんでしたが、今回導かれた仮説として、EGFR陰性のがんはnecitumumabにあまり反応しないと言えます」。

 

さらにPaz-Ares氏は続ける。「この結果に基づいて、欧州医薬品庁は投与対象をEGFR発現がん患者に限定したnecitumumab承認を決定しました。一方、米国食品医薬品局はより保守的に対応し、SQUIRE試験は試験前に参加者の選択を行うことなく参加希望者全員を対象にデザインされたと判断し、このサブグループ解析は、EGFR陰性がん患者は投与対象とならないと結論づけるエビデンスとしては不十分とされたのです」。

 

彼は結論として、「今回の研究結果は慎重に解釈する必要があります。EGFR陰性がん患者における検証的試験を実施して、それらの患者がnecitumumab治療に適しているかどうかを検証すべきです」とした。

 

オーストリア、ウィーンにあるウィーン総合病院肺がんプログラム部門長Robert Pirker教授は今回の研究には携わっていないが、今回の知見に対し、「このサブグループ解析で、necitumumabの効果は、SQUIRE試験全体と比較して、EGFR発現陽性患者でやや高いことが分かりました。このことは、免疫組織化学染色法でEGFR受容体を検知することでnecitumumabの臨床効果が向上することを示しています。EGFR発現患者においてモノクローナル抗体と化学療法を併用すると治療効果が改善されることが過去の研究で示唆されており、今回の結果はそれに一致します」と述べた。

 

Pirker教授は一層綿密な解析が必要であると付け加え、「今回の解析値よりカットオフレベル値の高い患者の転帰に関する情報が出れば、興味深い内容になることでしょう。また、EGFR陽性細胞の比率と染色強度の両方に基づいてnecitumumabの有効性を調べる必要があります。遺伝子増幅の検出には蛍光 in situ ハイブリダイゼーション(FISH)解析を組み合わせると解析できます。これでどの患者においてnecitumumabが最も効果を表すのか一層明確に分かるでしょう」と述べた。

 

参考文献
1.132O_PR: Subgroup analyses of patients with epidermal growth factor receptor (EGFR)-expressing tumors in SQUIRE: A randomized, multicenter, open-label, phase III study of gemcitabine-cisplatin (GC) plus necitumumab (N) versus GC alone in the first-line treatment of patients (pts) with stage IV squamous non-small cell lung cancer (sq-NSCLC). L. Paz-Ares, Spain. Friday 15th April 2016 – 09:00-09:15 NSCLC targeted therapy and circulating biomarkers Room C

 

原文掲載日

翻訳廣瀬千代加

監修小宮武文(腫瘍内科/カンザス大学医療センター)

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