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乳がん検診の臨床サマリー

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乳がん検診の臨床サマリー

乳がん検診/米国予防医学専門委員会(USPSTF)

乳がん:検診 

2009年11月

米国予防医学専門委員会(USPSTF)が作成した推奨は、米国政府から独立しており、米国医療研究品質局または米国保健社会福祉省の公式見解と解釈すべきではない。

 

目次
米国予防医学専門委員会推奨2009の臨床サマリー*

本文書は、乳がん検診に関する米国予防医学専門委員会の推奨2009のサマリーである。プライマリケア医の利用を目的とし、Annals of Internal Medicine誌2009年11月17日号(Ann Intern Med 2009;151:716-726.)で初めて公表された。本サマリーは、USPSTFによる2009年12月の推奨の表現の改訂を反映している。

 

フィルム・マンモグラフィを用いた乳がん検診
これらの推奨グレード、推奨声明全文、関連文書を作成するにあたり、体系的に審査した証拠のサマリーについては下記を参照。http://www.uspreventiveservicestaskforce.org.

フィルム・マンモグラフィ以外の方法を用いた乳がん検診
これらの推奨グレード、推奨声明全文、関連文書を作成するにあたり、体系的に審査した証拠のサマリーについては、下記を参照。http://www.uspreventiveservicestaskforce.org.

免責事項。USPSTFが作成した推奨は、米国政府から独立しており、米国医療研究品質局または米国保健社会福祉省の公式見解と解釈すべきではない。

 

*米国保健社会福祉省は、修正された公衆衛生法第2713条a項5号に規定する基準に基づく医療費負担適正化法を実施するにあたり、米国予防医学専門委員会の乳がん検診推奨2002を活用している。

 

米国予防医学専門委員会(USPSTF)は、前立腺がん検診に関する最終的な推奨グレードを公表しました。この推奨グレードは、全ての年齢層の成人男性を対象とします。ただし、前立腺がんと診断されている男性、前立腺がんの治療を受けている男性は対象としていません。本委員会は、前立腺がんに対する前立腺特異抗原(PSA)検診に関する調査研究について審査し、PSA検診では、利益がもしあるとしても想定される不利益の方が大きいと結論づけました。このファクトシートでは、本委員会の推奨グレードおよびそれが意味するものについて説明します。 

 

2012年5月前立腺がん検診

前立腺がんは、皮膚がんに次いで2番目に米国人男性に多いがんです。高齢男性、アフリカ系米国人男性、前立腺がんの家族歴を有する男性は、前立腺がんの発症リスクが高いです。前立腺がんは、高頻度に認められますが、多くの場合、進行せず、症状も引き起こしません。たとえ進行しても非常に遅いことが多く、生涯のうちに健康問題を生じることはあまりありません。前立腺がん検診では一般的に次の2つの検査が用いられます。

 

● 前立腺特異抗原(PSA)血液検査  この検査は、前立腺がん男性に多量に認められる可能性のあるPSAという物質を調べます。しかし、PSA値が高いからといって、必ずしも前立腺がんであるというわけではありません。PSA値は、その他の前立腺疾患でも上昇する可能性があります。

 

● 直腸指診  この検査では、医師が手袋をはめ潤滑剤をつけた指を直腸に挿入し、前立腺を触れてしこりやその他の異常がないかを調べます。本委員会の推奨グレードは、主にPSA検診を対象とし、直腸指診またはその他の検査の併用の有無を問いません。

 

検診によって見込まれる利益および不利益

がん検診の主な目的は、がんによる死亡を減少させることですが、本委員会は、検診を受けることによってこの利益を得られると考えられる成人男性は、たとえいたとしてもごく少数であると結論しました。本委員会は、PSA検診に重大な見込まれる不利益があることもわかっています。

 

PSA検診では、がんでない場合でも前立腺がんの可能性があると示されることも多く、これを「偽陽性」結果といいます。偽陽性の結果を受け取ることは不安や心配の要因となり、必要のない再検査につながる可能性があります。このような検査では、発熱、感染、出血、排尿障害、痛みなどの不利益が生じることもあります。少数ではありますが、これらの合併症により入院の必要が出てくる男性もいます。また、前立腺がんと診断された場合でも、現時点では、そのがんが健康問題を起こさず、治療の必要のないがんなのか、それとも治療を必要とする侵襲的ながんなのかを確実に見分ける方法はありません。

 

つまり、害を及ぼすことのないがんが多数診断されることになります。これを「過剰診断」と呼びます。現在のところ、治療が必要ながんを確実に見分けられないことが多いため、PSA検査によって前立腺がんが見つかったほぼ全ての男性が、手術、放射線療法、またはホルモン療法による治療を受けます。こうした男性のがんの多くは、進行することも健康問題が生じることもないため、治療の必要がない。これを「過剰治療」といいます。本委員会は、PSA検査によって見つかったがんの治療に、重大で、長期に及ぶことも多い次の不利益があることを発見しています。

 

・手術、放射線療法、またはホルモン療法に起因する勃起不全(インポテンス)

・放射線療法または手術に起因する尿失禁

・放射線療法に起因する直腸障害

・わずかながら、手術に起因する死亡および重篤な合併症のリスク

前立腺がん治療およびそれらの不利益の可能性についての詳細は、本ファクトシート末尾のウェブサイトへ。前立腺がん検診に関するUSPSTFの推奨グレードが意味するものとは下記がその推奨グレードです。検診の見込まれる利益が想定される不利益を上回らない場合、本委員会はその検診を推奨しません。鍵となる見解については注釈で説明しています。推奨グレードは、アルファベットによって段階分けされており、グレード評価は、検診で見込まれる利益および不利益についてのエビデンスの質に基づいています。これら本委員会のエビデンスに基づくグレードについては、本ファクトシート末尾の表で示しています。前立腺がん検診に関する全ての推奨声明を読むには、本委員会のウェブサイトをご参照ください。ここでは、USPSTFが再調査したエビデンス、およびグレードを決定した方法について解説しています。この議題についてのエビデンス報告書により、本委員会が検討した研究についての詳細を得ることができます。1 

 

USPSTFは、PSAに基づく前立腺がん検診を推奨しない。 (グレードD)

前立腺がん検診は受けるべきか最善の医療を受けるということは、どのような検診、カウンセリング、予防医療を受けるべきか、またそれらをいつ受けるのかということについて、賢明な決断を下すということです。多くの人々が、必要な検査やカウンセリングを受けない一方で、必要のない、または害を及ぼす可能性のある検査やカウンセリングを受ける人もいます。USPSTFの推奨によって、検診、カウンセリング、予防医学について知ることができます。これらによって、健康を保ち、疾患を予防することができます。本委員会の推奨は、疾患の診断(病気の原因を調べる検査)または治療のための検査は対象としていません。

 

PSA検診を受けるかどうかをどのように決断すべきか

自分自身の健康およびライフスタイルについてよく考えましょう。自分の前立腺がんリスクについて担当の医療専門家に相談してください。また、医療に対する個人的な信条および優先度について考えてください。本委員会による推奨のような、科学的な評価について知っておくようにしましょう。PSA検診や、その結果によって受ける可能性のある全ての治療について、見込まれる利益と不利益を比較検討してください。PSA検査を受けることを選択した場合、検査結果について担当の医療専門家に相談し、追加検査や治療を受けることが自分に適しているかどうか相談しましょう。

 

米国予防医学専門委員会とは

米国予防医学専門委員会(USPSTF)は、予防医学、科学的根拠に基づく医療における国家の専門家からなる独立した団体である。本委員会は、検診、カウンセリングサービス、予防医学のような臨床的な予防医療に関する科学的根拠に基づく推奨を作成することにより、全ての米国人の健康の改善に取り組んでいる。本推奨は、議論中の疾患についての徴候または症状のない人を対象とする。推奨声明を作成するため、委員会のメンバーは、議題に関する利用可能な最善の科学および研究について検討する。各議題に対し、本委員会は、推奨声明の草案などのドラフト文書を掲載し、パブリックコメントを求めている。最終的な推奨声明を作成する際に、全てのコメントを再調査し検討する。詳細については本委員会のウェブサイトへ。 乳がん検診 推奨の概要 2009年12月

 

******
生田亜以子 訳
斎藤 博(検診研究部/国立がん研究センタ−)監修
******

 

対象
40~49歳の女性
50~74歳の女性
75歳以上の女性
推奨事項 2年に1回の検診を受け始めることは、患者の状況や価値観に基づき個人ごとに判断 2年に1回の検診 推奨なし
グレード:C グレード:B グレード:I(証拠不十分)
リスク評価 本推奨は、既知の遺伝子変異または胸部への放射線照射歴によって乳がんのリスクが高まっていない40歳以上の女性を対象とする。加齢は、ほとんどの女性にとって最も重要な危険因子である。  
検診

フィルム・マンモグラフィの規格統一により、質の改善に繋がっている。患者へは、下記に記載された、マンモグラフィ品質規格法で保証された施設を紹介する。

http://www.accessdata.fda.gov/scripts/cdrh/cfdocs/cfMQSA/mqsa.cfm

 
検診を受ける時期 2年に1回の検診が最適であると、証拠により示されている。2年に1回というスケジュールによって、1年に1回の検診の利益をほとんど保ったまま不利益はほぼ半分に減るが、間隔がさらに長くなると利益が減る可能性がある。  
不利益と利益のバランス

フィルム・マンモグラフィを用いた検診によって乳がんの死亡率が減るという有力な証拠があり、若年女性よりも50~74歳の女性で絶対的減少がより大きい。

検診による不利益には、がんでない女性の精神的苦痛、追加の通院、画像診断、生検、偽陽性の検診結果による不便、不必要な治療による害、放射線被爆などがある。不利益は、各年齢群で中程度に認められる。

偽陽性の結果は、若年女性において懸念がより大きい。検診を受けなかった場合には生涯のうちに臨床的に明らかになることのなかったがんの治療(過剰診断)は、加齢に伴い深刻化する。

 
推奨なしの根拠(I声明)   75歳以上の女性では、利益に関する証拠が不足している。
関連のあるUSPSTF推奨

乳がんの遺伝的感受性に対する検診や、乳がんの化学的予防についてのUSPSTF推奨は、下記で入手可能である。

http://www.uspreventiveservicestaskforce.org.

対象 40歳以上の女性  
検診方法 デジタル・マンモグラフィ 磁気共鳴画像法(MRI) 乳房視触診(CBE) 乳房自己触診(BSE)  
推奨グレード グレード:I(証拠不十分) グレード:D  
推奨なし、または消極的推奨の根拠 フィルム・マンモグラフィの代用としての、デジタル・マンモグラフィおよび胸部MRIの利益に関する証拠が不足している。 マンモグラフィより優れていることを示す、CBEの追加の利益に関する証拠が不十分である。 BSEが乳がんの死亡率を減らさないことを示唆する十分な証拠がある。
実施するために考慮すべき事項
乳がんによる負担を回避できる可能性 若年女性と乳腺密度の高い女性については、デジタル・マンモグラフィの方が全検出率が若干高い。 非常にリスクの高い対象集団では、マンモグラフィよりも造影MRIの方がより多くのがんを検出することが示されてきている。 利用可能な検査がCBEだけの場合、かなりの割合のがんを検出する可能性があることが、間接的証拠によって示唆されている  
見込まれる不利益 フィルム・マンモグラフィよりもデジタル・マンモグラフィの方が、過剰診断が起こる頻度がより高いかどうかは不明である。

造影MRIは、造影剤を注入する必要がある。

MRIは、マンモグラフィと比較して、はるかに多くの偽陽性結果を引き起こし、過剰診断を引き起こす可能性もより高い。

CBEによる不利益には、不安の要因となる偽陽性結果、不必要な通院、画像診断、生検などがある。 BSEによる不利益は、CBEで起こりうる不利益と同様であるが、より大きい可能性がある。
費用 デジタル・マンモグラフィはフィルム・マンモグラフィよりも高価である。 MRIはマンモグラフィよりもはるかに高価である。 CBEにかかる費用は、主に医師の診察の費用である。 BSEにかかる費用は、主に医師の診察の費用である。
現在の実施方法 一部の診療では、現在デジタル機器に変わりつつある。 MRIは現在、平均リスクの女性の検診には用いない。 標準的な検査方法または報告基準は設けられていない。 患者にBSEを指導している臨床医の数は不明であり、全ての女性にBSEを指導している臨床医はほとんどいないと思われる。
前立腺がんとは・・
前立腺がんは、前立腺に発症するがんです。前立腺は男性の身体にある小さい腺で、精子を運ぶ分泌液を生成し、膀胱の下方、直腸の前方に位置します。
1 推奨しない
多くの男性が、PSA検診によって利益よりも不利益を受けることが、科学的に示されている。利益はあるとしてもせいぜいわずかしか見込めず、想定される不利益の方が大きい。 
USPSTFの推奨
グレード 定義
A 推奨する
B 推奨する
C 個人の状況により推奨する
D 推奨しない
I 推奨するための十分なエビデンスがない
対象 推奨事項 グレード
(定義)
50〜74歳の女性 The 米国予防医学専門委員会(USPSTF)は、50〜74歳の女性に対して、マンモグラフィによる乳がん検診の2年に1回の受診を推奨する。

B

50歳未満の女性 50歳未満の女性がマンモグラフィによる乳がん検診を2年に1回定期的に受診するかどうかは、個人の判断に基づくべきであり、特別な利益や不利益に関する患者の価値観など、患者の状況を考慮すること。

C

75歳以上の女性

USPSTFは、75歳以上の女性においてマンモグラフィによる乳がん検診の利益と不利益を評価する上で、現在の証拠は不十分であると結論付けている。

リスク評価および「I」に関する実施上の提案についての情報は、「臨床的検討事項」の項を参照のこと。

I

全ての女性 USPSFは、乳房自己触診(BSE)を指導することを推奨しない。

D

40歳以上の女性

USPSTFは、40歳以上の女性におけるマンモグラフィによる乳がん検診を上回る乳房視触診(CBE)の付加的な利益と不利益を評価する上で、現在の証拠は不十分であると結論付けている。

リスク評価および「I」に関する診療の推奨事項についての情報は、「臨床的検討事項」の項を参照のこと。

I

全ての女性

USPSTFは、乳がん検診として通常のフィルム・マンモグラフィの代わりに行うデジタル・マンモグラフィか核磁気共鳴画像法(MRI)の付加的な利益と不利益を評価する上で、現在の証拠は不十分であると結論付けている。

リスク評価および「I」に関する診療の推奨事項についての情報は、「臨床的検討事項」の項を参照のこと。

 

I

原文掲載日

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