FDAが転移を有する扁平上皮非小細胞肺がんの一次治療としてNecitumumabを承認 | 海外がん医療情報リファレンス

FDAが転移を有する扁平上皮非小細胞肺がんの一次治療としてNecitumumabを承認

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FDAが転移を有する扁平上皮非小細胞肺がんの一次治療としてNecitumumabを承認

FDA(米国食品医薬品局)

Oncology Approved Drug

 

2015年11月24日、米国食品医薬品局(FDA)は転移を有する扁平上皮非小細胞肺がん(扁平上皮NSCLC)患者の一次治療(または初回治療)として、ゲムシタビンとシスプラチンに加えてnecitumumabu[ネシツムマブ](PORTRAZZA, Eli Lilly and Company社)の上乗せ使用を承認した。なお、necitumumabの非扁平上皮NSCLCへの適応は承認されていない。

 

Necitumumabuは遺伝子組換えヒトIgG1モノクローナル抗体で、ヒト上皮成長因子受容体(EGFR)に結合することにより、EGFRとリガンドとの結合を遮断する。

 

今回の承認は、治療歴がない転移性扁平上皮NSCLC患者1093人を対象とした国際多施設共同ランダム化非盲検臨床試験の結果に基づく。ゲムシタビン・シスプラチン併用療法(GC療法)にnecitumumabuを上乗せした治療がGC療法単独に比較して全生存期間が優れていたことで承認に至ったのである。患者はGC療法にnecitumumabを上乗せするグループ(GC + necitumumab群)、あるいはGC療法のみのグループ(GC群)に無作為に割り付けられた。GC + necitumumab群545人には、3週間を1サイクルとして、necitumumab 800mgを1日目と8日目、ゲムシタビン1250mg/m2を1日目と8日目、シスプラチン75mg/m2を1日目に静脈内投与された。他方GC群548人には、ゲムシタビンとシスプラチンのみが上記の用法用量で投与された。 有効性の主要評価項目は全生存期間であり、無増悪生存期間および奏効率も評価の対象であった。その結果、GC + necitumumab群の全生存期間および無増悪生存期間はGC群よりも統計的に有意に長かった。全生存期間中央値はGC + necitumumab群では11.5カ月(95% CI:10.4, 12.6)、GC群では9.9カ月(95% CI:8.9, 11.1)であった(HR 0.84, 95% CI (0.74, 0.96):p-value = 0.01)。 無増悪生存期間中央値はGC + necitumumab群では5.7カ月、GC群では5.5カ月(HR=0.85, 95% CI(0.74, 0.98):p-value 0.02)であった。奏効率はGC + necitumumab群では31%(95% CI:27, 35)、GC群では29%(95% CI:25, 33)(p-value = 0.40)と、両群間に有意差は示されなかった。

 

転移性非扁平上皮NSCLC患者に対しては、ペメトレキセド・シスプラチン併用療法(PC療法)へのnecitumumabの上乗せ効果が無いことが、多施設共同ランダム化非盲検試験で示された。この試験では、化学療法治療歴のない患者がnecitumumabとPC療法併用グループ(PC + necitumumab群)あるいはPC療法のみのグループ(PC群)に1対1で割り付けられた。しかしこの試験は、PC + necitumumab群において何らかの原因による死亡や血栓塞栓症が増加したため、予定症例登録を待たずに633人の登録時点で中止された。PC療法にnecitumumabを上乗せしても全生存期間の改善(HR=1.01; 95% CI(0.84, 1.21):p-value = 0.96)、無増悪生存期間の改善(HR=0.96; 95% CI(0.8, 1.16))は示されなかった。また奏効率もPC + necitumumabu群では31%、PC群では32%と、necitumumabの上乗せ効果は得られなかった。

 

GC + necitumumab群で好発した有害反応(全グレード)のうち、30%以上の患者に生じかつGC群よりも2%以上発生頻度が高かったのは発疹および低マグネシウム血症であった。重篤かつ臨床的に意味のある有害事象には、低マグネシウム血症、静脈血栓塞栓症、動脈血栓塞栓症、皮膚毒性、infusion reaction(訳者注:薬剤投与時中や投与急性期に生じる過敏反応などの総称)、非扁平上皮NSCLC患者で認められた毒性や死亡率増加であった。心血管イベントに起因する死亡あるいは突然死はGC + necitumumab群の3%の患者で報告された。医療提供者は、necitumumab投与中とその後における血清中のマグネシウム、カリウム、カルシウムなど、血清電解質の値を入念に監視するべきである。そしてグレード3あるいは4の電解質異常が生じた場合はnecitumumab投与を止めること。

 

Necitumumabの用法・用量については、3週間毎の各サイクルの1日目および8日目に800mgを60分かけて静脈内投与することが推奨される。

 

処方に関する詳細情報は次のアドレスで入手可能である。

http://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2015/125547s000lbl.pdf

 

医療専門家は、医薬品あるいは医療機器の使用に関連すると疑われるすべての重篤な有害事象をFDAのMedWatch報告システムに下記のいずれかの方法で報告しなければならない。  http://www.fda.gov/medwatch/report.htmのオンラインフォームに記入する。  ファックス番号1-800-FDA-0178にファックスを送る。  オンラインで記載されている郵便料金支払い済みアドレスに郵送する。  電話番号1-800-FDA-1088に電話をする。

原文掲載日

翻訳八木佐和子

監修田中文啓(呼吸器外科/産業医科大学)

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