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ケモブレインが起きた患者の多くは5年以内に回復する

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ケモブレインが起きた患者の多くは5年以内に回復する

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化学療法後に思考が不明瞭になる、物覚えが悪くなるといった症状を呈するケモブレイン(chemo brain)に関して、患者の大半では、こうした症状は時間とともに大幅に改善するという研究結果が示された。しかしながら、一部の患者では、化学療法後5年以上にわたって症状が継続する可能性がある。これらの知見がJournal of Clinical Oncology誌電子版5月2日号に掲載された。[1]

 

ケモブレインとは記憶障害および思考の不明瞭化、または何らかの日常活動を遂行できないといった認知機能の変化である。ケモブレインの原因は特定できていないが、化学療法の脳に対する影響をより良く理解するため、脳の構造および機能について現在検討されている。

 

化学療法実施から数年後、ケモブレインが起きると患者にどのような影響を及ぼすのかをより理解するため、研究者らは米シアトルにあるフレッドハッチンソン癌研究センターの患者92人について検討した。患者らは血液腫瘍に対する治療として化学療法および、骨髄または幹細胞移植を受けていた。対照群は癌治療を受けたことのない患者とした。

 

全参加者の認知機能を判定するために、標準検査が用いられた。この検査は、記憶や運動技能といった認知機能を測定するものである。検査結果を統合し、総合的な機能障害の程度をまとめるためGDS (Global Deficit Score)スコアを作成した。その後、患者から得られた結果を対照群と比較した。

  • 化学療法後5年の間に、サバイバーは認知機能のほとんどを回復することができた。しかし、言語想起(“喉まで出かかっているような”既知の単語を思い起こす能力)に関しては、他の機能よりも回復することが難しかった。
  • 言語流暢性および実行機能(計画や準備をする等の能力)のようないくつかの機能は、化学療法後5年の間に改善がみられた。その一方で、運動技能は期間中に改善しなかった。
  • 化学療法実施から5年後、GDSスコアで軽度またはそれ以上の障害が示されたのは、対照群の19.7%と比べて癌サバイバーでは41.5%であった。

 

ケモブレインとして知られる化学療法後の認知障害は、大部分は一時的なものであり、化学療法後5年間で改善する傾向にあるが、かなりの数のサバイバー(40%以上)で依然として障害が残る。認知機能のリハビリ方法の改善とともに、こうした障害が残ってしまう危険因子や原因を理解する必要がある。

 

参考文献:

[1] Syrjala KL, Artherholt SB, Kurland BF, et al. Prospective neurocognitive function over 5 years after allogeneic hematopoietic cell transplantation for cancer survivors compared with matched controls at 5 years. The Journal of Clinical Oncology [early online publication]. May 2, 2011.

 


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原文掲載日

翻訳濱田 希

監修辻村 信一(獣医学/農学博士、メディカルライター)

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