トラスツズマブはHER2陽性進行乳がんの治療においてラパチニブよりも優れている | 海外がん医療情報リファレンス

トラスツズマブはHER2陽性進行乳がんの治療においてラパチニブよりも優れている

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

トラスツズマブはHER2陽性進行乳がんの治療においてラパチニブよりも優れている

キャンサーコンサルタンツ

ヒト上皮増殖因子受容体(HER2)陽性進行乳がん患者において、トラスツズマブ(ハーセプチン)とタキサンの併用は、ラパチニブ(タイケルブ)とタキサンの併用よりも、がんの進行を遅らせ、副作用が少ないという臨床試験の最終結果がJournal of Clinical Oncology誌で発表された。

 

HER2経路は生物学的経路であり、細胞の複製および増殖に関与している。乳がんのおよそ20~25%はHER2タンパク質が過剰発現しており、それらはHER2陽性乳がんといわれる。トラスツズマブおよびラパチニブはともにHER2タンパク質を標的として阻害し、早期HER2陽性乳がんおよび進行HER2陽性乳がんの治療に使用されている。

 

カナダ国立癌研究所(NCIC)臨床試験グループは、中央検査施設でHER2陽性進行乳がんと確認された患者537人を21カ国から登録し、タキサンとラパチニブの併用治療、または、タキサンとトラスツズマブの併用治療をして評価した。これら患者のこれまでの追跡期間中央値は21.5カ月である。

 

ラパチニブ+タキサン併用患者の無増悪生存期間中央値は9.0カ月であったのに対し、トラスツズマブ+タキサン併用患者の中央値は11.3カ月であったと、研究者は報告した。さらに重要なことは、中央検査施設でHER2陽性乳がんと確認されラパチニブを投与した患者は全生存期間がより不良であったことである。

 

副作用による治療中止時期についても、トラスツズマブの方が良い結果であり、副作用はトラスツズマブ(8%)よりもラパチニブ(15%)のほうで頻発していた。重い下痢がみられたのは、ラパチニブ治療患者で19%であったのに対してトラスツズマブ治療患者では1%であった。また、発疹は、ラパチニブ治療患者8%に対して、トラスツズマブ治療患者0%であった。

 

著者らは、これらの結果が「進行HER2陽性乳がん患者の治療において、現在利用できる併用療法や新薬はないが、従来の薬またはバイオ後続品が利用でき、しかも手頃な価格で入手可能になる可能性があることを示唆している」と述べた。

 


  c1998- CancerConsultants.comAll Rights Reserved.
These materials may discuss uses and dosages for therapeutic products that have not been approved by the United States Food and Drug Administration. All readers should verify all information and data before administering any drug, therapy or treatment discussed herein. Neither the editors nor the publisher accepts any responsibility for the accuracy of the information or consequences from the use or misuse of the information contained herein.
Cancer Consultants, Inc. and its affiliates have no association with Cancer Info Translation References and the content translated by Cancer Info Translation References has not been reviewed by Cancer Consultants, Inc.
本資料は米国食品医薬品局の承認を受けていない治療製品の使用と投薬について記載されていることがあります。全読者はここで論じられている薬物の投与、治療、処置を実施する前に、すべての情報とデータの確認をしてください。編集者、出版者のいずれも、情報の正確性および、ここにある情報の使用や誤使用による結果に関して一切の責任を負いません。
Cancer Consultants, Inc.およびその関連サイトは、『海外癌医療情報リファレンス』とは無関係であり、『海外癌医療情報リファレンス』によって翻訳された内容はCancer Consultants, Inc.による検閲はなされていません。

原文掲載日

翻訳有田香名美

監修小坂泰二郎(乳腺外科/順天堂大学附属練馬病院)

printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

関連薬剤情報

一覧

週間ランキング

  1. 1BRCA1、BRCA2遺伝子:がんリスクと遺伝子検査
  2. 2がんに対する標的光免疫療法の進展
  3. 3アルコールとがんについて知ってほしい10のこと
  4. 4個別化医療(Precision Medicine)に...
  5. 5専門医に聞こう:乳癌に対する食事と運動の効果
  6. 6アブラキサンは膵臓癌患者の生存を改善する
  7. 7非浸潤性乳管がん(DCIS)診断後の乳がんによる死亡...
  8. 8リンパ腫患者の余命は、診断後の無再発期間2年経過で通...
  9. 9ルミナールAタイプの乳がんでは術後化学療法の効果は認...
  10. 10治療が終了した後に-認知機能の変化

お勧め出版物

一覧

arrow_upward

ユーザー 病名 発信元種別 発信元名 治療法別 がんのケア がんの原因・がんリスク がん予防 基礎研究 医療・社会的トピック 注目キーワード別 五十音 アルファベット 薬剤情報名種別

女性のがん
消化器がん
泌尿器がん
肉腫
血液腫瘍
その他
民間機関
その他