パルボシクリブ+レトロゾール併用でエストロゲン受容体陽性/HER2陰性進行性乳癌の転帰が改善 | 海外がん医療情報リファレンス

パルボシクリブ+レトロゾール併用でエストロゲン受容体陽性/HER2陰性進行性乳癌の転帰が改善

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

パルボシクリブ+レトロゾール併用でエストロゲン受容体陽性/HER2陰性進行性乳癌の転帰が改善

キャンサーコンサルタンツ

閉経後のエストロゲン受容体(ER)陽性/ヒト上皮増殖因子受容体2(HER2)陰性進行性乳癌患者の一次治療において、レトロゾール(フェマーラ)にパルボシクリブ[palbociclib](Ibrance)を追加することで無増悪生存期間が延長したという第2相PALOMA-1/TRIO-18臨床試験の結果が、先日Lancet Oncology誌で報告された。

 

パルボシクリブはキナーゼ阻害剤の一種で、閉経後のER陽性/HER2陰性進行性乳癌患者の治療で、転移性疾患の初期内分泌療法としてレトロゾールとの併用投与が今回承認された。

 

PALOMA試験では、閉経後のER陽性/HER2陰性の乳癌患者のうち、サイクリンD1(CCND1)増幅もp16(INK4AまたはCDKN2A)欠損もない群と、サイクリンD1(CCND1)増幅またはp16(INK4AまたはCDKN2A)欠損のいずれか、あるいは両方がある群の2群が登録された。全患者にレトロゾール+パルボシクリブ、あるいはレトロゾールのみを28日周期で継続的に投与し、転帰を直接比較した。

 

調査対象母集団は現在、治療開始から平均しておよそ29カ月が経過しており、レトロゾール+パルボシクリブ併用群の43%が治療に反応を示したのに対し、レトロゾール単独群ではわずか33%だった。併用投与した患者は平均で無増悪生存期間が2倍になった。パルボシクリブ併用群では無増悪生存期間が20.2カ月であったのに対し、レトロゾール単独群では10.2カ月であった。

 

平均すると、パルボシクリブを投与した患者は37.5カ月生存したのに対し、レトロゾールを単独投与した患者は33.3カ月生存した。骨髄への毒性がパルボシクリブ+レトロゾール併用群で最も頻度の高い副作用であり、症状として血球数低下による疲労がみられた。試験は現在も継続中で、より詳細な分析が今後発表される予定である。

 

研究著者らは、レトロゾールにパルボシクリブを追加することで、エストロゲン受容体陽性/HER2陰性の進行性乳癌患者の無増悪生存期間が有意に延長するという結論を出した。この所見を確認するため、第3相臨床試験が現在進行中である。

 

参考文献:
Finn R, Crown J, Lang I, et al. The cyclin-dependent kinase 4/6 inhibitor palbociclib in combination with letrozole versus letrozole alone as first-line treatment of estrogen receptor-positive, HER2-negative, advanced breast cancer (PALOMA-1/TRIO-18): a randomised phase 2 study. The Lancet Oncology, Vol 16, No. 1, p25-35, January, 2015.

 


  c1998- CancerConsultants.comAll Rights Reserved.
These materials may discuss uses and dosages for therapeutic products that have not been approved by the United States Food and Drug Administration. All readers should verify all information and data before administering any drug, therapy or treatment discussed herein. Neither the editors nor the publisher accepts any responsibility for the accuracy of the information or consequences from the use or misuse of the information contained herein.
Cancer Consultants, Inc. and its affiliates have no association with Cancer Info Translation References and the content translated by Cancer Info Translation References has not been reviewed by Cancer Consultants, Inc.
本資料は米国食品医薬品局の承認を受けていない治療製品の使用と投薬について記載されていることがあります。全読者はここで論じられている薬物の投与、治療、処置を実施する前に、すべての情報とデータの確認をしてください。編集者、出版者のいずれも、情報の正確性および、ここにある情報の使用や誤使用による結果に関して一切の責任を負いません。
Cancer Consultants, Inc.およびその関連サイトは、『海外癌医療情報リファレンス』とは無関係であり、『海外癌医療情報リファレンス』によって翻訳された内容はCancer Consultants, Inc.による検閲はなされていません。

原文掲載日

翻訳宮本満里

監修原 文堅(乳腺科/四国がんセンター)

printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

関連薬剤情報

一覧

週間ランキング

  1. 1BRCA1、BRCA2遺伝子:がんリスクと遺伝子検査
  2. 2がんに対する標的光免疫療法の進展
  3. 3個別化医療(Precision Medicine)に...
  4. 4アルコールとがんについて知ってほしい10のこと
  5. 5非浸潤性乳管がん(DCIS)診断後の乳がんによる死亡...
  6. 6リンパ腫患者の余命は、診断後の無再発期間2年経過で通...
  7. 7アブラキサンは膵臓癌患者の生存を改善する
  8. 8専門医に聞こう:乳癌に対する食事と運動の効果
  9. 9ルミナールAタイプの乳がんでは術後化学療法の効果は認...
  10. 10治療が終了した後に-認知機能の変化

お勧め出版物

一覧

arrow_upward

ユーザー 病名 発信元種別 発信元名 治療法別 がんのケア がんの原因・がんリスク がん予防 基礎研究 医療・社会的トピック 注目キーワード別 五十音 アルファベット 薬剤情報名種別

女性のがん
消化器がん
泌尿器がん
肉腫
血液腫瘍
その他
民間機関
その他