ナブパクリタキセルにより初期乳癌患者が顕著な病理学的完全寛解を示す | 海外がん医療情報リファレンス

ナブパクリタキセルにより初期乳癌患者が顕著な病理学的完全寛解を示す

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

ナブパクリタキセルにより初期乳癌患者が顕著な病理学的完全寛解を示す

キャンサーコンサルタンツ

初期の高リスク乳癌女性の治療に対し、ナブパクリタキセル(アブラキサン)は従来の溶媒を用いたパクリタキセルより優れているという臨床試験結果が、ドイツの医師らによりサンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS)で報告された。

 

ナブパクリタキセルは、ナノサイズに近いアルブミンのタンパク質の殻の内に、パクリタキセルをカプセル化している。ナブパクリタキセルはアルブミンの天然の輸送特性を利用しており、溶媒を用いたパクリタキセルに比べて多くのパクリタキセルを癌に輸送できる。

 

本臨床試験で、1200人の初期乳癌女性が、エピルビシン+シクロホスファミド+パクリタキセルまたはエピルビシン+シクロホスファミド+ナブパクリタキセルによるネオアジュバンド化学療法を受け、直接比較された。ネオアジュバンド化学療法は、速やかな治療と、手術で取り除ける大きさに癌を縮小することを目的に、手術前に実施される。手術で取り除かれた癌は、化学療法の有効性を判定するために測定できる。もしネオアジュバンド化学療法後に癌が認められなかったら、病理学的完全寛解(pCR)とされる。

 

pCRに達したのが、パクリタキセル投与群の患者のわずか29%であったのに比べて、ナブパクリタキセル投与群の患者では38%であることが、試験で明らかになった。この絶対値で9%の改善は印象的で、臨床的に意味がある。また、トリプルネガティブの患者ではpCRが約2倍となり、ナブパクリタキセルの優れた効果も報告された。

 

パクリタキセルは、転移性および初期両方の乳癌の治療に、標準的および広範囲に使用される。また、パクリタキセルは神経障害および他に問題を引き起こす副作用にも関連している。パクリタキセルをナブパクリタキセルに代えることにより、患者の転帰を改善できれば、かなりの進歩となりうる。SABCSで発表された予備的データの追加解析により、ナブパクリタキセルとパクリタキセルとの間に、副作用の差があるかどうか確認する必要がある。さらに追加の長期追跡データにより、pCRの改善が意味のある延命効果につながるかを確認する必要がある。

 

参考文献:
Untch M, Jackisch C, Schneeweiß A, et al. A randomized phase III trial comparing neoadjuvant chemotherapy with weekly nanoparticle-based paclitaxel with solventbased paclitaxel followed by anthracyline/ cyclophosphamide for patients with early breast cancer (GeparSepto); GBG 69. Presented at the 2014 San Antonio Breast Cancer Symposium, December 9-13, 2014. San Antonio, Texas. Abstract S2-07.

 


  c1998- CancerConsultants.comAll Rights Reserved.
These materials may discuss uses and dosages for therapeutic products that have not been approved by the United States Food and Drug Administration. All readers should verify all information and data before administering any drug, therapy or treatment discussed herein. Neither the editors nor the publisher accepts any responsibility for the accuracy of the information or consequences from the use or misuse of the information contained herein.
Cancer Consultants, Inc. and its affiliates have no association with Cancer Info Translation References and the content translated by Cancer Info Translation References has not been reviewed by Cancer Consultants, Inc.
本資料は米国食品医薬品局の承認を受けていない治療製品の使用と投薬について記載されていることがあります。全読者はここで論じられている薬物の投与、治療、処置を実施する前に、すべての情報とデータの確認をしてください。編集者、出版者のいずれも、情報の正確性および、ここにある情報の使用や誤使用による結果に関して一切の責任を負いません。
Cancer Consultants, Inc.およびその関連サイトは、『海外癌医療情報リファレンス』とは無関係であり、『海外癌医療情報リファレンス』によって翻訳された内容はCancer Consultants, Inc.による検閲はなされていません。

原文掲載日

翻訳木下秀文

監修金田澄子(薬学)

printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

関連薬剤情報

一覧

週間ランキング

  1. 1がんに対する標的光免疫療法の進展
  2. 2アルコールとがんについて知ってほしい10のこと
  3. 3BRCA1、BRCA2遺伝子:がんリスクと遺伝子検査
  4. 4個別化医療(Precision Medicine)に...
  5. 5専門医に聞こう:乳癌に対する食事と運動の効果
  6. 6ルミナールAタイプの乳がんでは術後化学療法の効果は認...
  7. 7アブラキサンは膵臓癌患者の生存を改善する
  8. 8リンパ腫患者の余命は、診断後の無再発期間2年経過で通...
  9. 9非浸潤性乳管がん(DCIS)診断後の乳がんによる死亡...
  10. 10治療が終了した後に-認知機能の変化

お勧め出版物

一覧

arrow_upward

ユーザー 病名 発信元種別 発信元名 治療法別 がんのケア がんの原因・がんリスク がん予防 基礎研究 医療・社会的トピック 注目キーワード別 五十音 アルファベット 薬剤情報名種別

女性のがん
消化器がん
泌尿器がん
肉腫
血液腫瘍
その他
民間機関
その他