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HER2タンパク質由来ワクチンが乳癌再発の予防を促進する可能性

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HER2タンパク質由来ワクチンが乳癌再発の予防を促進する可能性

キャンサーコンサルタンツ

乳癌のためのHER2タンパク質由来の新ワクチンが、HER2陽性疾患患者における再発を安全に予防する手助けとなる可能性がある。9月4~6日にサンフランシスコで開催された2014年乳癌シンポジウムにおいて、このワクチンの第2相試験の結果が発表された。

 

ヒト上皮増殖因子受容体2の略であるHER2タンパク質は、乳癌などの、ある特定の癌細胞の表面上で見つかる。正常な細胞では、HER2は細胞増殖のコントロールを助ける。しかし、癌細胞は過量のタンパク質を生成し得ることから、細胞がより急速に増殖し、身体の他の部位に広がる可能性が高くなることがある。

 

HER2由来ワクチンであるGP2は、人体の免疫システムを刺激して、HER2を発現している腫瘍細胞を認識させることにより、癌と闘わせるように設計されている。このワクチンは、トラスツズマブ(ハーセプチン)等の標準的な乳癌治療に加えて投与され、再発の予防を目的としている。

 

GP2ワクチンが、HER2陽性乳癌の女性患者における再発の予防をいかに効果的に促進するかを調べるために、研究者らは、トラスツズマブによる治療後に無病状態にある患者を評価した。参加者の一部(89人)を無作為に選択して、免疫応答を刺激するための免疫療法であるGPワクチン+顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)の併用投与を実施し、別の91人にはGM-CSFを単剤で投与した。患者の特性(年齢、結節の状態、腫瘍の大きさ、ホルモン受容体の状態およびHER2発現を含む)は、治療群間で類似していた。両群とも当初6カ月間ワクチンを投与し、その後6カ月毎に4回の追加免疫を投与した。

 

経過観察の中央値である34カ月の時点で、HER2を最も強く発現し、GP2ワクチンの投与を受けていた患者に再発を認めなかった。研究者らは、intent-to-treat法を用いて結果を解析し(これは、治療レジメンを受けるべきであったが、何らかの理由で受けなかった患者さえも含めた結果であることを意味する)、GP2ワクチンを併用投与した群と、GM-CSFを単剤で投与した群とでは、無病生存率が88%対81%と、前者が高い値を示したことを発見した。これは再発が37%低下したことを示している。最初の一連のワクチン投与中に再発を生じたか、続発性悪性腫瘍を発現した患者の治療成績を除外した場合、GP2ワクチン投与群の無病生存率が94%であるのに対し、未投与群では85%であった。すなわち、ワクチンを投与した群で、再発のリスクが57%低下した。GP2ワクチンは忍容性が高く、GM-CSFを単剤で投与した場合と毒性(有害な作用 )は変わらない(毒性の大半は、低グレードであり、アセトアミノフェン服用後に軽快した)。

 

これらの所見に基づき、GP2ワクチンは、安全かつ効果的に再発を防ぐ可能性があることから、HER2陽性乳癌の女性患者への標準的な治療に追加することで効果が期待できると言える。研究者らはさらに、GP2がトラスツズマブとの併用によりある特定の方法で免疫応答を刺激すると推測し、こうした相互作用についてさらに研究を進める必要があるとみている。

 

参考文献:
Schneble EJ, Perez SA, Murray JL, et al. Primary Analysis of the Prospective, Randomized, Phase II Trial of GP2+GM-CSF Vaccine Versus GM-CSF Alone Administered in the Adjuvant Setting to High-Risk Breast Cancer Patients. 2014 Breast Cancer Symposium; September 4–6, 2014; San Francisco, CA. Abstract 134.

 


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原文掲載日

翻訳原信田みを

監修林 正樹(血液・腫瘍内科/社会医療法人敬愛会中頭病院)

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