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新たな免疫療法(Imprime PGG)が進行肺癌への可能性を示す

化学療法と抗体療法に、免疫療法の一つであるImprime PGGを追加することで、末期にある非小細胞肺癌(NSCLC)患者の奏効率および全生存率が大幅に改善されたことが、1月6-9日に開催された肺癌の分子的起源に関するAACR-IASLC合同会議(AACR-IASLC Joint Conference on the Molecular Origins of Lung Cancer)で発表された第2相試験の結果で示された。

 

「Imprime PGGは、好中球と単球と呼ばれる免疫細胞が感染性生物を認識し、殺傷するという生まれつき体に備わった防御機構を利用した免疫療法です」と、Biothera社のメディカルディレクターであり常務でもあるRichard D. Huhn医師は述べた。「Imprime PGGは、抗腫瘍モノクローナル抗体と併用することで、好中球や単球が、抗体の標的である癌細胞を認識し、殺傷するのを促す働きをします」。

 

「Imprime PGGは、もともとの抗ベータグルカン抗体のレベルが、ある閾値を超えている人に対して、最も効果的に作用します」と、Huhn氏は続けた。「Imprime PGGと好中球や単球を結びつける抗体が多く存在すればするほど、より多くの免疫細胞が活性化され、癌を認識し、殺傷するようになります」。

 

好中球と単球は、免疫細胞全体の65%を占め、酵母や細菌などの病原体を殺傷するのに有効である。Imprime PGGは、ベータ1,3/1,6グルカンと呼ばれる酵母の成分を用いて作られており、好中球の特定部位に結合することで、刺激を与え、好中球が癌細胞を殺傷することができるようにする。

 

「われわれは、Imprime PGGが癌の治療法を変えることができると信じています」と、Huhn氏は述べた。「われわれは、Imprime PGGが好中球や単球に結合するのを促すのに十分なレベルの抗ベータグルカン抗体をもともと持っている集団が、患者の中に存在することを特定しました。このバイオマーカー陽性患者は、Imprime PGG治療に対して、最も好ましい反応を示す可能性があります。バイオマーカー陽性集団の発見により、今後の臨床試験が有意義なものになっていくかもしれません」。

 

Huhn氏は同僚らと第2相試験を行い、ステージ3bまたはステージ4にあるNSCLC患者90人を登録した。30人の患者が、無作為に対照群に割り付けられ、抗体薬であるセツキシマブを服用した。60人の患者は、セツキシマブに加え、3週間を1サイクルとする治療の1日目、8日目および15日目 にImprime PGGを服用する群に無作為に割り付けられた。全ての患者は、化学療法剤であるカルボプラチンとパクリタキセルの投与を同時に受けた。

 

Imprime PGGを服用した46人の患者で評価項目の解析が行われ、そのうち15人がバイオマーカー陽性、31人がバイオマーカー陰性であった。

 

対照群とImprime PGG群における患者の全生存期間中央値は、それぞれ11.2カ月と10.2カ月であった。しかし、Imprime PGGを服用した患者のうち、バイオマーカー陽性の患者の全生存期間中央値は16.5カ月であったのに対して、バイオマーカー陰性患者では9.1カ月であった。

 

対照群では、治療後3年間生存した患者はいなかったが、Imprime PGG群では7%の患者が生存した。Imprime PGGを服用した患者のうち、バイオマーカー陽性患者の17%が治療後3年間生存したのに対し、バイオマーカー陰性患者では生存者はいなかった。

 

重大な有害事象は、概ね化学療法あるいはセツキシマブに特有なものであり、コントロール群の患者の86%、Imprime PGG群の患者の78%で認められた。

 

Huhn氏によると、Imprime PGGに化学免疫療法を組み合わせたランダム化第3相試験が、さまざまな癌に対して、現在計画されている。

 

Huhn氏は、この試験に資金を提供したBiothera社の社員である。

 

翻訳田村克代

監修田中謙太郎(呼吸器・腫瘍内科、免疫/テキサス大学MDアンダーソンがんセンター)

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