タモキシフェンによりBRCA1/2遺伝子変異を有する女性の対側乳癌リスクが低下 | 海外がん医療情報リファレンス

タモキシフェンによりBRCA1/2遺伝子変異を有する女性の対側乳癌リスクが低下

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

タモキシフェンによりBRCA1/2遺伝子変異を有する女性の対側乳癌リスクが低下

キャンサーコンサルタンツ

Journal of Clinical Oncology誌に掲載された試験結果によると、二次予防としてタモキシフェンを投与することによりBRCA1/2遺伝子変異を有する女性の二次対側乳癌リスクが低下することがわかった。

 

乳癌と診断された女性の一部は最終的に、対側乳房に二次乳癌を発症する。これは対側乳癌と呼ばれる。既に乳癌を発症した女性の二次乳癌リスクは、一般集団の一次乳癌リスクよりも高い。

 

対側乳癌リスクに影響を与える因子は、BRCA1/2遺伝子変異の存在である。このような遺伝子の家族性突然変異(母方あるいは父方の家系を通じて伝わることがある)は、乳癌および卵巣癌の生涯発症リスクを非常に高めることがわかった。

 

タモキシフェンは選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)として知られる薬剤であり、乳癌細胞中のエストロゲン受容体を阻害するため、エストロゲン刺激による細胞増殖が減少する。タモキシフェンは乳癌リスクが高い女性において、乳癌治療と同様に乳癌予防にも使用されている。5年間のタモキシフェン補助療法は、ER陽性乳癌の再発および死亡リスクを低下させることが明らかとなり、非常に長期間にわたり標準治療となってきた。

 

タモキシフェン投与と対側乳癌との関連性を検討するため、研究者らはIBCCS、KConFab、BCFRから得られたデータをプール解析した。以上3つの観察コホート研究では合計で、1970年以降に片側乳癌と診断されたBRCA1遺伝子変異保有者1,583人およびBRCA2遺伝子変異保有者881人が対象となった。浸潤癌の既往歴またはタモキシフェンの投与歴がある患者は皆無であり、BRCA1遺伝子変異を有する患者の24%およびBRCA2遺伝子変異を有する患者の52%では最初の乳癌発症後にタモキシフェン補助療法が実施された。

 

解析結果から、以前に片側乳癌と診断された女性の対側乳癌リスクは、タモキシフェンを投与されたBRCA1遺伝子変異保有者では非投与群に比べて62%低下し、BRCA2遺伝子変異保有者では67%低下することがわかった。

 

研究者らは、BRCA1/2遺伝子変異保有者ではタモキシフェン投与と対側乳癌リスク低下との間に関連性があると結論づけた。

 

参考文献:
Phillips KA, Milne RL, Rookus MA, et al. Tamoxifen and risk of contralateral breast cancer for BRCA1 and BRCA2 mutation carriers. Journal of Clinical Oncology. Published early online August 5, 2013. doi: 10.1200/JCO.2012.47.8313

 


  c1998- CancerConsultants.comAll Rights Reserved.
These materials may discuss uses and dosages for therapeutic products that have not been approved by the United States Food and Drug Administration. All readers should verify all information and data before administering any drug, therapy or treatment discussed herein. Neither the editors nor the publisher accepts any responsibility for the accuracy of the information or consequences from the use or misuse of the information contained herein.
Cancer Consultants, Inc. and its affiliates have no association with Cancer Info Translation References and the content translated by Cancer Info Translation References has not been reviewed by Cancer Consultants, Inc.
本資料は米国食品医薬品局の承認を受けていない治療製品の使用と投薬について記載されていることがあります。全読者はここで論じられている薬物の投与、治療、処置を実施する前に、すべての情報とデータの確認をしてください。編集者、出版者のいずれも、情報の正確性および、ここにある情報の使用や誤使用による結果に関して一切の責任を負いません。
Cancer Consultants, Inc.およびその関連サイトは、『海外癌医療情報リファレンス』とは無関係であり、『海外癌医療情報リファレンス』によって翻訳された内容はCancer Consultants, Inc.による検閲はなされていません。

原文掲載日

翻訳寺本瑞樹

監修原 文堅(乳腺科/四国がんセンター)

printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

関連薬剤情報

一覧

週間ランキング

  1. 1非浸潤性乳管がん(DCIS)診断後の乳がんによる死亡...
  2. 2リンパ腫患者の余命は、診断後の無再発期間2年経過で通...
  3. 3BRCA1、BRCA2遺伝子:がんリスクと遺伝子検査
  4. 4若年甲状腺がんでもリンパ節転移あれば悪性度が高い
  5. 5早期乳がんの一部は小さくても悪性度が高い
  6. 6ルミナールA乳がんでは術後化学療法の効果は認められず
  7. 7コーヒーが、乳がん治療薬タモキシフェンの効果を高める...
  8. 8治療が終了した後に-認知機能の変化
  9. 9乳がん治験薬エンドキシフェン、NCIの支援により研究...
  10. 10がんに対する標的光免疫療法の進展

お勧め出版物

一覧

arrow_upward

ユーザー 病名 発信元種別 発信元名 治療法別 がんのケア がんの原因・がんリスク がん予防 基礎研究 医療・社会的トピック 注目キーワード別 薬剤情報名種別

女性のがん
消化器がん
泌尿器がん
肉腫
血液腫瘍
その他
民間機関
その他