硫酸ビンクリスチンリポソームのFDA承認 | 海外がん医療情報リファレンス

硫酸ビンクリスチンリポソームのFDA承認

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硫酸ビンクリスチンリポソームのFDA承認

商標名:Marqibo®

成人フィラデルフィア染色体陰性(Ph-)急性リンパ性白血病(ALL)患者の治療薬として承認

臨床試験情報、安全性、投与量、薬物間の相互作用および禁忌などの全処方情報がFull prescribing information(英文)で参照できます。

2012年8月9日、米食品医薬品局(FDA)は、第2再発以降の再発にあるか2レジメン以上の治療後に病勢の進行したフィラデルフィア染色体陰性(Ph-)急性リンパ性白血病(ALL)患者の治療薬として、硫酸ビンクリスチンリポソーム注射剤(Marquibo®、Talon Therapeutic, Inc)を迅速承認しました。

本承認は、第2再発以降の再発にある65人の患者を対象にMarqiboを単独投与した臨床試験におけるCR(完全寛解)およびCRi(骨髄では完全寛解だが、血球数は回復していない状態)の達成率に基づいたものです。

硫酸ビンクリスチンリポソームの有効性については、第2再発以降の再発にあるか2レジメン以上の治療後に病勢の進行した18歳以上のPh-ALL患者を対象としたHBS407試験で検討された。以前の化学療法の中で最低1回は、90日以上白血病細胞が無い状態が続く完全寛解を達成したことのある患者を対象としました。スクリーニングおよび登録時点において早急に造血幹細胞移植を行う適応外であることが必要とされました。全ての患者がビンクリスチンの投与歴を有していた。そのうち22人(34%)はアスパラギナーゼの投与歴がありませんでた。

患者の内訳として51%は男性、45%は30歳以下、11%は65歳以上である。患者の85%は前駆 B 細胞急性リンパ芽球性白血病であり、15%は前駆 T 細胞急性リンパ芽球性白血病を罹患していました。硫酸ビンクリスチンリポソーム注射剤は、2.25 mg/m2を週1回、1時間以上かけて静脈内投与されました。初回コースの5日目以降のコルチコステロイド併用は不可でした。CR率は4.6%(3人)およびCRi率は10.8%(7人)でした。10名のCR/CRi患者の寛解期間中央値は28日(95 percent CI: 7, 36)、初回イベント(再発、死亡または次の治療へ移行)までの期間中央値は56日(95 percent CI: 9, 65)でした。

硫酸ビンクリスチンリポソーム注射剤の週1回2.25 mg/m2投与における安全性は、HBS407およびVSLI-06試験(以前行われた第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験)において評価されました。これらの試験には、第2再発以降の再発にある計83人のALL患者が含まれています。有害事象は100%の患者にみられました。最もよく見られた有害事象(30%以上)は便秘、悪心、発熱、疲労、末梢神経障害、発熱性好中球減少症、下痢、貧血、食欲不振および不眠などです。

重篤な有害事象(Grade3かそれ以上)は96%の患者に認められ、主なものは感染症、神経障害、発熱性好中球減少症、好中球減少、貧血および血小板減少でした。

治療期間中に患者の53%が用量減量、投与延期または投与スキップを受けました。

患者の28%が有害事象から治療を中断された。 白血病に関連したもの以外で治療を中断する原因となった有害事象のうち最も頻度が高かったものは末梢神経障害(10%)および腫瘍崩壊症候群(2%)でした。神経障害に関連しており、治療中断の原因となった有害事象には、振動感覚の減退、顔面神経麻痺、反射低下、便秘、無力症、疲労および筋骨格痛などが含まれます。

HBS407試験において、患者の23%が死亡した。死亡原因は、脳梗塞(1人)、脳内出血(1人)、肝不全(1人)、多臓器不全(2人)、肺炎および敗血性ショック(3人)、呼吸不全(4人)、肺出血(1人)および突然心臓死(1人)でした。

迅速承認のための条件として、Talon社は、今後、成人ALL患者を対象としたランダム化比較試験において、硫酸ビンクリスチンリポソーム注射剤投与の全生存率に与える効果を検討します。

硫酸ビンクリスチンリポソーム注射剤の推奨用量および投与スケジュールは2.25 mg/m2を週1回、1時間以上の静脈内投与です。

この薬剤情報のサマリーは、FDA抗腫瘍薬製品室長のRichard Pazdur医師により作成されています。米国食品医薬品局(FDA)とは米国保健社会福祉省(HHS)の一部門で、新薬その他の製品の安全性と有効性を確保するための機関です。 (FDA:医薬品・医療機器の承認方法の理解(原文)を参照。
FDAの使命は、安全かつ有効な製品の迅速な市場流通を促し、流通後も継続的に製品の安全性を監視することによって、国民の健康を守り、推進することです。

原文掲載日

翻訳石川寛和

監修吉原哲(血液内科/コロンビア大学CCTI)

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免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

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