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Brentuximab VedotinのFDA承認

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Brentuximab VedotinのFDA承認

商品名:Adcetris[アドセトリス]

・自家幹細胞移植が奏効しないホジキンリンパ腫

・多剤併用化学療法が奏効しない全身性未分化大細胞型リンパ腫

・発行された薬剤警告

臨床試験情報、安全性、用法・用量、薬物相互作用および禁忌などの全処方情報(原文)が入手可能です。


自家幹細胞移植が奏効しないホジキンリンパ腫

2011年8月19日、FDAは以下2件の適応症に対して、ブレンツキシマブ・ベドチン(brentuximab vedotin (Adcetris™ 注射用, Seattle Genetics社製) を迅速承認しました。

・自家幹細胞移植(ASCT)が奏効しない、またはASCTが適応とならず2回以上の多剤併用化学療法で奏効を示さなかったホジキンリンパ腫

・1回でも多剤併用化学療法が奏効しなかった全身性未分化大細胞型リンパ腫(ALCL)

このホジキンリンパ腫に対する迅速承認はシングルアーム多施設臨床試験(Trial SG035-0003)に基づくものです。本試験には自家幹細胞移植後に再発したCD30陽性ホジキンリンパ腫患者102人が参加しました。

独立審査機関(Independent Review Facility)により算出された、このホジキンリンパ腫臨床試験の有効性の主要評価項目であるブレンツキシマブ・ベドチンの単剤としての客観的奏効率(ORR)は73%(95 percent CI: 65 percent, 83 percent)で、中央値は6.7カ月(95 percent CI: 4, 14.8)でした。完全奏効率は32%(95 percent CI: 23.3 percent, 42.3 percent)で、中央値は20.5カ月(95 percent CI: 12, NE)でした。部分奏効率は40%(95 percent CI: 31.5 percent, 49.4 percent)で、中央値は3.5カ月(95 percent CI: 2.2, 4.1)でした。


多剤化学併用療法が奏効しなかった全身性未分化大細胞型リンパ腫

全身性ALCLの迅速承認は、初回化学療法として 多剤併用化学療法を受けたCD30陽性全身性ALCL患者58人が参加したシングルアーム多施設臨床試験(Trial SG035-0004)の結果に基づいています。

独立審査機関が算出した、この全身性ALCLの臨床試験の有効性の主要評価項目である客観的奏効率は86%(95 percent CI: 77 percent, 95 percent)で、中央値は12.6カ月(95 percent CI: 5.7でした。完全奏効率は57%(95 percent CI: 44 percent, 70 percent)で、中央値は13.2カ月(95 percent CI: 10.8 )でした。部分奏効率は29%(95 percent CI: 18 percent, 41 percent)で中央値は2.1カ月(95 percent CI: 1.3, 5.7)でした。

両試験で認められた頻度が高かった(少なくとも20%)副作用は好中球減少、末梢性感覚神経障害、倦怠感、悪心、貧血、上気道感染、下痢、発熱、発疹、血小板減少症、咳および嘔吐でした。重篤有害現象(SAE)は患者の31%に認められたことが報告されています。頻度が高かった(2%超)重篤有害現象は末梢運動神経障害、尿路感染症および腹痛でした。それぞれの臨床試験について安全性プロファイルの詳細は下記処方情報リンク先を御参照ください。

両方の適応症についても、推奨用法・用量は、3週間毎に1.8㎎/kgを30分超静脈内投与となっています。治療は16サイクルを限度とし、疾患が進行するか、許容程度を超える毒性が認められるまで継続可能です。


発行された薬剤警告

2012年1月13日、FDAは、リンパ腫治療薬ブレンツキシマブ・ベドチンに関して、稀ではあるが脳の重篤な感染症であり、死に至ることもある進行性多巣性白質脳症(PML)の症例がさらに2例あったことを公表しました。PMLは重篤な疾患であるため、このリスクを明確にした枠組み警告を医薬品表示に追加しました。2011年8月にブレンツキシマブ・ベドチンが承認されたときには、医薬品表示の「警告および使用上の注意」の項目にはPMLの1例が記載されています。

また、ブレンツキシマブ・ベドチンと癌治療薬ブレオマイシンとの併用は肺毒性リスクを高めるとして、禁忌警告が医薬品表示に追加されました。

PMLの兆候や症状は数週間または数カ月にわたって出現してくることもあります。PMLの兆候や症状には、気分や日常行動の変化、精神錯乱、思考障害、記憶喪失、視覚、言語、歩行の変化、体の片側に生じる体力の低下や脱力感があります。PMLの何らかの兆候や症状を示す患者は直ちに医療専門家に連絡をしなければなりません。医療専門家は、PMLが疑われる場合にはブレンツキシマブ・ベドチンの投与を一時停止し、PMLの診断が確定した場合には中止しなければいけません。

FDAは、医療専門家はブレンツキシマブ・ベドチンの処方の最新推奨事項について医薬品表示を見るように勧告しています。患者はブレンツキシマブ・ベドチンについて関心や質問があれば医療専門家に連絡するようにとしています。

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多和郁恵 翻訳
吉原 哲 (血液内科・造血幹細胞移植/兵庫医科大学病院) 監修
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この薬剤情報のサマリーは、FDA抗腫瘍薬製品室長のRichard Pazdur医師により作成されています。米国食品医薬品局(FDA)とは米国保健社会福祉省(HHS)の一部門で、新薬その他の製品の安全性と有効性を確保するための機関です。 (FDA:医薬品・医療機器の承認方法の理解(原文)を参照。
FDAの使命は、安全かつ有効な製品の迅速な市場流通を促し、流通後も継続的に製品の安全性を監視することによって、国民の健康を守り、推進することです。

 

原文掲載日

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