ルキソリチニブのFDA承認 | 海外がん医療情報リファレンス

ルキソリチニブのFDA承認

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ルキソリチニブのFDA承認

商標名:ジャカフィ

真性多血症への承認(2014年12月4日)
中間リスクまたは高リスクの骨髄線維症の治療に対して承認(2011年11月16日

臨床試験情報、安全性、投与量、薬物間の相互作用および禁忌などの全処方情報がFull prescribing information(英文)で参照できます。

真性多血症への承認

2014年12月4日、米国食品医薬品局(FDA)は、ヒドロキシウレアに不奏効または不耐性だった真性多血症(PV)患者の治療に対して、ルキソリチニブ(ジャカフィ、インサイト社製)を承認しました。持続的な貧血の改善と32週時点での脾腫の縮小を複合エンドポイントにした試験における優位性や、持続的な貧血の改善による定期的な瀉血実施回数の減少に基づいて、この承認がなされました。承認の根拠となった多施設共同非盲検実薬対照臨床試験(治験実施計画書CINC424B2301)では、ヒドロキシウレアに対して抵抗性または不耐性の真性多血症患者222人が参加しました。患者は無作為に割り付けられ、ルキソリチニブ10 mgを1日2回または最善の治療いずれかを受ける群に分かれました。

ルキソリチニブは、最善の治療に比べ、貧血の改善と32週間および48週時点での脾腫の縮小の達成(それぞれ21%対1%、p<0.0001、19%対1%、p<0.0001)において、高い優位性を示しました。48週間以後の貧血の改善についても比較的高い結果が示されました(55%、95%CI 45%~64%)。

32週目までの安全性は、ルキソリチニブ群に無作為に割り付けられた110人の患者で評価されました。最も高頻度な血液学的有害反応(20%以上の患者にみられた)は、血小板減少症および貧血でした。最も高頻度な非血液学的有害事象(10%以上の患者にみられた)は、頭痛、腹痛、下痢、浮動性めまい、疲労、そう痒感(そう痒症)、呼吸困難および筋痙縮でした。4%の患者については、有害事象のためにルキソリチニブを中断しました。

ルキソリチニブの推奨開始用量は、10 mgを1日2回投与です。しかし、強いCYP3A4酵素阻害薬を服用している患者、あるいは肝機能障害または中等度から重度の腎機能障害を有する患者は、5 mgを1日2回が推奨されます。用量は、今後の安全性および有効性評価に基づいて漸増される可能性があります。

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太田奈津美訳
野崎健司(血液内科/住友病院)監修
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中間リスクまたは高リスクの骨髄線維症の治療に対して承認

2011年11月16日、米国食品医薬品局(FDA)はルキソリチニブリン酸塩(以下、ルキソリチニブ、ジャカフィTM内服錠、Incyte社)を、原発性骨髄線維症、真性多血症に続発した骨髄線維症、および本態性血小板血症に続発した骨髄線維症を含む、中間リスクまたは高リスクの骨髄線維症の治療に対して承認しました。中間リスクまたは高リスクの骨髄線維症患者を対象とした、ルキソリチニブとプラセボを比較したランダム化比較試験(試験1)、およびルキソリチニブとbest available therapy(現状で利用可能な最良の治療法)を比較したランダム化比較試験(試験2)が実施され、これら2つの試験結果がルキソリチニブ承認の根拠となりました。

試験1はランダム化プラセボ対照の二重盲検比較試験で、骨髄線維症患者309人がルキソリチニブ投与群(15~20 mg経口投与、1日2回)とプラセボ投与群に割り付けられました(1:1)。患者の50%は原発性骨髄線維症、31%は真性多血症に続発した骨髄線維症、そして18%は本態性血小板血症に続発した骨髄線維症でした。試験2はオープンラベル試験で、骨髄線維症患者219人がルキソリチニブ投与群(15~20 mg経口投与、1日2回)と現状で利用可能な最良の治療法群として割り付けられました(2:1)。患者の53%は原発性骨髄線維症、31%は真性多血症に続発した骨髄線維症、そして16%は本態性血小板血症に続発した骨髄線維症でした。両試験におけるルキソリチニブの初回投与量は、試験登録時の血小板数に基づいて決定されました。

患者が恩恵を受け続ける限り、または許容できない毒性が発現するまで、両試験でルキソリチニブの投与が継続されました。主要エンドポイントは、治療開始から24週後(試験1)、または48週後(試験2)における、脾容積が35%以上減少した(CTやMRIにより評価)両群の患者割合の比較でした。

両試験は、事前に定められた主要エンドポイントを達成しました。試験1では、ルキソリチニブ投与群の42%が治療24週で脾容積が35%以上減少したのに対し、プラセボ投与群では1%でした(カイ2乗検定とフィッシャーの正確確率検定で、p<0.0001)。試験2では、ルキソリチニブ投与群の29%が治療48週で脾容積が35%以上減少したのに対し、現状で利用可能な最良の治療法群では0%でした(Cochran-Mantel-Haenszel 検定で、p<0.0001)。

試験1での主な副次的エンドポイントは、症状合計スコアが50%以上減少したルキソリチニブ投与患者の割合とプラセボ投与患者の割合の差でした。治療前と比較した治療24週での腹部不快感、左肋骨下の疼痛、寝汗、掻痒感、骨や筋肉の疼痛、早期満腹感が症状合計スコアにより評価されました。ルキソリチニブ投与患者の46%が治療24週で症状合計スコアが50%以上減少したのに対し、プラセボ投与患者では5%でした(カイ2乗検定で、p<0.0001)。

試験2での主な副次的エンドポイントは、治療24週で脾容積が35%以上減少した(CTやMRIにより評価)患者割合における、ルキソリチニブ投与患者と現状で利用可能な最良の治療法患者の差でした。ルキソリチニブ投与患者の32%では脾容積が35%以上減少したのに対し、現状で利用可能な最良の治療法患者では0%でした(Cochran-Mantel-Haenszel 検定で、p<0.0001)。

ルキソリチニブ承認時に、脾容積が35%以上減少した試験1の患者75%と試験2の患者67%で、脾容積の減少が維持されました。

ルキソリチニブ投与患者の1%以上で認められた最も頻度の高い有害事象は、血小板減少症、貧血、紫斑、目眩、および、頭痛でした。試験1において、プラセボ投与患者と比較して、ルキソリチニブ投与患者でより頻度が高かった有害事象(グレード3以上)は、血小板減少症(ルキソリチニブ投与患者13%、プラセボ投与患者1%)と貧血(ルキソリチニブ投与患者45%、プラセボ投与患者19%)でした。試験2でも、同様の結果が認められました。

推奨されるルキソリチニブの初回投与量は、血小板数が200×109 個/L超の患者に対して1回20 mgを1日2回経口投与、血小板数が100~200×109個/Lの患者に対して1回15 mgを1日2回経口投与します。

この薬剤情報のサマリーは、FDA抗腫瘍薬製品室長のRichard Pazdur医師により作成されています。米国食品医薬品局(FDA)とは米国保健社会福祉省(HHS)の一部門で、新薬その他の製品の安全性と有効性を確保するための機関です。 (FDA:医薬品・医療機器の承認方法の理解(原文)を参照。
FDAの使命は、安全かつ有効な製品の迅速な市場流通を促し、流通後も継続的に製品の安全性を監視することによって、国民の健康を守り、推進することです。

原文掲載日

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