[ 記事 ]

ハーセプチンとタイケルブの併用は乳癌の治療に有益である

キャンサーコンサルタンツ

HER2陽性乳癌の術前化学療法に対し、ハーセプチン(トラスツズマブ)とタイケルブ(ラパチニブ)の併用はそれぞれの薬剤の単独より有効である可能性がある。これらの結果はLancet誌で公表された。

 

乳癌の約20~25%に、HER2として知られているタンパクが過剰発現している。幸いにもHER2陽性乳癌を特異的に標的とする薬剤の開発により予後が改善した。これらの薬剤にはハーセプチン、タイケルブおよび治験薬であるペルツズマブがある。

 

HER2を標的とする治療の併用は、転移性乳癌(体の他の部位に拡がっている癌)の女性患者の試験で有益であり、研究者は初期段階の乳癌の女性患者でこれらの併用を評価した。

 

NeoALTTO試験は、初期のHER2陽性乳癌女性患者455人が登録された第3相臨床試験である。この試験は大きさが2cm以上の手術可能な乳癌女性の患者を対象とした。被試験者は3群の術前化学療法治療群に割付られた。

1)タイケルブ + 化学療法
2)ハーセプチン + 化学療法
3)ハーセプチン + タイケルブ + 化学療法

 

本試験の主要評価項目は病理学的完全奏効(pCR)率であった。pCRは手術時に検出可能な癌の消失を意味する。術後に、患者は追加の化学療法およびHER2を標的とする治療を受けた。

 

奏効率はハーセプチンとタイケルブの併用で治療された女性患者で最も高かった。pCRはハーセプチン/タイケルブ併用群で51.3%、ハーセプチン群で29.5%およびタイケルブ群で24.7%に達した。

 

これらの結果から、ハーセプチンとタイケルブの併用がいずれかの薬剤の単独より有効であることが示唆される。本試験では、ハーセプチン単剤とタイケルブ単剤の差は統計的に有意でなかった(すなわち偶然に単独であっても)。しかしLancet Oncology誌に公表された別の試験では、1つの薬剤のみ用いた場合、ハーセプチンがより有効であることが示唆された。

 

参考文献:
Baselga J, Bradbury I, Eidtmann H et al, Lapatinib with trastuzumab for HER2-positive early breast cancer (NeoALTTO): a randomaized, open-label, multicentre, phase 3 trial. Lancet. 2012;379:633-40.
Untch M, Loibl S, Bischoff J et al. Lapatinib versus trastuzumab in combination with neoajuvant antrhacycline-taxane-based chemotherapy (GeparQuinto, GBG44): a randomized phase 3 trial. Lancet Oncology. 2012;13:135-144.

 


  c1998- CancerConsultants.comAll Rights Reserved.
These materials may discuss uses and dosages for therapeutic products that have not been approved by the United States Food and Drug Administration. All readers should verify all information and data before administering any drug, therapy or treatment discussed herein. Neither the editors nor the publisher accepts any responsibility for the accuracy of the information or consequences from the use or misuse of the information contained herein.
Cancer Consultants, Inc. and its affiliates have no association with Cancer Info Translation References and the content translated by Cancer Info Translation References has not been reviewed by Cancer Consultants, Inc.
本資料は米国食品医薬品局の承認を受けていない治療製品の使用と投薬について記載されていることがあります。全読者はここで論じられている薬物の投与、治療、処置を実施する前に、すべての情報とデータの確認をしてください。編集者、出版者のいずれも、情報の正確性および、ここにある情報の使用や誤使用による結果に関して一切の責任を負いません。
Cancer Consultants, Inc.およびその関連サイトは、『海外癌医療情報リファレンス』とは無関係であり、『海外癌医療情報リファレンス』によって翻訳された内容はCancer Consultants, Inc.による検閲はなされていません。

翻訳木下秀文

監修太田真由美(精神科、児童精神科/さいとうクリニック院長)

原文を見る

原文掲載日

【免責事項】

当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。
翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

関連記事