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化学療法中の卵巣機能抑制は治療後の月経機能を改善しない

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化学療法中の卵巣機能抑制は治療後の月経機能を改善しない

キャンサーコンサルタンツ

化学療法を受けている若年乳癌患者については、治療中に卵巣機能を抑制する薬剤トリプトレリンを投与しても、治療後の月経機能に改善は見られない。この結果は、Journal of Clinical Oncology誌に発表された。

 

若年癌患者において、生殖機能の温存は極めて重要な問題として認識が高まっている。閉経前の女性にとって、ほとんどの化学療法は卵巣内の卵細胞(卵母細胞)に有毒である。治療を受けている期間に卵巣内に残っている卵母細胞が下限数に達すると、患者は「急性卵巣機能障害」を発症する。これはつまり、治療中または治療後すぐに卵巣機能が停止することを意味する。治療中に卵母細胞が消失しても、この下限数に達しなければ、早期閉経のリスクはあるものの、治療後しばらく経過した時点で妊娠の可能性は残っている場合がある。

 

治療開始前に胚を凍結保存する方法は、若年女性患者の生殖機能を温存するために一般的に確立されているアプローチの1つであるが、必ずしも唯一の選択肢ではない。これに代わるアプローチとして評価されているのは、性腺刺激ホルモン(GnRH)アゴニストとして知られる薬剤を投与して、治療中の卵巣機能を抑制する方法である。期待されているのは、この方法により卵巣が保護され、治療後の卵巣機能が改善されることである。

 

化学療法中におけるGnRHアゴニストトリプトレリンの有効性を調査するために、研究者らは44歳以下の閉経前の若年乳癌患者を対象とした試験を実施した。この試験に登録した患者は、トリプトレリン投与群とプラセボ投与群に割り付けられた。当初、この試験は患者124人を登録したが、前段階の結果でトリプトレリン投与による有効性は認められなったため、49人だけ登録した後、この試験は中止となった。

  • 月経が再開したのは、トリプトレリン群で88%、プラセボ群で90%であった。
  • 月経周期が再開したのは、トリプトレリン群は中央値5.8カ月後、プラセボ群は中央値5.0カ月後であった。

 

この試験結果は、若年乳癌患者においては、トリプトレリンを投与しても、治療後の月経機能は改善されないことを示唆している。また、このテーマに関する詳細については、継続して行われている試験で明らかになるだろう。

 

閉経前の癌患者が治療中に生殖能力の温存を希望する場合は、治療開始前に選択肢について主治医に相談することをお勧めする。

 

参考文献:

Munster PN, Moore AP, Ismail-Khan R et al. Randomized trial using gonadotropin-releasing hormone agonist triptorelin for the preservation of ovarian function during (neo)adjuvant chemotherapy for breast cancer. Journal of Clinical Oncology. Early online publication January 9, 2012.

 


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原文掲載日

翻訳森島由希

監修原 文堅 (乳癌/四国がんセンター)

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