長時間の座位姿勢は死亡リスクに関連する

キャンサーコンサルタンツ

身体活動だけでは、健康改善や寿命を延ばすには十分でないかもしれない。最近のアメリカ癌協会(ACS)の調査によると、たとえ活動的な人においても、長時間の座位姿勢が死亡リスクを高める可能性があることがわかった。これらの結果はAmerican Journal of Epidemiology誌に報告されている。

多くの研究で、身体活動は健康全般や健康状態を促進し、一方で発癌リスクや心血管状態、二型糖尿病やその他慢性疾患のリスクを低下させると示唆している。しかしながら、どの程度の時間の座位が—たとえ身体活動のある人においても—健康に影響を及ぼすのかについてはあまり知られていなかった。

今回の調査で、ACSは12万3千人の健康成人男女の死亡率と活動レベルについて追跡調査を行った。14年間の追跡調査で、約11000人の男性と8000人近い女性が死亡した。他の死亡要因(喫煙やBMIなど含む)を考慮した研究を行った上でも、なお座位時間が長いほど男女とも死亡リスクが上昇し、リスクの上昇は運動量には関係がなかった。特に心血管病に起因する死は座位時間の長い人で増加した。

座位時間と死亡リスクの関係について、可能性のある説明としては免疫抑制が挙げられる。すなわち血栓リスクや、血圧やコレストロール値を上昇させ、心血管系の合併症リスクを上昇させる代謝作用がある。

これらの結果は、身体活動を増やすことで健康上の利益は得られるかもしれないが、疾病予防や寿命を延ばすには、余暇における座位時間を減らす必要があることを示唆している。

参考文献:
Reference: PatelAV, Bernstein L, Deka A, et al. Leisure time spent sitting in relation to total mortality in a prospective cohort of US adults. American Journal of Epidemiology [early online publication]. July 22, 2010.


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翻訳担当者 白神ルミ子

監修 朝井鈴佳(獣医学・免疫学)

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