Ethyol(amifostine)放射線防護剤の用量漸増試験 | 海外がん医療情報リファレンス

Ethyol(amifostine)放射線防護剤の用量漸増試験

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

Ethyol(amifostine)放射線防護剤の用量漸増試験

キャンサーコンサルタンツ
2005年10月

マサチューセッツ総合病院の研究者らの報告によると、過分割照射と併用して投与するタキソール(パクリタキセル)の用量はEthyol®(amifostine)を使用している患者において漸増可能である。この用量漸増試験の詳細は2005年10月1日発行のCancer誌で報告された。

 

放射線治療と化学療法の併用は進行性の頭頸部癌患者にとって標準的な治療方法であるが、大半の患者は治療後に再発しているのが現状である。Ethyolは放射線防護薬であり、放射線治療をうけている頭頸部癌患者を対象として、このクラスではこの用途でFDAによって唯一承認されている薬剤である。

 

これまでの臨床試験で、Ethyolは放射線によって誘発される急性および遅発性副作用を軽減することがわかっている。頭頸部癌患者が参加した主要な試験では、Ethyolによって口内乾燥の発現率が減少したが、口腔粘膜炎の発現率や重症度に対しては影響を及ぼさなかった。また、Ethyolの使用によって骨盤部照射を受けている患者におけるグレード2-3の膀胱または消化器系の毒性の発現率が減少することが示され、最近では、高用量のメルファランを投与されている患者の毒性の減少にEthyolの投与が関係しているとされている。

 

今回の試験は多施設第1相臨床試験で、36人の進行性頭頸部癌患者を対象としている。患者は放射線治療の他に週1回タキソールを投与された。また、タキソールの投与回数は最低3回から、最高6回まで漸増された。36人の患者のうち28人をEthyol投与群とし、残りの8人をEthyol非投与群とした。Ethyol非投与群は4回のタキソール投与に耐容性を示したが、Ethyol投与群の平均投与回数は5回であった。

 

おおよそ30ヶ月目では、無増悪生存率と全生存率のいずれも患者全体で66%であった。奏功率についてはEthyol投与群と非投与群の間で差異は認められなかった。

 

研究者らが出した結論によると、Ethyol投与によって、放射線治療をうけている進行性の頭頸部癌患者がタキソールによる化学療法を1サイクル多く受けることができる。この試験に参加した患者の生存率が上昇するかどうかを結論付けるには長期的な経過観察が必要であり、結果を裏付けるには今後無作為化臨床試験が必要となる。

 

コメント: 
Ethyolを使用することで放射線治療と併用して投与されるタキソールの用量を増加できる可能性があるが、この著者は、遠隔部の転移を有意に抑制するにはまだ十分ではなく、放射線療法前後により多くの化学療法を実施することが必要だと指摘した。

 

参考文献:

 Amrein P, Clark J, Supko J, et al. Phase I trial and pharmacokinetics of escalating doses of paclitaxel and concurrent hyperfractionated radiotherapy with or without amifostine in patients with advanced head and neck carcinoma. Cancer . 2005;104:1418-1427

 


  c1998- CancerConsultants.comAll Rights Reserved. These materials may discuss uses and dosages for therapeutic products that have not been approved by the United States Food and Drug Administration. All readers should verify all information and data before administering any drug, therapy or treatment discussed herein. Neither the editors nor the publisher accepts any responsibility for the accuracy of the information or consequences from the use or misuse of the information contained herein. Cancer Consultants, Inc. and its affiliates have no association with Cancer Info Translation References and the content translated by Cancer Info Translation References has not been reviewed by Cancer Consultants, Inc. 本資料は米国食品医薬品局の承認を受けていない治療製品の使用と投薬について記載されていることがあります。全読者はここで論じられている薬物の投与、治療、処置を実施する前に、すべての情報とデータの確認をしてください。編集者、出版者のいずれも、情報の正確性および、ここにある情報の使用や誤使用による結果に関して一切の責任を負いません。 Cancer Consultants, Inc.およびその関連サイトは、『海外癌医療情報リファレンス』とは無関係であり、『海外癌医療情報リファレンス』によって翻訳された内容はCancer Consultants, Inc.による検閲はなされていません。

翻訳てらしま

監修平 栄(放射線腫瘍科) 

printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

関連薬剤情報

一覧

週間ランキング

  1. 1乳がん化学療法後に起こりうる長期神経障害
  2. 2非浸潤性乳管がん(DCIS)診断後の乳がんによる死亡...
  3. 3BRCA1、BRCA2遺伝子:がんリスクと遺伝子検査
  4. 4がんに対する標的光免疫療法の進展
  5. 5若年甲状腺がんでもリンパ節転移あれば悪性度が高い
  6. 6「ケモブレイン」およびがん治療後の認知機能障害の理解
  7. 7コーヒーが、乳がん治療薬タモキシフェンの効果を高める...
  8. 8ルミナールA乳がんでは術後化学療法の効果は認められず
  9. 9HER2陽性進行乳癌治療に対する2種類の新診療ガイド...
  10. 10リンパ腫患者の余命は、診断後の無再発期間2年経過で通...

お勧め出版物

一覧

arrow_upward

ユーザー 病名 発信元種別 発信元名 治療法別 がんのケア がんの原因・がんリスク がん予防 基礎研究 医療・社会的トピック 注目キーワード別 薬剤情報名種別

女性のがん
消化器がん
泌尿器がん
肉腫
血液腫瘍
その他
民間機関
その他