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非小細胞肺癌の臨床試験の結果から:ベバシズマブ/ペメトレキセドによる維持療法は生存期間を改善し、KRAS遺伝子変異の有無はソラフェニブの治療成績に影響を与えない

2011年11月1日 Volume 2, Issue 16

AVAPERL試験の最終解析によると、ベバシズマブ(アバスチン)とペメトレキセド(アリムタ)両方を用いた維持療法は、ベバシズマブ単独による維持療法はと比較して、進行非小細胞癌(NSCLC)患者における無進行生存期間を着実に改善することが明らかとなった。KRAS遺伝子変異の有無により患者を選択した別の試験においては、ソラフェニブ(ネクサバール)治療は進行非小細胞肺癌の治療成績を改善しなかった。専門家の解説で、答えよりも多く疑問が浮かび上がるとされた両試験は、欧州癌治療学会、欧州腫瘍学会、欧州放射線腫瘍学会の共催で最近ストックホルムで開催された2011年欧州合同癌会議欧州癌学会にて最新の研究成果発表として公表された。

 

維持療法
挿入部分********************************************************************
EMCC2011:非小細胞肺癌データ
・第3相AVAPERL試験において、ベバシズマブ単独による維持療法比較して、ベバシズマブ+ペメトレキセドによる維持療法は、優れた無増悪生存期間を達成したことを示した。
・一方で、標的薬剤を2剤も併用するような高価な維持療法が4カ月の無増悪生存期間延長に見合うかどうか、そしてペメトレキセド単独でも併用と同様の結果が得られるかどうか、コストを念頭において再考する必要がある、との批判もある。
・第2相臨床試験により、KRAS変異で選択された患者では、ソラフェニブの成績は改善されなかったことが示された。
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AVAPERLは進行、転移または再発非小細胞肺癌患者376名を対象に行われた、ランダム化、多施設共同、非盲検の第3相試験である。試験には、ベバシズマブ/シスプラチン/ペメトレキセドを用いた一次治療によって病勢コントロール(完全奏功、部分奏功または安定)が達成できた患者が登録された。患者はベバシズマブ単独投与による維持療法かベバシズマブ/ペメトレキセド併用による維持療法にランダムに割りつけられ、疾患が進行するまで治療が行われた。

 

維持療法としてベバシズマブ/ペメトレキセドを併用した群では、ベバシズマブ単独による維持療法を行った群と比較して、無増悪生存期間が4カ月延長し、進行のリスクを50%軽減した。中央値11カ月の追跡期間で、無増悪期間中央値は、併用群で10.2カ月、ベバシズマブ単独群で6.6カ月あり(P値<.001)、全てのサブグループにおいてベバシズマブ/ペメトレキセド併用はベバシズマブ単独と比較して効果が優れていた

 

全生存期間中央値は、併用群では未だ到達しておらず、ベバシズマブ群では15.7カ月であった。病勢コントロール期間の中央値は、併用群は7.8カ月で単独群は4.9カ月と、併用群の方が有意に良好であった(P値<.001)。両治療ともに高い忍容性を示した。

 

筆頭著者で、フランスにあるUniversity of Mediterranee-Assistance Publique Hopitaux de MarseilleineFabrice Barlesi医師は語っている。「全般的にみて、シスプラチン/ベバシズマブ/ペメトレキシドとその後にベバシズマブシ/ペメトレキシドを継続する維持療法は忍容性が高く、病勢コントロールが得られている患者においてはこれまでに例をみないほどの進行リスクの軽減が達成された。無増悪生存期間の延長はたかだか4カ月だが、転移を認める肺癌での4カ月の延長は偉大な進歩と言っていいでしょう。

 

ソラフェニブとKRASの状態

プラチナベースの化学療法を受けた後に進行(PD)となりかつ腫瘍におけるKRAS変異が陽性であった59名の局所進行非小細胞肺癌患者を対象とした第2相臨床試験において、ソラフェニブはある程度の臨床効果を示した。試験の主要エンドポイントは達成された(非増悪率>52%)が、急激な悪化を示している患者もみられており無増悪生存率データは期待に反するものである。しかし、十分に治療を受けた患者の中にはソラフェニブの効果が長期間持続した例もあった。

 

「ソラフェニブのさらなる研究が期待されるが、KRAS変異を有する患者の中でソラフェニブの効果が期待できそうなサブグループを特定する必要がある。また、ソラフェニブがKRAS変異を有する非小細胞肺癌患者において標準の化学療法より効果が高いかどうかを検討するためにランダム化第2相試験をおこなうべきである」とオランダMaastricht大学病院のA.M. Dingemans医師は述べている。

 

情報開示:Barlesi医師は、ロシュ社とリリー社の関係を公開した。Dingemans医師はバイエル社から無制限の助成金を受けた。

 

専門家の視点非小細胞肺癌の臨床試験:ベバシズマブ/ペメトレキシド維持療法は生存期間を改善する。KRAS遺伝子変異の有無はソラフェニブの効果に影響を及ぼさない。

翻訳滝川俊和

監修田中文啓(呼吸器外科/産業医科大学教授)

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