ホルモン療法で副作用を起こす乳癌患者において再発リスクが減少 | 海外がん医療情報リファレンス

ホルモン療法で副作用を起こす乳癌患者において再発リスクが減少

更新日

Facebookでシェアする Twitterにツィートする LINEに送る print

ホルモン療法で副作用を起こす乳癌患者において再発リスクが減少

キャンサーコンサルタンツ
2008年11月

ホルモン療法を受け関節症状または血管運動症状を呈するホルモン陽性乳癌患者において、再発リスクが低いことが、ATAC試験に携わった研究者らによって報告された。本試験結果の報告は、Lancet Oncology誌の電子版に事前掲載された。

 

抗エストロゲン療法は、ホルモン受容体陽性乳癌女性の再発予防に有効である。エストロゲン生成抑制の程度は、ほてり、寝汗、関節症状のようなエストロゲン欠乏症状により判断できると示唆されてきた。今回の解析に関与した研究者らは、エストロゲンの欠乏または遮断が、乳癌再発率の低下と関連しているかどうかの特定に努めた。

 

タモキシフェン(ノルバデックス®)またはアリミデックス®(アナストロゾール)のいずれかの治療を受け、それに付随した副作用を経験する女性を対象に、転帰を評価するための試験が近年英国で実施された。本試験には、ATAC(アリミデックス、タモキシフェン、いずれか単独または併用)試験におけるデータの再調査が含まれる。ATAC試験は、アリミデックスまたはタモキシフェンのいずれかの治療を受けた閉経後ホルモン陽性早期乳癌の女性を含む大規模試験であった。

 

9年間の追跡調査で、以下のデータが報告された。

・ホルモン療法の最初の3ヵ月以内に、新たな血管運動症状および関節症状が発現した女性は、こういった副作用がない女性と比べて再発率が11.4%低かった。

・関節症状のみ発現した女性では、再発率が10%低かった。

・血管運動症状のみ発現した女性では、再発率が6%低かった。

 

研究者らによると、副作用の緩和に用いる非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDS)の潜在的な役割については十分に研究されなかったため、NSAIDsが再発の減少に影響を与えるのか否か判定することは不可能である。また、本試験結果は、副作用を経験している女性に治療継続を強く推奨する理由となるであろう。

 

コメント:

これらのデータから、エストロゲン遮断の度合いによって、限局性乳癌を有する女性の再発率が左右されることが示唆される。最初のATAC試験において、ノルバデックスが血管イベントとほてりの多発に関連し、アリミデックスが関節症状の多発と関連したことは注目に値する可能性がある。

 


 c1998- 2008CancerConsultants.comAll Rights Reserved.
These materials may discuss uses and dosages for therapeutic products that have not been approved by the United States Food and Drug Administration. All readers should verify all information and data before administering any drug, therapy or treatment discussed herein. Neither the editors nor the publisher accepts any responsibility for the accuracy of the information or consequences from the use or misuse of the information contained herein.
Cancer Consultants, Inc. and its affiliates have no association with Cancer Info Translation References and the content translated by Cancer Info Translation References has not been reviewed by Cancer Consultants, Inc.
本資料は米国食品医薬品局の承認を受けていない治療製品の使用と投薬について記載されていることがあります。全読者はここで論じられている薬物の投与、治療、処置を実施する前に、すべての情報とデータの確認をしてください。編集者、出版者のいずれも、情報の正確性および、ここにある情報の使用や誤使用による結果に関して一切の責任を負いません。
Cancer Consultants, Inc.およびその関連サイトは、『海外癌医療情報リファレンス』とは無関係であり、『海外癌医療情報リファレンス』によって翻訳された内容はCancer Consultants, Inc.による検閲はなされていません。

翻訳遠藤香利

監修林 正樹(血液・腫瘍科)

printこの記事を印刷する Facebookシェアする Twitterツィートする LINE送る

免責事項当サイトの記事は情報提供を目的としてボランティアで翻訳・監修されています。翻訳の記事内容や治療を推奨または保証するものではありません。

注目キーワード

新着ドキュメント

一覧

関連薬剤情報

一覧

週間ランキング

  1. 1BRCA1、BRCA2遺伝子:がんリスクと遺伝子検査
  2. 2非浸潤性乳管がん(DCIS)診断後の乳がんによる死亡...
  3. 3卵巣がんの起源部位は卵管であることが示唆される
  4. 4若年甲状腺がんでもリンパ節転移あれば悪性度が高い
  5. 5コーヒーが、乳がん治療薬タモキシフェンの効果を高める...
  6. 6がん領域におけるシームレス臨床試験数が近年増加
  7. 7治療が終了した後に-認知機能の変化
  8. 8アブラキサンは膵臓癌患者の生存を改善する
  9. 9ルミナールA乳がんでは術後化学療法の効果は認められず
  10. 10乳がん化学療法後に起こりうる長期神経障害

お勧め出版物

一覧

arrow_upward

ユーザー 病名 発信元種別 発信元名 治療法別 がんのケア がんの原因・がんリスク がん予防 基礎研究 医療・社会的トピック 注目キーワード別 薬剤情報名種別

女性のがん
消化器がん
泌尿器がん
肉腫
血液腫瘍
その他
民間機関
その他