2007/06/12号◆癌研究ハイライト | 海外がん医療情報リファレンス

2007/06/12号◆癌研究ハイライト

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2007/06/12号◆癌研究ハイライト

同号原文

NCI Cancer Bulletin2007年6月12日号(Volume 4 / Number 19)
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◇◆◇癌研究ハイライト◇◆◇

葉酸試験で驚くべき結果が示された

早期大腸癌を予防するため開始された葉酸試験において、試験群で結腸直腸腺腫の発現率が増加した。Polyp Prevention Study Group(ポリープ予防試験グループ)が実施したこの多施設NCI助成研究は、Journal of American Medical Association誌6月6日号で発表された。

コホートは、癌の前駆病変である結腸直腸腺腫の既往歴を有する987名であった。この半数に対し葉酸1 mg/日を、残りの半数に対しプラセボを投与した。一般に人は食事から1日約0.2~0.4 mgの葉酸を摂取している。参加者は、3年後および5年後に大腸内視鏡によるモニタリングを受けた。

平均3年間の追跡調査では、結腸直腸腺腫の発現率はプラセボ群42.4%、葉酸群44.1%であった。5年間の追跡調査では、対照群よりも葉酸群で進行病変の発現率が高く、病変数も多かった。

付随の論説では、(結腸直腸癌の前駆病変と考えられる)この進行病変の増加について、葉酸の増加により促進されるという説明がもっとも考えられるという仮説が述べられている。

この論説では、結腸直腸腺腫の既往歴を本試験の適格基準の必須項目とし、評価項目は追加の腺腫が形成されたかどうかであり、この高リスク群で癌が予防されたかどうかではないことも述べられている。「癌予防における葉酸の有効性に関する疑問は解決されていない。葉酸の化学予防効果および観察による強力な疫学的証拠を示す動物実験では、葉酸の可能性について『早期に服用すれば』との意見がある」と、論説者は述べている。

進行NSCLCに対してはカルボプラチンよりもシスプラチンのほうが優れているとメタアナリシスで示唆される

シスプラチンとカルボプラチンを比較する9件のランダム化臨床試験のメタアナリシスによれば、進行期の非小細胞肺癌(NSCLC)患者に対しては、カルボプラチンよりもシスプラチンのほうが良い選択であると考えられる。

患者約3,000名の個々のデータを対象とする本分析によれば、カルボプラチンベースの化学療法レジメンよりも、シスプラチンベースの化学療法レジメンの投与を受けたNSCLC患者の反応率のほうが優れており、非扁平上皮性NSCLC患者、およびシスプラチンといわゆる第3世代の化学療法薬(ゲムシタビンパクリタキセルドセタキセル)を併用した患者の全生存期間が、わずかながら統計的に有意に延長した。

「カルボプラチンに対するシスプラチンの優位性は、重篤な副作用の発現率が統計的有意に増加したことから達成されなかった」と、イタリア、パルマ市にある大学病院の筆頭著者Dr.Andrea Ardizzoni氏らはJournal of the National Cancer Institute誌(JNCI)6月6日号で述べている。Dr.Ardizzoni氏らは、シスプラチンベースのレジメンは高度の悪心、嘔吐、および腎障害の発現率増加と関連があり、カルボプラチンは血小板数のより著明な減少(血小板減少症)と関連があったと報告している。

臨床試験結果に基づき、進行NSCLCの治療薬として両剤の有効性は同等とされているが、米国の腫瘍医はカルボプラチンのほうが副作用が少なく、投与しやすいことから好んで採用してきた。

JNCIに付随の論説で、スローンケタリングがんセンターのDr.Christopher G. Azzoli氏らは、シスプラチンの毒性を軽減させるには、より効果の高い制吐薬が役立つと述べている。Dr.Azzoli氏らは、非扁平上皮性疾患患者においてシスプラチンの有効性が増したことについても言及しており、最近米国で同じ患者集団を対象に標的薬剤ベバシズマブ〔Avastin〕、カルボプラチン、およびパクリタキセルを投与した第3相試験で成果が認められたことから、彼らの主張は特に重要であった。

全体として論説では、「カルボプラチンに対するシスプラチンの明らかな優位性は、特に根治目的で治療している患者では軽視すべきではない」と、述べられている。

一方、ASCO(米国臨床腫瘍学会)年次総会で発表された欧州の第3相試験によれば、化学療法単独と比較して、ベバシズマブ、シスプラチン、およびゲムシタビンの併用により、無進行生存期間の中央値が、1ヵ月に満たないが、若干の延長となった。

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Oyoyo 訳

林 正樹(血液、腫瘍医)監修

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