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2007/05/15号◆特集記事「FDA諮問委員会がESA使用指針の変更を勧告」

  • 2007年5月15日

同号原文

NCI Cancer Bulletin2007年5月15日号(Volume 4 / Number 17)
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◇◆◇特集記事◇◆◇

FDA諮問委員会がESA(エリスロポエチン製剤)使用指針の変更を勧告

米国FDA諮問委員会は、化学療法に起因した貧血を有する癌患者への抗貧血剤の使用に対し、新たな規制を設けるよう検討することをFDAに推奨した。諮問委員会による5月10日の会議で、毎年輸血を受ける推定45万人の癌患者に対して輸血の必要性を軽減する大型新薬を使用することは、死亡の危険性をより高める可能性があるか否かについて最新の議論が行われた。このことは最近の重要な関心事となっている。

FDAの癌関連薬剤諮問委員会(ODAC)から提案された勧告はいずれも特に具体的なものではなかった。しかし、赤血球造血刺激剤(エリスロポエチン製剤)(ESA)としばしば呼ばれるこれらの薬剤を、ある特定のタイプの癌患者に対しては使用を制限するべきか否か、無症候性の患者へこれらの薬剤の使用を促す特定のヘモグロビン値を確立すべきか否か、また化学療法後ある時間枠内でこれらの薬剤を使用することに制限を設けるべきか否か、を判断するために全ての利用可能なデータおよび、まもなく利用可能となるデータを評価するよう、同諮問委員会はFDAに対し勧告した。

ODACの議長を務めるコロラド大学健康科学センターのS. Gail Eckhardt医師は、同委員会は、貧血を起こしている癌患者に対して、赤血球輸血が支持療法の第一選択肢であった「暗黒時代」に逆戻りするような方向付けをすべきではないことを強調した。同医師は、むしろ過去4年間で完了したいくつかの臨床試験によって示されたESAの安全上の懸念を受け、如何にして「前進する」ことができるかを判断することが目標であると述べた。

これらの臨床試験結果のうちの一つは、米国癌研究会議(AACR)の年次総会で3週間前に発表されたばかりであった。「103スタディー」と呼ばれる、約1000人の患者による第3相ランダム化二重盲検プラセボ対照試験では、多様な腫瘍タイプを有する癌患者において、2種類のFDA承認薬のうち、アムジェン社製ESAの1つdarbepoetin α(Aranesp)を投与された場合、死亡リスクが増加することが明らかになった。

主に103スタディーおよび安全上の懸念を示唆したDAHANCA10と呼ばれるデンマークでの臨床試験データに基づいて、3月初めFDAはその他の対策も含めて、公衆衛生勧告を発表し、アメリカ合衆国内で販売されているESAに対して新たな「黒枠」警告(訳注:重大な副作用が懸念される薬剤のラベルに書き加えられる警告文。黒枠で囲まれるためにこのように呼ばれる)を加えた。

死亡の危険性が増加したことを示した臨床試験のうち、薬剤ラベルに表示されているヘモグロビン値12g/dlを達成するようにESAを使用することとしたのは103スタディーのプロトコルだけであると、本試験の主任研究員であるUCLAジョンソン総合癌センターのJohn Glaspy 医師は説明する。死亡の危険性が明らかとなった別のESA臨床試験は、アムジェン社代表者らが「貧血の是正を越える」研究と呼ばれるように、ヘモグロビン値が13から15g/dlの範囲を達成するよう全てデザインされた。実施された臨床試験のうち2つでは、試験に登録されるために患者は貧血であることすら必要ではなかった。

また、103スタディーでは、主要エンドポイントとして生存率が含まれていないうえに、ESAによる利益が確立されていないにもかかわらず、基礎疾患として癌が貧血と関連している患者が参加したため、その他の臨床試験とは異なっていた。

「患者の安全性に関わる問題であるため、慎重に対応し、追加的研究を行うことが最適である。最終的には、腫瘍学においてこれまで使用してきたとおりに使用する場合はESAは安全であると確信している。」と、総会中アムジェン社代表として発言しているGlaspy医師は述べた。

アムジェン社の発表者は、最近完了した「145スタディー」と呼ばれる600人が参加したランダム化化二重盲検試験の予備データも発表した。本臨床試験では、小細胞肺癌の患者らはヘモグロビン値が13g/dlとなるように治療された。Darbepoetin αで治療された患者群では、プラセボ投与群と比較してほぼ同等の無増悪生存率を達成した。

「安全上の懸念を提起することになった大半の臨床試験のデザインおよび実施は激しい批判の的とされてきたが、今回、「問題あり」と、示唆する充分なエビデンスが揃ったと考えている、とメイヨークリニック血液学部門のDavid P.Steensma医師は述べる。

会議の間に、ODACのメンバーらは、ESAについて、無増悪生存率または全生存率をエンドポイントとする明解な臨床試験がないこと、および腫瘍に対するESAの影響についてのデータが欠如していることに落胆の表情を見せた。またメンバーらは、アメリカ合衆国では承認されていない適応であるにもかかわらず、倦怠感や生活の質といった問題を改善すると思わせるESAの対消費者コマーシャル放送を批判した。

— Carmen Phillips

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佐々木 了子 訳
榎本 裕  (泌尿器科医)  監修
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