CAR-T細胞療法は高リスク大細胞型B細胞リンパ腫の一次治療として有望

CAR-T細胞療法は高リスク大細胞型B細胞リンパ腫の一次治療として有望

ZUMA-12試験:高リスク大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)に対する一次治療としてアクシセル(axi-cel)を評価する初の試験

アブストラクト405

自己抗CD19キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法であるアクシセルが、新規かつ効果的な治療法を緊急に必要とする高リスク大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)患者の一次治療として安全かつ効果的であることが、テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの研究者らが主導した研究により明らかになった。

これらの結果は、2020年12月6日に2020年米国血液学会(ASH)バーチャル年次総会で発表された。

歴史的に見ると、高リスクLBCL(ダブルヒットリンパ腫もしくはトリプルヒットリンパ腫、または国際予後指標(IPI)によって分類された臨床的リスク因子をさらに有している患者を含む疾患サブグループ)の患者の約半数は、化学免疫療法のような典型的な治療アプローチでは、疾患の長期的寛解に至っていない。

「本試験は、CAR-T細胞療法を高悪性度B細胞リンパ腫の患者さんの一次治療として促進するための一歩となるものです」と、主任研究者でありリンパ腫・骨髄腫部門教授であるSattva S. Neelapu医師は述べた。「現在、新たに診断された高悪性度B細胞リンパ腫の患者さんは、約6カ月間の化学療法を受けています。CAR-T細胞療法が成功すれば、これを1カ月以内に治療が完了する1回の点滴に変更することができます」。

アクシセルは現在、ZUMA-1試験の検証研究に基づき、全身療法による治療歴が2回以上の再発または難治性LBCL成人患者の治療薬として承認されている。第2相非盲検単群多施設共同試験であるZUMA-12試験は、ZUMA-1試験で得られた知見をさらに発展させ、高リスクLBCL患者の一次治療としてのアクシセルの使用を評価するものである。

ZUMA-12試験の中間解析では、85%の患者が全奏効、74%の患者が完全奏効を示した。登録患者の70%でデータカットオフ時に奏効が持続しており、追跡期間中央値は9.3カ月であった。

アクシセル治療に関連する最もよく見られる有害事象は、白血球数の減少、脳症、貧血、およびサイトカイン放出症候群であった。すべての有害事象はデータ解析の時点までに解消されていた。

さらに、一次治療としてCAR-T細胞療法を行った本試験では、化学療法の前治療歴が数回ある患者にCAR-T細胞療法を行った場合と比較して、CAR-T細胞の最高血中濃度およびCAR-T細胞数の中央値が高かった。

「このT細胞の適応性が治療効果の向上と関連し、患者さんの転帰の改善につながる可能性があります」と、Neelapu医師は述べた。

ZUMA-12試験の有望な中間結果を受けて、研究者らは、患者の治療に対する奏効の持続性を確認するために、継続的な追跡調査を行う予定である。

「もし、さらに長期の追跡調査を行った後に奏効が持続するのであれば、これらの高リスク患者においてランダム化臨床試験を行い、既存の標準治療である化学免疫療法よりもCAR-T細胞療法が優れていることを明確に示す必要があるでしょう」と、Neelapu医師は述べた。「さらに、中等度リスクの大細胞型B細胞リンパ腫患者においてもCAR-T細胞療法を評価すべきかという問題も提起されます」。

本研究は、 Kite Pharma社から支援を受けた。共著者の全リストとその開示情報はこちらを参照。

翻訳担当者 会津麻美

監修 北尾章人(腫瘍・血液内科/神戸大学大学院医学研究科)

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