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FDAがgBRCA変異および転移を有する膵臓腺がんにオラパリブを承認

2019年12月27日、米国食品医薬品局(FDA)は、成人患者の維持療法にオラパリブ(販売名:LYNPARZA[リムパーザ]、AstraZeneca Pharmaceuticals LP社)を承認した。対象は転移を有する膵臓腺がん患者で、FDAの承認を受けた検査により病的または病的と疑われる生殖細胞系BRCA変異(gBRCAm)が検出されており、初回治療のプラチナベースの化学療法レジメンを少なくとも16週以上受け疾患の進行が認められていない患者である。

FDAはまた、BRACAnalysis CDx検査(Myriad Genetic Laboratories, Inc.社)も承認した。この検査はオラパリブによる治療の対象となる膵臓がん患者選択のためのコンパニオン診断であり、この選択はBRCA1またはBRCA2遺伝子の病的なまたは病的であることが疑われている生殖細胞系変異の同定に基づいて行われる。

有効性は二重盲検プラセボ対照多施設共同試験であるPOLO (NCT02184195)試験で検討された。この試験では、gBRCAmで転移を有する膵臓腺がん患者154人をオラパリブ300mgを1日2回経口投与する群またはプラセボを投与する群に無作為に3:2に割り付け、疾患進行または許容できない毒性が認められるまで、投与が継続された。

主要有効性評価項目は、RECIST 1.1を用いた盲検独立中央判定による無増悪生存期間(PFS)であった。追加の有効性評価項目は、全生存期間(OS)および全奏効率(ORR)であった。

無増悪生存期間の中央値は、プラセボ投与群で3.8カ月(95%信頼区間[CI]: 3.5~4.9)であったのに対し、オラパリブ投与群で7.4カ月(95% CI: 4.1~11.0)であった(ハザード比[HR]0.53; 95% CI: 0.35~0.81; p=0.0035)。全生存期間の中央値は、それぞれ、オラパリブ群で18.9カ月(95% CI: 14.9~26.2)、プラセボ群で18.1カ月(95% CI: 12.6~ 26.1)であった(HR 0.91; 95% CI: 0.56~1.46; p=0.683)。ベースライン時に測定可能な病変を有していた患者の全奏効率は、それぞれ、23%と12%であった。

POLO試験で観察されたオラパリブの副作用プロファイルは、オラパリブの既知の安全性プロファイルとおおむね一致する。臨床試験で最もよくみられたオラパリブに対する副作用(≥10%)は、悪心、疲労、嘔吐、腹痛、貧血、下痢、めまい、好中球減少症、白血球減少症、鼻咽頭炎/上気道感染/インフルエンザ、気道感染、関節痛/筋肉痛、味覚異常、頭痛、消化不良、食欲減退、便秘、口内炎、呼吸困難、および血小板減少症などである。

オラパリブの推奨用量は300mgであり、食事の有無にかかわらず1日2回経口投与する。

LYNPARZAの全処方情報はこちらを参照。

この審査は、Assessment Aidを用いて行われた。これは、FDAの評価を行いやすくするために申請者から自発的に提出されるものである。FDAは、この申請を優先審査に指定した。

翻訳串間貴絵

監修泉谷昌志(消化器がん、がん生物学/東京大学医学部附属病院消化器内科)

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