ペムブロリズマブを胃がんにFDAが迅速承認

2017年9月22日、米国食品医薬品局(FDA)は、FDA承認検査でPD-L1発現陽性と診断された再発局所進行または転移性の胃腺がんまたは胃食道接合腺がんの患者に対し、ペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)(Merck&Co.社)を迅速承認した。対象となる患者は、フルオロピリミジン系およびプラチナ系化学療法、ならびに適切であればHER2 / neu標的療法を含む2つ以上の全身療法後に病勢進行した患者であった。

この承認は、KEYNOTE 059(NCT02335411)試験の結果に基づく。この試験は非盲検多施設非比較マルチコホート試験で、胃腺がんまたは胃食道接合部腺がん患者259人が登録された。この259人のうち、55%(n=143)がPD-L1発現陽性で、MSS(マイクロサテライト不安定性陰性)か、MSI(マイクロサテライト不安定性)/MMR(ミスマッチ修復遺伝子)のどちらかが判定不能な腫瘍を有していた。

PD-L1発現は、コンパニオン診断薬キットPD-L1 IHC 22C3 pharmDx「ダコ」で評価し、CPS(combined positive score)1以上をPD-L1陽性とした。CPSは、PD-L1染色細胞(腫瘍細胞、リンパ球、マクロファージ)の数を腫瘍細胞の合計数で割り、100をかけた数値である。

PD-L1陽性で、MSSか、MSI/MMRのどちらかが判定不能な患者143人における奏効率は13.3%(95% CI: 8.2, 20.0)で、そのうち完全奏効が1.4%、部分奏効が11.9%であった。奏効した患者19人の奏効期間は2.8~19.4カ月、そのうち11人(58%)は6カ月以上で、5人(26%)は12カ月以上であった。

KEYNOTE 059試験に登録された患者259人のうち、7人(3%)はMSI陽性であった。そのうち4人に奏効が認められ(ORR 57%)、1人は完全奏効であった。奏効期間は5.3~14.1カ月であった。

胃がん患者に生じる有害反応は、現在添付文書に記載されているものと同様であった。最もよく見られる有害反応は、疲労、筋骨格痛、食欲不振、そう痒、下痢、悪心、発疹、発熱、咳嗽、呼吸困難、便秘である。ペムブロリズマブは、肺炎、大腸炎、肝炎、内分泌疾患、腎炎などの免疫関連副作用を伴う。

胃がんに対するペムブロリズマブの推奨用量は3週間ごとに200 mgで、30分以上かけて点滴投与し、病勢進行もしくは許容できない毒性の発現まで、または病勢進行が認められない患者では最長24カ月間継続する。

同日、FDAは、ペムブロリズマブの投与を受ける胃がん患者を選択するコンパニオン診断薬キット、PD-L1 IHC 22C3 pharmDx「ダコ」も承認した。PD-L1発現が胃がんの保存検体で検出されない場合、FDAは生検の実施可能性について評価することを推奨している。非小細胞肺がんまたは胃がんにおけるFDA承認のPD-L1発現検査に関する情報は、http://www.fda.gov/CompanionDiagnosticsに掲載されている。

全処方情報は、https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/label/2017/125514s024lbl.pdf

FDAはペムブロリズマブをこの適応の優先審査品目に指定した。迅速承認の条件として、さらなる試験が要求されている。FDA迅速承認プログラムについては、「企業向けガイダンス:重篤疾患のための迅速承認プログラム-医薬品および生物学的製剤」(http://www.fda.gov/downloads/drugs/guidancecomplianceregulatoryinformation/guidances/ucm358301.pdf)に詳述されている。

医療従事者は、いずれかの医薬品および医療機器の使用との関連が疑われる重篤な有害事象をすべて、FDAのMedWatch報告システムに報告しなければならない。報告は、http://www.fda.gov/medwatch/report.htmにあるフォームへの入力、同ホームページにある郵便料金支払い済み宛先フォームのファックス送信(1-800-FDA-0178)もしくは郵送、または電話(1-800-FDA-1088)で行うこと。

翻訳担当者 粟木瑞穂

監修 畑 啓昭(消化器外科/京都医療センター)

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