Apatinibは二次治療に抵抗性を示す進行性胃癌患者の生存期間を延長する

キャンサーコンサルタンツ

Apatinib[アパチニブ]は、二次治療に抵抗性を示す進行性胃癌患者の全生存期間を有意に延長したとの第3相試験の結果が、2014年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会(シカゴ)で発表された。

胃癌は米国では発症率が比較的低いが、世界的には癌による死因の第2位である。胃癌の発症率はアジア諸国(韓国、中国、台湾、日本)できわめて高い。胃癌の治療としてよく挙げられるのが、外科的切除後に補助化学療法を加える治療であり、さらに放射線治療が加えられることもある。

VEGFR(血管内非細胞増殖因子受容体)-2 チロシンキナーゼ阻害剤apatinibは、プラセボよりも進行性胃癌患者の全生存期間を有意に延長した。

この第3相試験は、二次治療の化学療法が奏効しなかった進行性胃癌患者を対象とした。患者は無作為にapatinib投与群とプラセボ群に割り付けた。

試験の結果、apatinib投与群で全生存期間が約2カ月延長された。全生存期間の中央値はapatinib群が6.5カ月、プラセボ群が4.7カ月であった。apatinib投与群では無増悪生存期間でも改善がみられた。

Apatinibによる治療は一般的に忍容性に優れ、主な副作用には白血球数の減少、血小板数の減少、手足症候群で知られる皮膚障害が挙げられる。

最適な投与量を決定するため、および単剤療法と他の化学療法との併用療法のどちらが投与方法として優れているかを明らかにするために、apatinibを評価する試験は継続し、胃癌患者の転帰を改善しようとしている。

参考文献:
Qin S. Phase III study of apatinib in advanced gastric cancer: A randomized, double-blind, placebo-controlled trial. J Clin Oncol 32:5s, 2014 (suppl; abstr 4003)


  c1998- CancerConsultants.comAll Rights Reserved.
These materials may discuss uses and dosages for therapeutic products that have not been approved by the United States Food and Drug Administration. All readers should verify all information and data before administering any drug, therapy or treatment discussed herein. Neither the editors nor the publisher accepts any responsibility for the accuracy of the information or consequences from the use or misuse of the information contained herein.
Cancer Consultants, Inc. and its affiliates have no association with Cancer Info Translation References and the content translated by Cancer Info Translation References has not been reviewed by Cancer Consultants, Inc.
本資料は米国食品医薬品局の承認を受けていない治療製品の使用と投薬について記載されていることがあります。全読者はここで論じられている薬物の投与、治療、処置を実施する前に、すべての情報とデータの確認をしてください。編集者、出版者のいずれも、情報の正確性および、ここにある情報の使用や誤使用による結果に関して一切の責任を負いません。
Cancer Consultants, Inc.およびその関連サイトは、『海外癌医療情報リファレンス』とは無関係であり、『海外癌医療情報リファレンス』によって翻訳された内容はCancer Consultants, Inc.による検閲はなされていません。

翻訳担当者 松木宏樹

監修 高濱隆幸(腫瘍内科/近畿大学医学部附属病院)

原文を見る

原文掲載日 

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

胃がんに関連する記事

局所進行胃がんの病期判定にはPETではなく腹腔鏡検査が有用の画像

局所進行胃がんの病期判定にはPETではなく腹腔鏡検査が有用

局所進行前立腺がん患者の病期判定には、腹腔鏡検査が有益であると思われるが、PET/CT検査(18Fフルオロデキシグルコース陽電子放射断層/コンピュータ―断層複合撮影)は有益ではない、と研究者らは述べている。 「進行がん患者全員に診療でのPE
東アジア人の進行胃がんへのラムシルマブ併用、生存延長に達せずもPFSを改善の画像

東アジア人の進行胃がんへのラムシルマブ併用、生存延長に達せずもPFSを改善

東アジア人の進行胃がん患者に対する二次治療としてパクリタキセルにラムシルマブを追加投与することにより、無増悪生存期間(PFS)が延長されることがRAINBOW-Asia試験で示された。 しかし、ラムシルマブ(販売名:Cyramza[サイラム
ASCOアドバンス・オブ・ザ・イヤー2021は「分子プロファイリングによる消化管がん治療の進歩」の画像

ASCOアドバンス・オブ・ザ・イヤー2021は「分子プロファイリングによる消化管がん治療の進歩」

分子プロファイリング(がん遺伝子パネルなどを含む)により、分子や遺伝子の特徴に基づいたがん治療を行うことができるようになった。こうした検査は、 過去1 年間で消化器がん治療に数多くの進展をもたらし、患者ケアは改善されつつある。この進展を認め
FDAがHER2陽性胃腺がんにトラスツズマブ デルクステカンを承認の画像

FDAがHER2陽性胃腺がんにトラスツズマブ デルクステカンを承認

2021年1月15日、米国食品医薬品局(FDA)は、トラスツズマブを含む治療歴のあるHER2陽性の局所進行/転移のみられる胃腺がんまたは食道胃接合部(GEJ)腺がん患者にトラスツズマブ デルクステカン(販売名:エンハーツ、第一三共株式会社)