局所進行直腸がんに対する新たな治療法は、現行の標準治療法よりも副作用が少ないことを確認

キャンサーコンサルタンツ

ポーランドで実施された第3相比較臨床試験の結果、局所進行直腸がん患者に対する新たな治療選択肢が確認されたとの報告が、2016年消化器がんシンポジウム(サンフランシスコ)で発表された。

この臨床試験の結果、術前に短期間(5日間)放射線療法を受けた後、化学療法を受けた患者では、従前の5週間にわたる化学放射線治療レジメンを受けた患者と同様の治療成績が得られることが示された。

化学放射線療法は、しばしば術前にがんの大きさを縮小させる目的で、術前化学療法として行われる。化学放射線療法は、局所進行直腸がんの治療で、米国およびほとんどのヨーロッパ諸国で行われている標準治療である。標準放射線治療は、化学療法を併用しながら、5週間以上続けられる。

この臨床試験で検証した治療レジメンとして、5日間の放射線治療と6日間(2日間を3回)の化学療法の組み合わせを7週間にわたって行った。

この臨床試験は、局所進行直腸がん患者515人を対象に実施され、患者は標準化学放射線療法、または試験的治療である5日間短期放射線治療のいずれかを受けた。両グループの患者は、FOLFOX4と呼ばれる化学療法レジメンを受けた。両グループの患者とも、放射線治療開始から約12週間後に手術を受けた。

臨床試験の結果から、両グループで同程度の割合の患者が放射線治療後、根治手術を受けられるようになったことがわかった。早期副作用は、短期間放射線治療の方が少なかった。無再発生存患者数は、両グループとも同程度であったが、短期間放射線治療では、治療からの3年後全生存率が向上した。(73% vs 63.5%)

この新しい短期間放射線レジメンは副作用が少なく、患者にとって都合がよりよく、費用も抑えられ、標準的な化学放射線療法と比較して生存利益が向上する可能性がある。

参考文献:
Bujko K, Sklodowska M, et al. Neoadjuvant chemoradiation for fixed cT3 or cT4 rectal cancer: Results of a Polish II multicentre phase III study. J Clin Oncol 34, 2016 (suppl 4S; abstract 489).


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翻訳担当者 荒木泉美

監修 中村光宏(医学放射線/京都大学大学院医学研究科)

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