乳癌の高リスク女性は自己検診により新たな乳癌を発見しうる

乳癌の高リスク女性は自己検診により新たな乳癌を発見しうる

キャンサーコンサルタンツ
2009年10月

デューク大学の研究者らは、乳癌の自己検診(BSE)が高リスク女性の乳癌発見に対して有用な方法であると発表した。この研究の詳細は、2009年10月のAmerican Journal of Surgery誌[1]で発表された。

平均的な乳癌リスクの女性においては、BSEの評価は分かれている。200,000人以上の女性を対象に、BSEを評価するための大規模なランダム化試験の一つが行われた。追跡期間は10~11年であったが、標準的なBSEのトレーニングを受けた女性が乳癌を早期発見したというエビデンスは得られなかった。

本研究では、2004年~2007年の間に研究登録された147人の高リスク女性について、BSEのトレーニングの有効性を評価した。観察期間中、147人中12人の女性に14件の乳癌が発見された。

・BSEによる発見は6/14件
・MRIによる発見は6/14件
・マンモグラフィによる発見は2/14件

BSEによる発見は合計で24件、そのうち6件は悪性であった。

「スクリーニングマンモグラム、CBE、年1回の乳房MRIを受けている高リスク女性については、BSEを行うことで新たに乳癌が発見される」と著者らは示唆している。

コメント:
これらのデータは、乳癌の既往歴のある高リスク女性におけるBSEの実用性を示唆するものである。

参考文献:
[1] Wilke LG, Broadwater G, Rabiner S, et al. Breast self-examination: defining as cohort still in need. American Journal of Surgery. 2009;198:575-579.


  c1998- CancerConsultants.comAll Rights Reserved.
These materials may discuss uses and dosages for therapeutic products that have not been approved by the United States Food and Drug Administration. All readers should verify all information and data before administering any drug, therapy or treatment discussed herein. Neither the editors nor the publisher accepts any responsibility for the accuracy of the information or consequences from the use or misuse of the information contained herein.
Cancer Consultants, Inc. and its affiliates have no association with Cancer Info Translation References and the content translated by Cancer Info Translation References has not been reviewed by Cancer Consultants, Inc.
本資料は米国食品医薬品局の承認を受けていない治療製品の使用と投薬について記載されていることがあります。全読者はここで論じられている薬物の投与、治療、処置を実施する前に、すべての情報とデータの確認をしてください。編集者、出版者のいずれも、情報の正確性および、ここにある情報の使用や誤使用による結果に関して一切の責任を負いません。
Cancer Consultants, Inc.およびその関連サイトは、『海外癌医療情報リファレンス』とは無関係であり、『海外癌医療情報リファレンス』によって翻訳された内容はCancer Consultants, Inc.による検閲はなされていません。

翻訳担当者 森島 由希

監修 水向 絢子(基礎医学)

原文を見る

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

乳がんに関連する記事

【AACR2025】 オラパリブ+ペムブロリズマブ併用は、分子マッチングによる臓器横断的試験で有望な結果の画像

【AACR2025】 オラパリブ+ペムブロリズマブ併用は、分子マッチングによる臓器横断的試験で有望な結果

● オラパリブ(商品名:リムパーザ)とペムブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)の併用は、複数のがん種、特にBRCA1/2遺伝子変異(乳がん、卵巣がん、膵臓がん、前立腺がんなどの発症リス...
【ASCO2025】年次総会注目すべき追加研究・LBA ②の画像

【ASCO2025】年次総会注目すべき追加研究・LBA ②

5月30日-6月3日イリノイ州シカゴおよびオンラインで開催された2025年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会では、がんのさまざまな部位にわたる幅広いテーマについて探究した44件の研究...
【ASCO2025】年次総会注目すべき追加研究・LBA ①の画像

【ASCO2025】年次総会注目すべき追加研究・LBA ①

ASCOの見解(引用)5月30日-6月3日イリノイ州シカゴおよびオンラインで開催された2025年米国臨床腫瘍学会(ASCO)年次総会では、がんのさまざまな部位にわたる幅広いテー...
【ASCO2025】トラスツズマブ デルクステカン+ペルツズマブ併用はHER2陽性進行乳がんの一部でがん増殖を抑制の画像

【ASCO2025】トラスツズマブ デルクステカン+ペルツズマブ併用はHER2陽性進行乳がんの一部でがん増殖を抑制

ASCOの見解(引用)「Destiny-Breast09試験で得た知見は、HER-2陽性転移性乳がんに対する新たな一次標準治療法に相当するものです。治療期間が年単位で評価できる...