乳がんにおけるビスフォスフォネート剤の有益性とリスクーDCISにも有効か

一般的な本薬剤は、骨転移を抑制し、非浸潤性乳管がん(DCIS)によるリスクを抑える可能性があるが、副作用についての教育と啓発が必須である

ビスフォスフォネート剤は、骨を標的とした一般によく用いられる薬剤である。高齢者が骨粗鬆症の予防や治療のために服用したり、乳がん患者、特に転移を有する乳がん患者が骨病変または骨転移の予防や治療のために服用したりしている。また、肺がん、前立腺がん、多発性骨髄腫などの患者にも投与されている。

骨折を予防し、転移性骨疾患を防ぐことが証明されているこの薬剤は、より広い範囲で効果を発揮する可能性がある。乳がんの最も初期の形態である非浸潤性乳管がん(DCIS)と診断された人において、ビスフォスフォネート剤により浸潤性乳がんの発症を防ぐことができる可能性が、シアトルのフレッドハッチンソンがん研究センターの研究者らによる新たな分析から示唆されている。

しかし、ビスフォスフォネート剤をはじめとする骨修飾薬(BMA)には、短期的および長期的な副作用もある。そのような副作用は、心臓病、腎毒性、顎骨壊死(ONJ)などである。顎骨壊死は、顎の小さな部分が露出して治癒しなくなるという、まれではあるが厄介な疾患である。奇妙なことに、骨治療薬は、全体としては骨折を著しく減少させるが、まれに骨折を引き起こすこともある。

果たして、乳がんにおける骨修飾薬(BMA)の現状はどうであろうか?利益はリスクを上回っているのか?顎骨壊死などの副作用はどの程度あるのか?副作用を予防できるのか?コストやアクセスは?ビスフォスフォネート剤や化学的に同類のデノスマブに対する見解、およびがん治療におけるこれらの薬剤の現在の使用状況について、患者、がん研究者、臨床医に話を聞いた。

さまざまな用途がある薬剤

ビスフォスフォネート剤は、閉経後の女性の乳がん発症リスクを低下させ、早期乳がん患者の再発や死亡を抑制することが、これまでの臨床試験で明らかになっている。

また、非浸潤性乳管がん(DCIS)患者においてビスフォスフォネート剤が浸潤性乳がんの発症を抑える可能性も、フレッドハッチンソンの疫学者Chris Li博士らが発表した新たな研究で示唆された。

「(米国における)乳がんの20%はDCISです。DCISの生存率は非常に高いものの、DCISの既往がある女性は、その後に浸潤性乳がんを発症するリスクが高くなります。今回の研究では、ビスフォスフォネート剤がこのリスクを下げる可能性が示唆されています」と、Cancer Research誌に先月掲載された研究の筆頭著者であるLi博士は述べている。

本研究はこの関係を報告した最初の研究であるため、結果を裏付ける必要があり、すぐに臨床診療を変えるものではないとLi博士は述べている。

しかし、この結果は、これらの薬剤の使用を他のがん集団にも広げることへの関心の高まりを反映している。また、リスクとベネフィットとの折り合いについて重要な問題を提起しており、研究者らは引き続き調査を続けている。

翻訳担当者 野中希

監修 佐藤恭子(緩和ケア内科/川崎市井田病院)

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