乳癌に特異的な分子を用いた予後検査法がFDAにより承認 (Mammaprint)

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FOR IMMEDIATE RELEASE:February 6, 2007
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本日、米国食品医薬品局(FDA)は乳癌が発症後5~10年以内に再発する可能性を予測する検査法の販売を承認した。遺伝子活性をプロファイルする分子検査が承認されたのは今回が初めてである。

MammaPrintテストには既存の癌が転移(患者の他の身体部位に拡がること)するかどうかが予測できる最新の分子技術が用いられる。このテストは生物学的標本における多数の遺伝子の作用パターンを同時解析するための強力なツールであるマイクロアレイ分析を用いている。

癌の再発は、腫瘍内の特定の遺伝子の活性化と抑制に一部依存している。MammaPrintのような予後検査はこれらの遺伝子活性を測定することが可能なため、医師はこの検査を手がかりに患者の癌の転移の確率を測定することができる。

MammaPrintはオランダ、アムステルダムにある研究所、Agendia社で開発されたものであり、同国でこの製品は2005年から販売されている。

MammaPrintの承認により、分子に基づいた医療を今日の臨床に適応するという新たな一歩を踏み出した。」と、医師でもあるAndrew C. von Eschenbach FDA長官は述べている。「MammaPrintの結果から、患者と医師は乳癌の治療成績についての予測に関するより多くの情報が提供されるだろう。この情報は治療方針の決断を支えるものとなるだろう。」

Agendia社は多数の乳癌患者の遺伝子プロファイルを比較して70の遺伝子を特定し、その活性から腫瘍再発の確率に関与する情報を得た。MammaPrint検査では、外科手術により摘出された乳癌の腫瘍標本から各遺伝子の活性レベルを測定し、アルゴリズムとして知られる特定の式を用いて、その患者の癌が他の部位へ拡がるリスクが高いか低いか予測スコアを算出する。医師はその結果を他の臨床情報および臨床検査データとともに用いることで、患者の適切な経過観察計画を行う上で役立つと考えられる。

MammaPrint は最初に承認された体外診断多変数指標測定(in vitro diagnostic multivariate index assay ,IVDMIA) 装置である。FDAは数ヶ月前、この検査が単一の研究所で開発、利用される場合であっても、これらの高度な分子検査が販売前評価や装置販売後の義務に従う必要性があることをまとめたガイダンスの草案を発表した。FDAは研究所、病院、および医師に対して販売される診断検査を規制しているが、単一の研究所で開発および実施される検査に対する規制にも慎重な対応策をとっている。

2月8日FDAは公式会議を開き、この種の検査法に対する規制方針を定めたガイドラインの草案についての議論が行われる予定である。

「マイクロアレイをはじめとする先駆的な診断方法は目覚しく進歩し、その複雑な検査の利用は増え、影響力も大きくなっている。そのためFDAは、これらの検査が研究室で開発および実施された場合、検査に伴う恩恵同様に、可能性のあるリスクにも十分注意するべく迅速な対応をする必要がある。」とOffice of In Vitro Diagnostic Device EvaluationのディレクターSteven Gutman医師は述べた。「この検査法の承認は革新的技術の発展を考慮したもので、その効果を慎重に評価することで公衆衛生に寄与することができる。」

承認に先立ち、FDAはMammaPrintの本来の目的に対して妥当な正当性が認められると示す根拠を要求し、Agendia社からはヨーロッパ5施設の患者302名の腫瘍標本および臨床データを用いた試験結果が提出された。これらの試験から、61歳未満で、初期の2ステージ(Ⅰ期とⅡ期)で、腫瘍の大きさが5センチメートル以下、癌が近傍のリンパ節に転移しているという証拠がない(リンパ節陰性)患者において、遠隔転移までの期間を予測する上でこの検査が有効であることが確認された。FDAでは、申請された乳癌の予後遺伝子プロファイルを裏付けるデータを明文化した特別管理ガイドラインを今後60日以内に発行する予定である。

アメリカがん協会(ACS)によると今年国内で新たに浸潤性乳癌と診断される女性は178,480名で、40,000名以上がこの病気で死亡すると推定されている。

(Chihiro、野中希 訳・瀬戸山修(薬学) 監修 )

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