ドセタキセルでの好中球減少性腸炎の発症頻度は増加せず

ドセタキセルでの好中球減少性腸炎の発症頻度は増加せず

事前評価では、好中球減少性腸炎の発症頻度の増加は認められなかった。

2017年3月10日、欧州医薬品庁(EMA)はフランスにおいて、がん治療薬ドセタキセル投与後に好中球減少性腸炎を発症した患者の症例について調査をしており、それら患者の大半は手術可能な乳がんの治療を受けていたと発表した。

好中球減少性腸炎は、好中球減少症により起こる重篤な腸の炎症である。

これは、ドセタキセルのまれな副作用であることがわかっている(10,000人中、多くて1人の割合で発現する可能性)。

EMAのファーマコビジランス・リスク評価委員会(PRAC)による事前評価では、この副作用の頻度は、過去2年間増加していないことが示されている。

現在、利用可能なデータの徹底的な解析が行われており、審査が完了すると最終的な結論が公表される。

ドセタキセルは、がん患者の生存期間を延長することが明らかになっている重要な治療選択肢である。

EMAは医師に対し、審査が行われている間は、好中球減少症の予防と管理についての詳細な推奨事項などが記載されている現在の製品情報の警告に従って、本剤の処方を続けるべきであると助言する。

治療について質問のある患者は、医師に相談する必要がある。

ドセタキセルは、乳がんを含む数種類のがんの治療に使用される薬である。

本剤はEUにおいて、1995年以降タキソテール(Taxotere)をはじめ複数の商品名で承認されている。

医薬品ドセタキセルの詳細はこちらを参照のこと。

ドセタキセルの審査は、安全性シグナルを検討するために実施されている。

安全性シグナルとは、医薬品によって引き起こされる可能性があり、さらに調査が必要な新規の有害事象または完全に文書化されていない有害事象に関する情報である。

審査は、ヒト用医薬品の安全性問題の評価を担当する委員会であるEMAのPRACによって行われている。

審査が完了すると、PRACはリスクを最小限に抑えて患者の健康を守るために必要な勧告を行う。

翻訳担当者 江澤逸子

監修 原 文堅(乳がん/四国がんセンター)

原文を見る

原文掲載日 

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

乳がんに関連する記事

ER+/HER2-転移乳がんでギレデストラント併用療法が無増悪生存期間を延長の画像

ER+/HER2-転移乳がんでギレデストラント併用療法が無増悪生存期間を延長

エストロゲン受容体陽性(ER+)HER2陰性の進行乳がんにおいて、次世代型選択的ER受容体分解薬(SERD)であり完全拮抗薬でもある、giredestrant[ギレデストラント]を用い...
米FDAがER陽性/HER2陰性/ESR1遺伝子変異の進行・転移乳がんにイムルネストラント+アベマシクリブを承認の画像

米FDAがER陽性/HER2陰性/ESR1遺伝子変異の進行・転移乳がんにイムルネストラント+アベマシクリブを承認

2026年9月18日、米国食品医薬品局(FDA)は、1種類以上のホルモン療法後に病勢進行が認められた進行/転移を有する乳がんの成人患者のうち、エストロゲン受容体(ER)陽性、ヒト上皮成...
米FDAが、ESR1+/HR+/HER2-局所進行・転移乳がんにCDK4/6薬併用でカミゼストラントを迅速承認の画像

米FDAが、ESR1+/HR+/HER2-局所進行・転移乳がんにCDK4/6薬併用でカミゼストラントを迅速承認

2026年9月4日、米国食品医薬品局(FDA)は、ホルモン受容体(HR)陽性、ヒト上皮成長因子受容体2(HER2)陰性で局所進行/転移を有する乳がんの成人患者のうち、アロマターゼ阻害薬...
ミニ臓器で乳がん治療反応は予測可能か?の画像

ミニ臓器で乳がん治療反応は予測可能か?

患者由来オルガノイド(※サイト注:オルガノイドとは、幹細胞から立体的に培養された、体内の本物の臓器によく似た構造や機能を持つミニチュアの組織)と、乳がんにおけるバイオマーカーと治療反応...