乳がん治療後ケアに関する新たな合同ガイドライン

乳がん治療後ケアに関する新たな合同ガイドライン

米国臨床腫瘍学会(ASCO)およびアメリカがん協会(ACS)は本日、乳がんサバイバーである成人女性患者の治療における合同臨床診療ガイドラインを公表した。本ガイドラインは、乳がん再発の経過観察、新たな原発がんのスクリーニング、長期および晩発障害の管理、健康増進、介護支援サービス管理ならびに実施推奨を含む。

「ASCOは、今回のACS-ASCO合同ガイドラインで初めてACSと連携することができ、光栄です」とASCO会長のJulie M. Vose医師、(MBA、FASCO)は述べた。「われわれは、がんに冒された何百万もの患者に対するがん治療の質を向上させるため、協働し続けることを望んでいます」。

本ガイドラインには、かかりつけ医はもとより、乳がんサバイバーを治療する他の医師への推奨も提供する意図がある。その推奨はASCOの乳がんフォローアップ・ケア・ガイドラインおよび症状に焦点を当てたがん治療後ケア・ガイドラインと一致しており、かつ補完するものとなっている。

「この新たなガイドラインは、治療から治療後の経過観察に移行していく女性の乳がんサバイバーが直面する問題を扱っています」とASCO/ACS専門家作業部会の議長であるCarolyn D. Runowicz医師(FASCO)は述べた。「本推奨は、生活の質および健康転帰の向上に注力した、質の高いがん治療後ケアをもたらすはずです」。

本ガイドラインの推奨は、プライマリ・ケア、婦人科学、腫瘍外科学、腫瘍内科学、放射線腫瘍学、および看護に熟達している多職種の専門集団により作成された。さらに、患者の視点を伝えるためにがんサバイバーが1人参加した。本専門家作業部会は2015年4月までに発表された文献の系統的レビューを実施し、237の関連論文を同定した。

「私はこの一連の広範な推奨は、数が増加している乳がんサバイバーに対し、最も望ましい健康状態を提供するものと信じています」と、ASCO/ACS専門委員会のASCO代表である Gary H. Lyman医師(公衆衛生学修士、FASCO、FRCP)は述べた。「本合同ガイドラインの構想は、がん治療および治療後の経過観察の分野において、ACSとASCOとの間に将来実りある連携を形作るための枠組みとしても役立つと思われます」。

本ガイドラインの重要な推奨

・患者は乳がん再発発見のための定期的診察(がんに関連した病歴聴取および身体診察)を受診し、新たな原発性乳がんがないかスクリーニングを受けるべきである。

・乳がん再発を評価するための定期的な臨床検査や画像検査は、無症状の患者には推奨しない。

・かかりつけ医は患者に健康的なライフスタイルを維持することの重要性について助言し、治療後の症状やホルモン(内分泌)療法を遵守しているか観察すべきである。

ACS/ASCOの乳がん治療後ケア・ガイドラインは、本日CA: A Cancer Journal for Clinicians誌およびJournal of Clinical Oncology誌で発表された。

患者に対するこれらの推奨を知るうえでの手がかりとなる情報は、以下のウェブサイトで入手可能である。
www.cancer.net/recommendations

本ガイドラインは、副次的な資料と共に以下のウェブサイトで入手可能である。
www.asco.org/guidelines/breastsurvivorship

関連するASCOのガイドラインは以下である:
・初期治療後の乳がんのフォローアップおよび管理:改訂ASCO臨床診療ガイドライン
・成人がんサバイバーにおける疲労のスクリーニング、評価および管理:ASCO臨床診療ガイドライン改変
・成人のがん患者における、不安および抑うつ症状のスクリーニング、評価および治療:ASCO臨床診療ガイドライン改変
・成人がんサバイバーにおける、化学療法誘発性末梢神経障害の予防および管理:ASCO臨床診療ガイドライン

ASCOは、ASCO Guidelines Wiki(www.asco.org/guidelineswiki)を通じてがん専門医や開業医、患者からのガイドラインへのフィードバックを奨励している。

翻訳担当者 太田 奈津美

監修 原野謙一(乳がん・婦人科がん・腫瘍内科/MDアンダーソンがんセンター)

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