ベバシズマブを併用した二次治療でHER2陰性進行乳癌患者の無増悪生存期間が改善

キャンサーコンサルタンツ

HER2陰性の進行乳癌の二次治療として、化学療法にベバシズマブ(アバスチン)を併用すれば、無増悪生存期間が改善する。ユニバーシティ・ウィメンズ病院(ドイツ、フランクフルト)のvon Minckwitz氏らはこのほど、進行乳癌の治療におけるベバシズマブの役割を評価する第3相試験(TANIA試験)の結果をLancet Oncology誌で報告した。

TANIA試験は現在進行中の非盲検試験で、化学療法とベバシズマブを併用した12週間の一次治療後に乳癌が進行した患者494人が登録している。癌の進行が認められた患者は、化学療法単独、またはベバシズマブを継続併用した化学療法のいずれかによる追加治療を受けた。本試験の患者は、2011年2月から2013年4月の間に、フランス、ハンガリー、スペイン、イタリア、オーストリア、クロアチア、ドイツ、スイス、スロバキア、ギリシア、イスラエル、アルゼンチンの118施設から参加した。

ベバシズマブを併用した追加治療は、全体的には比較的良好な忍容性を示した。有害事象による治療の中止が認められたのは、化学療法単独による治療を受けた患者で8%であったのに対し、ベバシズマブ併用の治療を受けた患者ではおよそ16%であった。

無増悪期間中央値は、化学療法単独による治療を受けた患者で4.2カ月であったのに対し、ベバシズマブを併用した化学療法による治療を受けた患者では6.3カ月であった。このことは、局所再発または転移性のHER2陰性乳癌で、ベバシズマブを併用した一次治療により当初は癌の安定または反応がみられた患者には、ベバシズマブの継続使用が有効な治療法の選択肢であることを示唆している。

参考文献:

von Minckwitz G, Puglisi F, Cortes J, et al. Bevacizumab plus chemotherapy versus chemotherapy alone as second-line treatment for patients with HER2-negative locally recurrent or metastatic breast cancer after first-line treatment with bevacizumab plus chemotherapy (TANIA): an open-label, randomised phase 3 trial. The Lancet Oncology, Volume 15, Issue 11, Pages 1269 – 1278, October 2014.


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翻訳担当者 下川智美

監修 野長瀬祥兼(腫瘍内科/近畿大学医学部附属病院)

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