ドセタキセル:医薬品安全性通達-アルコール中毒症状を引き起こす可能性

米国食品医薬品局(FDA)ニュース MedWatch 安全性情報

腫瘍科向け

問題点:米国食品医薬品局(FDA)は、静注化学療法薬のドセタキセルにエタノールが含有されていることについて警告している。エタノールはアルコールとしても知られ、治療中および治療後に患者に対して中毒または悪酔いをもたらすことがある。FDAはこの危険性について警告するために、すべてのドセタキセル製剤の添付文書を改訂している。

背景:ドセタキセルは、乳癌、前立腺癌、胃癌、頭頸部癌、非小細胞肺癌など、さまざまな種類の癌治療に使用される化学療法の処方薬剤である。

推奨:医療従事者は、患者、特にアルコール摂取を避ける必要のある患者、または最小限にとどめる必要のある患者にドセタキセルを処方または投与する際や、他の治療薬と併用する際に、ドセタキセルにアルコールが含有されていることを考慮する必要がある。

医療従事者および患者は、これらの医薬品の使用に伴う有害事象または副作用をFDAのMedWatch安全性情報および有害事象報告プログラムに報告することが推奨される。

・オンラインwww.fda.gov/MedWatch/report.htmにて、報告書に記載し、提出すること。

・用紙をダウンロードするか、または1-800-332-1088に電話して報告用書式を請求すること。記入後、住所記載済みの用紙にある住所に送るか、または1-800-FDA-0178にファックスで送付すること。

[2014年6月20日 –安全性通達 – FDA]

翻訳担当者 武蔵 啓

監修 後藤 悌 (呼吸器内科/東京大学大学院医学系研究科)

原文を見る

原文掲載日 

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

乳がんに関連する記事

HER2陰性進行乳がんにエンチノスタット+免疫療法薬が有望の画像

HER2陰性進行乳がんにエンチノスタット+免疫療法薬が有望

ジョンズホプキンス大学ジョンズホプキンス大学キンメルがんセンターの研究者らによる新たな研究によると、新規の3剤併用療法がHER2陰性進行乳がん患者において顕著な奏効を示した。この治療で...
英国、BRCA陽性の進行乳がんに初の標的薬タラゾパリブの画像

英国、BRCA陽性の進行乳がんに初の標的薬タラゾパリブ

キャンサーリサーチUKタラゾパリブ(販売名:ターゼナ(Talzenna))が、英国国立医療技術評価機構(NICE)による推奨を受け、国民保健サービス(NHS)がBRCA遺伝子変異による...
乳がん術後3年以降にマンモグラフィの頻度を減らせる可能性の画像

乳がん術後3年以降にマンモグラフィの頻度を減らせる可能性

米国がん学会(AACR)  サンアントニオ乳癌シンポジウム(SABCS)50歳以上で、初期乳がんの根治手術から3年経過後マンモグラフィを受ける頻度を段階的に減らした女性が、毎年マンモグ...
早期乳がんにリボシクリブとホルモン療法の併用は転帰を改善:SABCSの画像

早期乳がんにリボシクリブとホルモン療法の併用は転帰を改善:SABCS

MDアンダーソンがんセンターアブストラクト:GA03-03

Ribociclib[リボシクリブ](販売名:Kisqali[キスカリ])とホルモン療法の併用による標的治療は、再発リスクのあ...