乳頭分泌物検査:安全性通達 – 乳頭分泌物による乳癌の検査はマンモグラフィの代替検査方法にはならない/FDA安全性情報

2013年12月12日

放射線科専門医、病理専門医、内科医、産婦人科医、腫瘍科医向け

原文

問題点:米国食品医薬品局(FDA)は女性および医療従事者を含む全国民に対し、乳頭分泌物検査はマンモグラフィや他の乳房画像診断、または乳房生検の代替検査方法にはならず、乳癌の検査や診断に単独で使用すべきではないことを警告している。FDAには、乳頭分泌物検査が乳癌や他の乳腺疾患の早期発見を含む、病状に対する有効な検査方法であることを示す有効な科学的データがない。

一部の臨床検査業者は、乳癌の検査や診断に関して単独で評価できる検査方法として乳頭分泌物検査の使用を奨励しており、乳房生検やマンモグラフィの代替検査方法になると謳っている。また、乳頭分泌物検査により、マンモグラフィ実施の前にごくわずかな数の細胞標本で前癌病変を検出し、乳癌を診断することができるとも表示している。女性が乳頭分泌物検査に関するこれらの誤解を招く記載を信じ、マンモグラフィや他の必要な乳房画像診断、または乳房生検を受けないことをFDAは懸念する。これにより、重大で有害な健康上の影響が現れる可能性がある。

健康上の影響の可能性として、「偽陰性(乳癌は存在するが、検査結果は陰性)」と「偽陽性(乳癌は存在しないのに、検査結果は陽性)」がある。偽陰性の場合には乳癌の診断や治療が遅れる可能性があり、重症化リスクや死亡リスクが増加する。偽陽性の場合には患者に無用な不安を与える可能性があり、また、不要な追加検査や治療を実施する可能性がある。

全米総合がん情報ネットワーク(The National Comprehensive Cancer Network: NCCN)のガイドライン2013年版では、乳頭分泌物検査の臨床的有用性は未だ評価中であり、乳癌の検査方法として使用するべきではないと記載されている。

背景:乳頭分泌物採取器具は、女性乳房から乳頭分泌物を採取するために使用される吸引ポンプである。乳頭分泌物検査により、乳房から採取された分泌液に異常細胞が存在するか否かを判定することができる。

推奨:マンモグラフィの代替検査方法として、または、乳癌の検査や診断に単独で、乳頭分泌物検査を使用すべきではない。

医療従事者および患者は、これらの検査方法の使用に関連した有害事象や副作用についてFDAのMedWatch安全性情報と有害事象報告プログラムに報告することが推奨される。

・オンラインwww.fda.gov/MedWatch/report.htmにて、報告書に記載し、提出すること。

・用紙をダウンロードするか、または1-800-332-1088に電話して報告用書式を請求すること。記入後、住所記載済みの用紙にある住所に送るか、または1-800-FDA-0178にファックスで送付すること。

[2013年12月12日 –安全性通達 – FDA]

******
渡邊 岳 訳
辻村信一 (獣医学・農学博士、メディカルライター/メディア総合研究所)監修 
******

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

乳がんに関連する記事

【ASCO2024年次総会】若年乳がん患者のほとんどが治療後に妊娠・出産可能の画像

【ASCO2024年次総会】若年乳がん患者のほとんどが治療後に妊娠・出産可能

ASCOの見解(引用)「乳がんの治療後も、妊娠や出産が可能であるだけでなく安全でもあることが、データが進化するにつれて次々と証明されてきています。この研究では、妊娠を試みた乳が...
欧州臨床腫瘍学会(ESMO)乳がん会議2024の画像

欧州臨床腫瘍学会(ESMO)乳がん会議2024

ESMO 乳がんBreast Cancer 2024が5月15日から17日にかけてドイツのベルリンで開催され、乳がんの最新研究が発表される。世界中からベルリンに集まった参加者は、著名な...
次世代PARP阻害薬サルパリブ、相同組換え修復不全乳がんで臨床的有用性を示すの画像

次世代PARP阻害薬サルパリブ、相同組換え修復不全乳がんで臨床的有用性を示す

ポリADP-リボースポリメラーゼ(PARP1)の選択的阻害薬であるsaruparib[サルパリブ]が、特定の相同組換え修復(HRR)欠損を有する乳がん患者に対して有望な客観的奏効率と無増悪生存期間を示した。この結果は第1/2相PETRA試験によるもので、4月5日から10日まで開催された米国癌学会(AACR)2024年年次総会で発表された。
HER2陰性進行乳がんにエンチノスタット+免疫療法薬が有望の画像

HER2陰性進行乳がんにエンチノスタット+免疫療法薬が有望

ジョンズホプキンス大学ジョンズホプキンス大学キンメルがんセンターの研究者らによる新たな研究によると、新規の3剤併用療法がHER2陰性進行乳がん患者において顕著な奏効を示した。この治療で...