Kadcyla[カドサイラ](ado-トラスツズマブ・エムタンシン):医薬品安全性通達—医薬品名の混同による誤投薬の可能性/FDA安全性情報

Kadcyla[カドサイラ](ado-トラスツズマブ・エムタンシン):医薬品安全性通達—医薬品名の混同による誤投薬の可能性/FDA安全性情報

2013年5月6日

リスク管理従事者、薬剤師および腫瘍医向け

原文

問題点:FDAは医療従事者に対し、投薬に関連する電子システムの一部における乳癌治療薬Kadcyla[カドサイラ](ado-トラスツズマブ・エムタンシン)の誤った一般名の使用がハーセプチン(トラスツズマブ)との混同を招き誤投薬につながる可能性について通達した。Kadcylaと別の乳癌治療薬であるハーセプチンの用量および投与スケジュールは非常に異なっているため、両医薬品の混同によって投与量を誤り患者に危険を及ぼす可能性がある。

本来はFDA承認済みのKadcylaの一般名であるado-トラスツズマブ・エムタンシンが用いられるべきである。しかし、FDA以外の機関による出版物や医薬品要覧、医療情報システム(電子カルテシステムならびに薬局での処方箋処理、卸売業者への発注および調剤指示に用いられるシステム等)およびウェブサイトでは、米国一般名(USAN)を誤って使用し、「トラスツズマブ・エムタンシン」と接頭辞の「ado」とハイフンが省略されている場合がある。このようなKadcylaの一般名の省略形を使用するとハーセプチン(トラスツズマブ)との混同を生じる可能性がある。

医薬品情報に関する出版物では、FDA承認医薬品添付文書に記載されているFDAにより承認された商標(製品名)や一般名を用いて医薬品名を記載することが重要である。これは誤投薬や誤って別の医薬品に対し有害事象を報告することへの防止につながる。

2013年2月22日にKadcylaが承認されて以来、Kadcylaとハーセプチンの混同による誤投薬はFDAに報告されていないが、実際には承認前の臨床試験において安全性・有効性試験中に誤投薬が発生している。

背景:Kadcylaは、身体の他の部位に転移が認められ、ハーセプチン(トラスツズマブ)およびタキサン系抗癌剤による前治療を受けたHER2陽性乳癌患者の治療に用いられる。Kadcylaは、抗HER2薬であるトラスツズマブに癌細胞の成長を阻害するDM1という薬物を結合したものである。

推奨:医療従事者は、紙の指示書および電子システムにて投薬を指示する際には、FDAに承認された商標(製品名)であるKadcylaと一般名(ado-トラスツズマブ・エムタンシン)の両方を用いなければならない。このような誤用防止策を取ることで誤投薬を減らせる可能性がある。さらに、投薬に関連する電子システム上でKadcyla(ado-トラスツズマブ・エムタンシン)とハーセプチン(トラスツズマブ)を混同しないよう警告する方策を講じなければならない。

医療従事者および患者は、これらの医薬品の使用に伴う有害事象または副作用をFDAのMedWatch安全性情報・有害事象報告プログラムに報告することが推奨される。

オンラインwww.fda.gov/MedWatch/report.htmにて、報告書に記載の上提出すること。

書式をダウンロードするか、または1-800-332-1088に電話をして報告用書式を請求すること。記入後、書式にある住所に送るか、または1-800-FDA-0178にファックスで送付すること。

[05/06/2013 – Drug Safety Communication – FDA]

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佐々木真理 訳
林  正樹 (血液・腫瘍内科 社会医療法人敬愛会中頭病院)監修 
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