多くの女性は乳房切除術後の乳房再建を受けていない

キャンサーコンサルタンツ

乳房切除術を受けた女性の4分の1未満しか、即時乳房再建を受けていない。これらの結果は、2011年CTRC-AACRサンアントニオ乳癌シンポジウムで発表された。

乳癌女性の中には、治療に片側または両側乳房切除術(1つまたは両方の乳房の除去)を含むものもいる。乳房の外観を復元するため、乳癌女性らは、乳房切除術後に乳房再建を受けるか選択することができる。研究は、即時乳房再建が精神面での健康を増進させることを示唆している。

乳房再建術は、ますます洗練されてきており、ほとんどすべての乳房切除術を受けた女性に行うことができる。乳房再建術の目的は、反対側の乳房に合う乳房を作ることである。このことは、乳房インプラントのみの使用、実際に患者自身の組織を使った乳房再建、またはこれら2つの技術の併用療法の利用によって行われうる。

即時乳房再建の頻度と予測因子を調べるために、研究者らは2000年から2010年の間に乳房切除術を受けた106,000人以上の乳癌患者についての情報を集めた。

  • 全体で、23%の女性群が即時乳房再建を受けた。
  • 即時再建率は、2000年の15%から2010年の33%へと時間の経過とともに増加した。
  • 健康保険のない女性群と比較して、商業的な健康保険のある女性群は、乳房再建を受ける可能性が3倍以上高かった。
  • 高齢、黒人、農村部の病院または教育病院ではない病院で治療を受けた女性群、複数の他の健康上の問題を抱えている女性群の場合は、即時再建を受ける可能性が低かった。

これらの結果は、乳房切除術後の乳房再建率が時間の経過とともに増加してきているが、依然として低いままであることを示唆している。評価された要因のうち、保険の状態が、乳房再建を受け得た患者の最も強力な予測因子の1つであった。研究者らは、すべての女性に再建術へのアクセスを保証する公共政策を奨励している。

参考文献:

Hershman DL, Neugut A, Richards CA et al. Influence of hospital factors, physician factors and type of health insurance of receipt of immediate postmastectomy reconstruction in young women with breast cancer. Presented at the 2011 CTRC-AACR San Antonio Breast Cancer Symposium. December 6-10, 2011. Abstract S6-3.


  c1998- CancerConsultants.comAll Rights Reserved.
These materials may discuss uses and dosages for therapeutic products that have not been approved by the United States Food and Drug Administration. All readers should verify all information and data before administering any drug, therapy or treatment discussed herein. Neither the editors nor the publisher accepts any responsibility for the accuracy of the information or consequences from the use or misuse of the information contained herein.
Cancer Consultants, Inc. and its affiliates have no association with Cancer Info Translation References and the content translated by Cancer Info Translation References has not been reviewed by Cancer Consultants, Inc.
本資料は米国食品医薬品局の承認を受けていない治療製品の使用と投薬について記載されていることがあります。全読者はここで論じられている薬物の投与、治療、処置を実施する前に、すべての情報とデータの確認をしてください。編集者、出版者のいずれも、情報の正確性および、ここにある情報の使用や誤使用による結果に関して一切の責任を負いません。
Cancer Consultants, Inc.およびその関連サイトは、『海外癌医療情報リファレンス』とは無関係であり、『海外癌医療情報リファレンス』によって翻訳された内容はCancer Consultants, Inc.による検閲はなされていません。

翻訳担当者 伊藤実花

監修 原 文堅(化学療法科/四国がんセンター)

原文を見る

原文掲載日 

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

乳がんに関連する記事

乳がんにおける生物学的格差:NCIミニットの画像

乳がんにおける生物学的格差:NCIミニット

https://youtu.be/4gWTEdG7qiUアフリカ系女性の乳がんが致命的になりやすい理由の1つとして、gp78というタンパク質の研究を紹介します。
◆────────...
腫瘍溶解性ウイルスを免疫細胞に潜ませ腫瘍に送り込むの画像

腫瘍溶解性ウイルスを免疫細胞に潜ませ腫瘍に送り込む

皆さんは「ウイルス」と聞いて、まず何を思い浮かべますか?

もし私が当ててみるとすれば、何か否定的なこと、おそらく、何らかの病気を思い浮かべていらっしゃるのではないでしょうか?もちろん、それは妥当...
白血病薬アシミニブはHER2陽性転移性乳がんに有望の画像

白血病薬アシミニブはHER2陽性転移性乳がんに有望

デュークがん研究所の研究者が主導した動物実験において、白血病の治療薬として承認されている薬剤が、HER2陽性乳がん腫瘍の脳内コロニー形成能力の阻害に成功した。

この結果は、8月30日付のCell...
FDAがESR1遺伝子変異陽性の進行/転移乳がんにエラセストラントを承認の画像

FDAがESR1遺伝子変異陽性の進行/転移乳がんにエラセストラントを承認

2023年1月27日、米国食品医薬品局 (FDA) は、1ライン以上のホルモン療法後に疾患が進行したER陽性HER2陰性でESR1変異がある進行または転移乳がんを有する閉経後女性または成人男性...