ラドンと肺がんの関連性の啓発を目的とした米国州法制定

Mike DeWineオハイオ州知事は今日(7月1日)、ラドン曝露とがんリスクの関連性に対する認識を高めるため、1月をオハイオ州のラドン啓発月間と定める法案に署名した。

Annie Cacciato Act(アニー・カチアート法)とも呼ばれるこの法律は、肺がんステージ4の診断から7年を迎えたがんサバイバー、アニー・カチアート氏に敬意を表して命名された。彼女はオハイオ州立大学総合がんセンターのアーサー・G・ジェームズがん病院およびリチャード・J・ソロブ研究所(OSUCCC – James)で治療を受けた。生涯非喫煙者であるため、肺がんと診断されたのは長期にわたるラドン曝露と関連があると考えられている。診断後はその答えを求めて、勤務していたリッキング郡の学校や建物に対するラドン検査を実施させた。その結果、米国環境保護庁(EPA)が「安全」とみなす値の10倍の値が検出された。

彼女はオハイオ州議会に対し書面で次のように証言している。「私は何年もの間、主要な発がん物質を吸い込んでいましたが、その存在や自分の体がダメージを受けていることにはまったく気づいていませんでした。ラドンは味も色も匂いもない放射能爆弾のようなもので、毎日私のそばにいる無言の殺人者でした。誰も私のような状況に置かれる必要はありません。この問題は予防や軽減が可能ですが、問題に自分が気づいていなければ解決できません。あまりにも多くの人が、家庭や職場、学校にあるラドンの危険性に気づいていない状況です」。

アニーさんは、主治医である腫瘍内科医のDavid Carbone医師やOSUCCC – Jamesの政府業務担当職員のサポートを得ながら、ラドン曝露に対する認識を高めるべく州のリーダーたちに率先して働きかけ、オハイオ州におけるラドン啓発月間の制定を目指した。法案は州議会下院議員のJon Cross氏(共和党-Kenton選出)の後援を受け、2021年6月に正式に受理された。

肺がんは米国内および世界レベルにおいて、男女ともにがん関連死因の第1位となっている。喫煙が肺がんの最大のリスク要因であることは広く知られているが、米国環境保護庁によると、ラドン曝露は肺がんの原因の第2位、アニーさんのような非喫煙者の間では第1位とされる。

「私はこの7年間、オハイオ州の人々があまり真剣に受け止めていないラドンへの認識を高めるために尽力してきました」とも彼女は証言の中で述べている。「ラドンが原因の肺がんを終息させることが、このラドン啓発法案の目的です」。

ラドンは無色無臭のガスで、特殊な測定器でなければ検出できない。ラドンガスは、地中に存在する微量の天然ウランが崩壊することで発生し、土壌を伝わって住宅の地下に浸透していく。ラドンが肺に入るとDNAに損傷を与える粒子が放出され、最終的にがん発症につながる。

「オハイオ州は、米国全州のうちラドンの発生率が第4位、肺がんの発生率は第10位以内であるため、この問題を特に重要視しています。残念ながら、ラドン曝露が肺がんのリスクにつながることを認識していない人が多くいます。この問題を改善する必要がありますが、現状を認識することが、州内外において肺がんで苦しむ人や死亡する人を減らす第一歩です」とCarbone医師(OSUCCC – Jamesの胸部腫瘍センター長、オハイオ州立大学医学部肺がん研究所Barbara J. Bonner寄付講座教授)は述べている。

ラドンの健康リスクについては、epa.gov/radon/health-risk-radon で詳細を知ることができる。

翻訳担当者 白濱紀子

監修 田中謙太郎(呼吸器内科、腫瘍内科、免疫/九州大学病院 呼吸器科)

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