FDAが進行肺癌に対する初の維持薬物療法にアリムタを承認

FOR IMMEDIATE RELEASE:2009年7月6日
Media Inquiries: Karen Riley, 301-796-4674; karen.riley@fda.hhs.gov
Consumer Inquiries: 888-INFO-FDA

FDAが進行肺癌に対する維持薬物療法を初めて承認

米国食品医薬品局(FDA)は、進行または転移を有する肺癌の維持療法に使用可能な初めての薬としてアリムタ(ペメトレキセド)を承認した。化学療法に反応して腫瘍が縮小、あるいは安定した後に、増大を予防するため、癌患者はしばしば維持療法を受ける。アリムタは、細胞の複製に必要な成分であるビタミンB(葉酸)に依存する代謝過程を破壊する。「本剤は、進行非小細胞肺癌の新しい治療法である。一般的に、化学療法に反応する患者には、化学療法を4~6サイクル行った後にさらなる治療は行わない。本試験は、維持療法としてアリムタの投与を受けた患者の全生存期間が改善することを実証している」と、FDAの医薬品評価研究センター(CDER)抗腫瘍薬製品室(Office of Oncology Drug Products)長であるRichard Pazdur医師は述べた。

非小細胞肺癌には扁平上皮癌、大細胞癌、腺癌、および組織学的混合型癌など、複数の組織型がある。患者600人を対象とする臨床試験では、主に扁平上皮癌患者はアリムタから利益が得られなかった。しかし、不活性物質(プラセボ)の投与を受けた患者が投与後10.3カ月生存したのに対し、他の組織型の非小細癌患者は平均15.5カ月生存した。本試験の患者には、いずれも標準的医療を施行した。

報告された有害事象は、血液毒性、疲労、悪心、食欲不振、手足の刺痛またはしびれ、皮疹などであった。

アリムタは当初、アスベスト曝露と関連することの多い悪性中皮腫に罹患した患者に対する治療薬として、2004年に承認された。その後、本剤は以前の化学療法薬投与後に癌が悪化した非小細胞肺癌患者に対する治療薬、および進行非小細胞肺癌に対する初期治療としても承認されている。

アリムタは、インディアナポリスのEli Lilly & Co.社が製造している。

******


原文


翻訳担当者 北本明子

監修 久保田馨(国立がんセンター中央病院)

原文を見る

原文掲載日 

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

肺がんに関連する記事

【ASCO2025】進展期小細胞肺がんにルルビネクテジン+アテゾリズマブ併用で生存改善の画像

【ASCO2025】進展期小細胞肺がんにルルビネクテジン+アテゾリズマブ併用で生存改善

ASCOの見解(引用)「免疫療法は進展期小細胞肺がん(ES-SCLC)患者の生存転帰を改善し、これまで治療が困難であった疾患において意義深い進歩を示しました。しかし、こうした進...
G12D変異肺がんに経口治験薬ゾルドンラシブが客観的奏効を示す の画像

G12D変異肺がんに経口治験薬ゾルドンラシブが客観的奏効を示す 

KRAS G12D変異を有する前治療歴のある非小細胞肺がん(NSCLC)患者において、KRAS G12Dに対する経口阻害薬zoldonrasib[ゾルドンラシブ]の臨床的有用性が認めら...
米FDA、c-Metタンパク質過剰発現の非小細胞肺がんにテリソツズマブ ベドチン-tllvを迅速承認の画像

米FDA、c-Metタンパク質過剰発現の非小細胞肺がんにテリソツズマブ ベドチン-tllvを迅速承認

2025年5月14日、米国食品医薬品局(FDA)は、局所進行性または転移性の非扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)の成人患者のうち、全身療法の治療歴があり、c-Metタンパク質の過剰発...
【米国癌学会(AACR)】MDアンダーソンから画期的発表12演題の画像

【米国癌学会(AACR)】MDアンダーソンから画期的発表12演題

アブストラクト:1186、3746、3763、3776、3824、6367、6384、6396、6424、6427、6436、6438テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの...