【ESMO26】小細胞肺がん一次維持療法にタルラタマブ追加で生存に顕著な改善
進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)のDeLLphi-305試験において、デュルバルマブ維持療法に二重特異性T細胞誘導抗体薬であるタルラタマブを上乗せすることで、全生存期間(OS)の中央値が過去最長記録を大幅に更新する画期的な生存期間延長が示された。欧州臨床腫瘍学会(ESMO Congress 2026 マドリード、10月23日〜27日)のプレジデンシャル・シンポジウム(重要演題LBA3)において発表された。
この結果について、「これまでにない規模の生存延長であり、標準治療の変更につながる可能性がある」と、ジョージタウン大学ロンバルディ総合がんセンターのStephen Liu医師は、高く評価しており、大きな期待が寄せられている。
主要評価項目であるOS中央値は、併用群で21.1ヶ月となり、デュルバルマブ単独群の12.7ヶ月に比べて大幅な改善が示された(ハザード比 0.42、95%信頼区間 0.32〜0.54、p<0.001)。これは、従来の一次治療における最長記録13.2ヶ月を大きく上回る結果となっている。また、無増悪生存期間(PFS)中央値も、併用群7.4ヶ月に対し単独群1.9か月と、顕著な延長が認められた(ハザード比 0.34、p<0.001)。また客観的奏効率(ORR)についても、併用群が26.4%、単独群が4.1%と有意な差が示された。
安全性に関して、グレード3以上の治療関連有害事件は併用群で20.9%と単独群(10.8%)の約2倍に増加したものの、有害事象によるデュルバルマブの中止は双方の群で低く、投薬継続への大きな支障にはならないと考えられる。二重特異性T細胞誘導抗体特有の副作用であるサイトカイン放出症候群(CRS)は併用群の49.6%に発生したものの、大部分がグレード1であり、治療関連死は認められなかった。
本試験結果から、本併用療法がES-SCLC一次治療における維持療法の新たな標準治療として期待される。一方、TAISHAN-302、およびARTEMIS-008試験の結果、再発小細胞肺がんに対してトポテカンよりも優れた生存延長を示している抗B7-H3抗体薬物複合体(ADC)のタンボタツグ ペリテカンやリスヴタツグ レゼテカンが、2次治療以降の重要な選択肢となるだろう。将来的には、一次治療での免疫治療やタルラタマブとの新たな併用パートナーとしても注目される。
- 記事担当:野中希
- 監修:久保田馨 (呼吸器内科/日本医科大学呼吸ケアクリニック)
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- 原文掲載日:2026/10/24
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