欧州医薬品庁(EMA)がアファチニブに対し、局所進行または転移性の扁平上皮非小細胞肺がんへの適応拡大を推奨

新規適応は、プラチナベースの化学療法中あるいは化学療法後も進行する局所進行または転移性の扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)を対象としている。

 ・トピック:肺および胸部腫瘍、抗がん剤および生物学的療法

欧州医薬品庁(EMA)欧州医薬品委員会(CHMP)は2016年2月25日、アファチニブ(商品名:ジオトリフ)の製造販売承認にまつわる適応項目の変更を推奨する肯定的な意見を採択した。

本医薬品の販売承認取得者はBoehringer Ingelheim: GmbH社である。

欧州医薬品委員会は以下の新たな適応を採択した。
「アファチニブは単剤使用で、プラチナベースの化学療法中または化学療法後も進行する局所進行または転移性の扁平上皮NSCLCの治療を適応とする。」

アファチニブの全適応の詳細は以下の通りである。
「アファチニブの単剤使用は以下の治療に適応される。
・上皮成長因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害剤による治療歴がなく、EGFR変異活性をもつ局所進行または転移性のNSCLC成人患者
・プラチナベースの化学療法中または化学療法後も進行する局所進行または転移性の扁平上皮NSCLC患者」

本医薬品の使用に関する推奨の詳細は、医薬品の製品概要最新版に記載される予定である。この製品概要は、欧州委員会が販売認可への変更決定を承認した後、改訂版欧州公開医薬品審査報告書に公表されて、すべてのEU公用語で利用可能になる。

翻訳担当者 廣瀬千代加

監修 吉松由貴(呼吸器内科/淀川キリスト教病院)

原文を見る

原文掲載日 

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

肺がんに関連する記事

EGFR阻害薬耐性肺がん細胞に新たな標的CD70を発見の画像

EGFR阻害薬耐性肺がん細胞に新たな標的CD70を発見

MDアンダーソンがんセンター前臨床試験で、CD70を標的とした細胞療法、抗体薬物複合体による耐性腫瘍細胞の除去を確認
テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの研究者らは、EGF...
肺温存手術は一部の早期肺がん患者で有効の画像

肺温存手術は一部の早期肺がん患者で有効

米国国立がん研究所(NCI)
肺がんが早期、つまり肺外に拡がる前に発見された場合、通常は腫瘍切除のための外科手術が行われる。25年以上前から、こうした早期がん患者に対しては、たとえ腫瘍が非常に小...
ペムブロリズマブ術前療法がMSI-H/dMMR固形がんの転帰を改善の画像

ペムブロリズマブ術前療法がMSI-H/dMMR固形がんの転帰を改善

【MDアンダーソンがんセンター研究ハイライト 2023/01/11】よりMSI-H/dMMR固形がんにおいて術前免疫療法が可能性を示す免疫チェックポイント阻害薬であるペ...
ドムバナリマブ併用療法は進行性非小細胞肺がんに対して免疫療法薬単剤より優れているの画像

ドムバナリマブ併用療法は進行性非小細胞肺がんに対して免疫療法薬単剤より優れている

ASCOの見解

「新たな免疫チェックポイント受容体であるTIGIT標的を検討した先行研究で得られたシグナルはまちまちのものでした。本試験における免疫療法薬併用治療の有望な結果は、さらなる調査を支...