乳がん患者の減量試験から1年後の効果

乳がん患者の減量試験から1年後の効果

ダナ・ファーバーがん研究所の研究者による新たな報告によると、遠隔減量介入プログラムに参加した乳がん患者は1年後にベースラインから平均4.7%の体重減少を達成した一方で、教育のみの対照群では平均1%の体重増加を示した。乳がん減量(Breast Cancer Weight Loss: BWEL)試験の結果は、乳がん治療後の体重減少が再発リスクを低減し、生存期間を延長できるかどうかを検証するための継続的な研究の基盤を築いた。
 
本結果はJAMA Oncology誌に掲載された。
 
「この遠隔介入は、様々な患者特性や治療要因を問わず女性の減量を支援する上で成功を収め、米国とカナダの多数の施設で良好な効果を示しました」と、本試験の責任医師であるJennifer Ligibel医師(ダナ・ファーバーがん研究所)は述べている。「これらの結果によって、減量プログラムががんの再発リスクの低減に役立つかどうかを判断できる絶好の機会が得られたのです」。
 
肥満は乳がんの再発リスク因子であり、その他の関連する健康問題や生活の質の低下を引き起こす。乳がんの診断と治療後の患者が体重を減らすための効果的で信頼性の高い方法を見つけることが強く求められている。
乳がん減量(BWEL)試験は、米国国立がん研究所とスーザン・G・コーメン乳がん財団が支援する第3相試験であり、米国とカナダの637を超えるがん治療施設から約3,180人の女性が登録された。参加者は、ステージ2または3のHER2陰性乳がんと診断され、化学療法および放射線療法(実施された場合)を完了しており、電話ベースの減量介入と健康教育を併用する群(減量介入群)、または健康教育のみを受ける群(対照群)に無作為に割り付けられた。電話ベースの減量介入では、患者に対してカロリー摂取量を減らし運動量を増やすよう指導が行われた。
 
事前に規定された、12カ月後の患者結果に関する解析では、減量介入群の46.5%がベースラインから5%の体重減少を達成し、22.5%が10%減少を達成した。一方、健康教育のみの対照群ではベースラインから5%の体重減少を達成したのはわずか14.3%、10%減を達成したのは5%であった。さらに、ベースラインから5%以上の体重増加を示した患者は、対照群では21.9%、減量介入群では8.2%であった。
 
「乳がんと診断された後、体重を減らすのは非常に難しく、多くは体重が増えてしまいます」とLigibel医師は述べる。「この研究は、乳がん診断後の患者さんの体重管理を支援することが重要であることを強く裏付けています」。
 
減量介入により、教育レベル、社会経済的地位、治療の種類(抗エストロゲン療法を受けている患者を含む)にかかわらず、患者は体重が減少した。ただし、閉経前、アフリカ系アメリカ人、ラテン系の患者では体重減少が少なかったことが結果から示された。
 
「乳がんサバイバーの異なるグループごとに減量介入を最適化するには、さらなる研究が必要です」とLigibel医師は述べている。
 
「乳がんと診断された後、誰もが可能な限り健康でいられる機会を得る権利があります。スーザン・G・コーメン乳がん財団は、2016年からLigibel医師の先駆的なBWEL試験を支援してきたことを誇りに思います」とKimberly Sabelko博士(スーザン・G・コーメン乳がん財団の科学戦略・プログラム担当副社長)は述べている。「本試験に参加してくださった患者さんに深く感謝しています。この試験成果は、多くの患者さんがより長く、より良い人生を送るための根拠に基づく行動介入につながるでしょう。多様な患者集団において減量が達成可能であることを示すこの初期報告は非常に励みになるものであり、長期的な結果を楽しみにしています」。
 
本試験では、介入プログラムが英語とスペイン語の両方で提供され、ベジタリアン、ビーガン、低炭水化物食など、様々な食生活の嗜好に対応したレシピ推奨ツールボックスが提供された。レシピにはカリブ海料理、メキシコ料理、インド料理が含まれていた。商業パートナーは、希望する患者が使用できるよう活動量計、ワイヤレス体重計、食事代替シェイク、食品用スケールを寄付することでこの試験を支援した。
 
「健康的な食事、カロリー制限、活動レベルを守っている限り、私たちは患者さんの現状に合わせて対応しようと努めました」とLigibel医師は語る。「患者さんには支援と基盤が必要です。この研究は、多くの施設や幅広い層の人々に適用可能な介入方法を提供しています」。
 
BWEL試験の長期的な目標は、この介入が乳がんの再発を減少させるかどうかを明らかにすることである。もし減少させることができれば、このプログラムは患者にとってより広く利用可能なものとなる可能性がある。
 
「私たちは乳がん患者向けの減量プログラムに対する保険適用を目指しています。これにより患者自身の支払い能力にかかわらず、この種の介入治療を利用できるようにするのです」とLigibel医師は述べている。

  • 記事担当者 青山真佐枝
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  • 原文掲載日 2025/08/21

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