タルセバへのスーテント追加投与は進行非小細胞肺癌の全生存期間を改善しない

キャンサーコンサルタンツ

過去に治療歴のある非小細胞肺癌(NSCLC)患者において、スーテント (スニチニブ)とタルセバ(エルロチニブ)の併用療法は、タルセバ単独投与と比較して癌の進行を遅らせるものの、全生存期間は改善しなかった。この第3相臨床試験の結果はファイザー社からの報道発表で明らかとなったが、近く開催される学会でも発表される見込みである。[1]

進行非小細胞肺癌(NSCLC)の治療では化学療法が実施されることが多い。現在利用可能な併用化学療法レジメンは生存期間とともに生活の質も改善が可能だが、研究者は本疾患を持つ患者の転帰を改善するための方法を模索し続けている。

タルセバは、上皮増殖因子受容体(EGFR)経路といわれる生物学的経路を遮断することにより作用する標的治療薬である。EGFR経路は細胞の増殖と複製に関与する。タルセバは最初の化学療法で効果が認められなかった後のNSCLC治療、またはNSCLC維持療法あるいは進行膵臓癌の治療で使用される可能性がある。

スーテントは、癌細胞の増殖、複製、拡散に関与する複数の生物学的経路を阻害することにより作用する経口標的治療薬である。腎臓癌あるいは消化管質腫瘍を持つ選択された患者の治療において有効であることが明らかにされており、他の癌種の治療においても評価されている。その中のいくつかの第2相試験では、タルセバとスーテントの併用はNSCLCに有効であるとされていた。

患者はタルセバとスーテント併用あるいはタルセバとプラセボを併用するようランダムに割付けられた。スーテントとタルセバの併用群では全生存期間は改善されなかったが、無進行生存期間は、タルセバとプラセボの併用群と比較して有意な改善が見られた。本試験の患者において、新たなあるいは予想外の治療 による副作用は見られなかったことが報告された。

本試験の詳細な結果は、10月に開かれる第35回欧州臨床腫瘍学会(ESMC)にて発表される予定である。

参考文献:

[1]Pfizer news release. Topline Results From Phase 3 Trial of Sunitinib With Erlotinib in Advanced Non-Small Cell Lung Cancer (NSCLC). August 23, 2010.


  c1998- CancerConsultants.comAll Rights Reserved.
These materials may discuss uses and dosages for therapeutic products that have not been approved by the United States Food and Drug Administration. All readers should verify all information and data before administering any drug, therapy or treatment discussed herein. Neither the editors nor the publisher accepts any responsibility for the accuracy of the information or consequences from the use or misuse of the information contained herein.
Cancer Consultants, Inc. and its affiliates have no association with Cancer Info Translation References and the content translated by Cancer Info Translation References has not been reviewed by Cancer Consultants, Inc.
本資料は米国食品医薬品局の承認を受けていない治療製品の使用と投薬について記載されていることがあります。全読者はここで論じられている薬物の投与、治療、処置を実施する前に、すべての情報とデータの確認をしてください。編集者、出版者のいずれも、情報の正確性および、ここにある情報の使用や誤使用による結果に関して一切の責任を負いません。
Cancer Consultants, Inc.およびその関連サイトは、『海外癌医療情報リファレンス』とは無関係であり、『海外癌医療情報リファレンス』によって翻訳された内容はCancer Consultants, Inc.による検閲はなされていません。

翻訳担当者 滝川俊和

監修 大渕俊朗(呼吸器・乳腺内分泌・小児外科/福岡大学医学部) 

原文を見る

原文掲載日 

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

肺がんに関連する記事

ROS1陽性肺がんでレポトレクチニブが新たな治療選択肢にの画像

ROS1陽性肺がんでレポトレクチニブが新たな治療選択肢に

米国国立がん研究所(NCI) がん研究ブログ2023年11月、食品医薬品局(FDA)は、ROS1遺伝子融合と呼ばれる遺伝子変化を有する一部の進行肺がんの治療薬としてrepotrecti...
非小細胞肺がん、アロステリックEGFR阻害による薬剤耐性克服の可能性の画像

非小細胞肺がん、アロステリックEGFR阻害による薬剤耐性克服の可能性

ダナファーバーがん研究所アロステリック阻害薬EAI-432は、EGFR変異陽性の非小細胞肺がん(NSCLC)に対する新たな治療法を提供するEAI-432は、ATPポケット以外の部位に結...
一部の小細胞肺がんにタルラタマブが有効の画像

一部の小細胞肺がんにタルラタマブが有効

米国国立がん研究所(NCI) がん研究ブログ新しいタイプの標的免疫療法薬が、肺がんの中で最も悪性度の高い小細胞肺がん(SCLC)患者の約3人に1人で腫瘍を縮小させたことが臨床試験の結果...
FDAがROS1陽性肺がん(NSCLC)にレポトレクチニブを承認の画像

FDAがROS1陽性肺がん(NSCLC)にレポトレクチニブを承認

米国食品医薬品局(FDA)2023年11月15日、米国食品医薬品局(FDA)は、局所進行性または転移性のROS1陽性非小細胞肺がん(NSCLC)に対し、repotrectinib[レポ...