Tomudexとシスプラチンの併用で悪性胸膜中皮腫の生存率改善

キャンサーコンサルタンツ
2005年10月

悪性胸膜中皮腫(MPM)患者に対して、Tomudex (raltitrexed)とシスプラチンを併用した場合にはシスプラチン単独の場合と比較して生存率が改善すると、欧州癌研究治療機関(EORTC)肺癌グループおよびカナダ国立癌研究所所属の研究者が報告した。この無作為化第3相試験の詳細は 2005年10月1日付けJournal of Clinical Oncologyに報告されている。

悪性胸膜中皮腫はアスベストへの慢性的な曝露により引き起こされる稀な癌である。この疾病の患者には、息切れや咳、痛み、疲労感、食事ができない、といった、癌により引き起こされる症状により生活の質の低下がみられることが多い。このタイプの癌は、外科手術や化学療法、放射線療法からなるほとんどの治療法に対して抵抗性である。その上ほとんどの場合、疾病が進行期まで進んで外科手術や放射線療法が治療選択肢とはならなくなるまで、患者は悪性胸膜中皮腫に罹患していることに気がつかない。そのため、生活の質や生存率を改善するような化学療法の処方を確認することがこのような人たちのケアを改善するために必須である。

中皮腫は比較的化学療法抵抗性であると考えられているが、最近の研究では、新しい化学療法的手法によりかなりの苦痛緩和が可能であることがわかってきている。

Platinol単独がこれまでの標準であり、それにより、他のレジメンが評価される。しかしながら、代謝拮抗剤とプラチナ化合物の併用は、現在MPM患者の治療に最良のアプローチでないかもしれないというエビデンスが出始めている。

最も研究がなされた代謝拮抗剤はアリムタ (ペメトレキセド)で、プラチナ製剤との併用はシスプラチン単独より優れた結果を出している。Tomudexは、ヨーロッパとカナダで大腸癌の治療に承認されたもうひとつの代謝拮抗剤である。Tomudexは、ポリグルタミン酸塩に変換されるプロドラッグで、チミジル酸合成酵素を阻害する。Tomudex単独は、MPM治療への効果が証明されている。

今回の臨床試験では、257人の未治療のMPM患者がPlatinol単独投与とPlatinolとTomudex併用投与とにランダムに割り付けられた。


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