リンパ腫治療の進展ー2019年米国血液学会(ASH)年次総会

2019年米国血液学会(ASH)年次総会および展示会が12月7日から10日にフロリダ州オーランドで開催された。この総会には世界中から専門家が集まり、血液や骨髄の腫瘍などを含む血液関連疾患の治療における新たな進展について話し合う。

このポッドキャストでは、総会で発表された4つの発見についてMichael William医師(理学修士)が説明する。局所性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の新規治療方法、再発または再燃マントル細胞リンパ腫の新規治療アプローチ、および高耐性再発リンパ腫の新規治療薬に関する発見についてである。

・ 2つの研究ではPETスキャンを使用し、局所性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の患者が全身療法による治療後、放射線療法を必要とするか検討した。

・ 再発マントル細胞リンパ腫の治療に、分子標的療法(薬)であるイブルチニブ(販売名:イムブルビカ)とベネトクラクス(販売名:ベネクレクスタ)を組み合わせて使用した研究の最新情報。 

・高耐性な再燃非ホジキンリンパ腫の新たな治療法である二重特異性抗体モスネツズマブに関する研究。この免疫療法で、体のT細胞とリンパ腫B細胞が結び付き、T細胞が腫瘍を破壊できるようになる。 

Williams医師は、バージニア医科大学Byrd S. Leavell内科教授、病理学教授である。血液/腫瘍内科部長を務め、Cancer Service Lineを率いる医師でもある。また、UVAがんセンターの医務局の副局長を務めている。Williams医師は、Cancer.Net(ASCO患者向けサイト)リンパ腫部門の副編集長である。

***CANCER.NET ポッドキャスト(英語)は原文ページを参照ください。
「リンパ腫ハイライト―米国血液学会(ASH)2019(マイケル・E・ウィリアムズ, MD, ScM医師)」

翻訳担当者 水町敦子

監修 北尾章人(腫瘍・血液内科/神戸大学大学院医学研究科)

原文を見る

原文掲載日 

【免責事項】
当サイトの記事は情報提供を目的として掲載しています。
翻訳内容や治療を特定の人に推奨または保証するものではありません。
ボランティア翻訳ならびに自動翻訳による誤訳により発生した結果について一切責任はとれません。
ご自身の疾患に適用されるかどうかは必ず主治医にご相談ください。

リンパ腫に関連する記事

CAR-T細胞療法は侵攻性リンパ腫に有益の画像

CAR-T細胞療法は侵攻性リンパ腫に有益

米国国立がん研究所(NCI) がん研究ブログ個別化免疫療法の一種であるCAR-T細胞療法は、一部の侵攻性非ホジキンリンパ腫(NHL)の治癒に役立つ可能性がある。これは、CAR-T細胞療...
FDAがびまん性大細胞型B細胞リンパ腫にglofitamab-gxbmを承認の画像

FDAがびまん性大細胞型B細胞リンパ腫にglofitamab-gxbmを承認

米国食品医薬品局(FDA)2023年6月15日、米国食品医薬品局(FDA)は、2ライン以上の全身療法後の再発または難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫非特定型(DLBCL, NOS)...
axi-celが早期再発/難治性大細胞型B細胞リンパ腫の生存期間を有意に改善-ASCO2023の画像

axi-celが早期再発/難治性大細胞型B細胞リンパ腫の生存期間を有意に改善-ASCO2023

MDアンダーソンがんセンター(MDA)第3相ZUMA-7試験で、CAR-T細胞療法は標準治療と比較して死亡リスクを27.4%低下させることが判明

早期再発または難治性の大細胞型B細胞リン...
原発性縦隔B細胞リンパ腫に化学免疫療法後の放射線治療は不要な可能性の画像

原発性縦隔B細胞リンパ腫に化学免疫療法後の放射線治療は不要な可能性

米国臨床腫瘍学会(ASCO2023)ASCOの見解「これらの知見は、若年成人に多く発生する悪性度の高い種類のリンパ腫において特に重要である。これらの心強いデータにより、高用量の...