米FDA、成人と小児のAML/MDSでのallo-HSCTの前処置としてトレオスルファン+フルダラビンを承認

米FDA、成人と小児のAML/MDSでのallo-HSCTの前処置としてトレオスルファン+フルダラビンを承認

2025年1月21日、米国食品医薬品局(FDA)は、1歳以上の急性骨髄性白血病(AML)または骨髄異形成症候群(MDS)の成人および小児患者を対象とした同種造血幹細胞移植(allo-HSCT)の前処置として、アルキル化剤であるトレオスルファン(販売名:Grafapex、medac社)とフルダラビンの併用を承認した。

Grafapexの全処方情報はDrugs@FDAに掲載予定である。

有効性と安全性

ランダム化アクティブコントロール試験であるMC-FludT.14/L Trial II試験(NCT00822393)において、同種移植の前処置としてのトレオスルファン+フルダラビン併用を、ブスルファン+フルダラビン併用と比較し、有効性を評価した。対象は、AMLまたはMDSの18~70歳の成人患者でカルノフスキーPSが60%以上であり、さらに50歳以上または造血細胞移植合併症指数[HCTCI]スコアが2を超える患者が適格とされた。患者570人がトレオスルファン群(280人)とブスルファン群(290人)に無作為に割り付けられた。

有効性の主要評価項目は全生存期間(OS)であり、ランダム化から何らかの原因で死亡するまでの期間と定義した。ブスルファン群と比較したOSのハザード比(ドナータイプおよびリスク群で層別化)は、ランダム化集団で0.67(95%CI:0.51、0.90)、AML患者で0.73(95%CI:0.51、1.06)、MDS患者で0.64(95%CI:0.40、1.02)であった。

特に多く見られた副作用(20%以上)は、筋骨格痛、口内炎、発熱、悪心、浮腫、感染、嘔吐であった。選択されたグレード3または4の非血液学的検査値異常は、GGT上昇、ビリルビン上昇、ALT上昇、AST上昇、クレアチニン上昇であった。

推奨容量

推奨されるトレオスルファンの投与量は、フルダラビン(-6、-5、-4、-3、-2日目に1日30mg/m2)との併用で、-4、-3、-2日目に1日10g/m2であり、0日目に同種造血幹細胞輸注を行う。

  • 監修 喜安純一(血液内科・血液病理/飯塚病院 血液内科)
  • 記事担当者 平沢沙枝
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  • 原文掲載日 2025/01/21

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