FDAが多発性骨髄腫にイサツキシマブを含む3剤併用療法を承認
2021年3月31日、米国食品医薬品局(FDA)は、1~3レジメンの治療歴を有する再発または難治性の多発性骨髄腫成人患者に対して、カルフィルゾミブとデキサメタゾン併用療法にイサツキシマブ(販売名:サークリサ、sanofi-aventis U.S. LLC社)の併用を承認した。
イサツキシマブ+カルフィルゾミブ+デキサメタゾン併用療法の有効性および安全性は、IKEMA試験(NCT03275285)において評価された。IKEMA試験は、第3相、国際多施設共同、ランダム化、非盲検、2群比較試験であり、1~3レジメンの治療歴を有する再発または難治性の多発性骨髄腫患者を対象に行われた。本試験では患者302人をイサツキシマブ+カルフィルゾミブ+デキサメタゾンを投与する群(Isa-Kd群)、またはカルフィルゾミブ+デキサメタゾンを投与する群(Kd群)に3:2の割合で無作為に割り付けた。
主要有効性評価項目は無増悪生存期間(PFS)で、中央検査室のM蛋白データおよび国際骨髄腫ワーキンググループの基準を用いた中央放射線画像評価に基づいて、独立委員会により評価された。PFSの中央値は、Isa-Kd群では未到達であり、Kd群では20.27カ月(95%信頼区間[CI]:15.77~未到達[NR])であった(ハザード比[HR]0.548、95%CI:0.366~0.822、p=0.0032)。Isa-Kd群ではKd群と比べて病勢進行または死亡のリスクが45%減少したことが示された。
イサツキシマブ+カルフィルゾミブ+デキサメタゾン併用療法を受けた患者において、最もよくみられた副作用(20%以上)は、上気道感染症、輸注反応、疲労、高血圧、下痢、肺炎、呼吸困難、不眠、気管支炎、咳嗽、背部痛であった。最もよくみられた血液検査値の異常(80%以上)は、ヘモグロビン減少、リンパ球減少、血小板減少であった。
カルフィルゾミブ+デキサメタゾンとの併用時のイサツキシマブの推奨用量は、週1回10mg/kgの点滴静注を4週間行い、その後病勢進行または許容できない毒性が現れるまで、隔週投与とする。
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